くすりを飲むときには、気をつけなければいけないことや、決まりごとなどがあるの。正しいくすりの飲み方を学びましょう。
くすりをあげたり、もらったりして良いですか?
病院でもらったくすりは、その人の症状(しょうじょう) 、体質、体力、年齢などに合わせた、その人専用 (せんよう) のくすりになります。
ですから、そのくすりはだれにでも合うものではありません。
他の人が飲んだらアレルギー
を起こしたりすることがあります。実際に、他の人のくすりを飲んで、亡(な)くなってしまった人もいるのです。
自分がもらったくすりをあげるということは、とても危険(きけん)なことです。反対に、他の人のくすりを自分がもらうことも、危険(きけん)ですので絶対にしてはいけません。
自分がもらったくすりは、だれにでも合うものではありません。他人にあげることも、もらうことも絶対にしてはいけませんよ。
飲みぐすりは、水なしで飲んだり、少量の水で飲んだりすると、血液中のくすりの濃度(のうど)(血中濃度(けっちゅうのうど))の上がり方が悪く、効き目が現れにくくなります。
また、錠剤(じょうざい)やカプセル剤(ざい)を水なしで飲むと、のどや食道にくっつき、粘膜(ねんまく)をいためることがあります。
こうした事故を防ぐためにも、コップ一杯(いっぱい)程度(約200cc)の水かぬるま湯で飲み、しっかり胃まで流し込むようにしましょう。
くすりは必ずコップ一杯(いっぱい)の水かぬるま湯で飲むようにしましょう。
くすりとくすりには相性があり、一緒(いっしょ)に飲むと思わぬ症状(しょうじょう)を起こしてしまうことがありますので、注意が必要です。
また、くすりには、相性の良くない飲み物や食べ物があります。
例えば、納豆(なっとう)に含まれる
ビタミンKは、ワルファリンという血液を固まりにくくするくすりの効果と反対の作用があるため、ワルファリンを飲んでいる人には合いません。
グレープフルーツ、コーヒー、紅茶(こうちゃ)、牛乳(ぎゅうにゅう)なども、くすりによっては効果が強く出すぎたり、効果が得られなくなってしまうことがあります。
初めてのくすりを使うときには、食べ物・飲み物に注意する必要がないかどうか、医師・薬剤師(やくざいし) にたずねておくと安心です。
食品の賞味期限のように、くすりにも「この期間までなら飲んでも大丈夫(だいじょうぶ)」とされる使用期限というものがあります。
ドラッグストアなどで販売(はんばい)されているくすりの大部分(だいぶぶん)は、製造してから約3年は保存(ほぞん)できるようにつくられています。ただし、まだ封
(ふう)を開けていない状態で保管してあった場合に限ります。
病院でもらうくすりは、そのときの体調や症状(しょうじょう)に合わせて処方されています。あまった分を保管しておいて、あとで同じ症状(しょうじょう)
のときに使うようなことはやめましょう。
くすりにも使用期限はあります。
くすりは種類によって、保管方法がちがいます。使用説明書を良く読み、それぞれに適した保管をしましょう。
高温、多湿(たしつ)、直射日光(ちょくしゃにっこう)が苦手なくすりも多く、適していない保管状態だと、くすりの成分
が変化してしまい、効(き)き目が弱くなったり、副作用を起こす原因となってしまいます。
使用説明書の表示、あるいは医師や薬剤師(やくざいし)の指示を守りましょう。
くすりの保管場所でもうひとつ大切なこと
家庭で気をつけなくてはならないこと、それは使用したくすりをだしっぱなしで、赤ちゃんのそばに置かないことです。
赤ちゃんはなんでも口に入れてしまうクセがあります。必ず手のとどかない場所に保管するようにしましょう。
病院などでくすりをもらう場合は、「薬剤情報提供書(やくざいじょうほうていきょうしょ)」という使用説明書を渡されます。ドラッグストア などでくすりを買うと、その箱に「使用上の注意」が書かれた使用説明書(添付文書(てんぷぶんしょ))がついています。
これらの使用説明書には、くすりの
成分や効果、くすりを飲む回数や飲む量、副作用
の可能性、その他に注意することなど、大切なことがたくさん書かれています。
くすりを使用する前に、必ず使用説明書に目を通して、そのくすりを使い終わるまで、くすりと一緒(いっしょ)に保管しましょう。
使用説明書には、くすりについての大切な情報がたくさん書いてあるので、必ず読むようにしましょう。
おくすり手帳とは、今までに病院などでもらったくすりの名前、飲む量、飲む回数、副作用が起こったかなどのくすりの情報を記録しておく手帳のことです。
複数の病院に通院するときや、旅行先でケガや病気をしたとき、おくすり手帳を見せれば、くすりの重複(ちょうふく)や相互作用
(そうごさよう)
、副作用が起こらないように、自分に合ったくすりをだしてもらえます。
おくすり手帳は、薬局などでもらうことができます。もちろん、おくすり手帳をもらった薬局だけでなく、全国どこの薬局、病院でも使えます。
おくすり手帳は、自分に合ったくすりを処方(しょほう)してもらうための大切な情報が書いてあります。大切に保管し、薬局に行ったときには見せましょう。