医薬品評価委員会 2024-23 治験クラウドシステムを利用した電磁的記録について

関連分類:その他

初回公開年月:2024年10月

質問

治験クラウドシステムを利用した電磁的記録について質問がございます。
製薬協が作成した「治験関連文書の電磁的取り扱いに関する標準業務手順等」では、治験クラウドシステムを利用した電磁的記録について、システムの操作ログを「事実経過を検証するための記録」として利用する旨記載されております。
治験依頼者によっては、上記プロセスを遵守するために、治験クラウドシステム上で交付/受領した画面のスクリーンショットや、システムログの抽出データを、授受の経緯の記録としてTMFに保管することが求められます。
製薬協の意図としましても、「事実経過を検証するための記録」を治験依頼者側の記録としてTMFに保管することまでを求めているのでしょうか。
真正性、見読性、保存性やバックアップおよびリカバリーに関する観点から電磁化チェックリストにて問題ないことを確認し導入されているため、システム上の操作ログから事実経過を検証できれば問題ないのではないかと考えております。
多くの治験依頼者では「事実経過を検証するための記録」をTMFに保管することまでは求めていないため、製薬協としての見解か否か確認させていただけますと幸いです。

治験関連文書の電磁的取り扱いに関する標準業務手順書等(2024年版)(治験依頼者向け)より以下抜粋
5.4 電磁的記録の交付及び受領
治験クラウドシステムに電磁的記録を格納し相手に交付の旨を連絡すること、もしくは操作ログにより相手が閲覧又はダウンロードしたことを確認することで交付又は受領とする。システムの操作ログを「事実経過を検証するための記録」として利用する。
その他のクラウドシステムを使用した交付及び受領においては、その事実経過が検証できるように記録(例えば、交付及び受領の旨のメールを利用)する。e-メールに添付して交付又は受領する場合は、送信メール又は受信メール等を「事実経過を検証するための記録」として利用する。 

製薬協見解

 ご理解のとおり、システムバリデーションにより治験クラウドシステムの利用のための要件(作成、変更、削除、閲覧、ダウンロードに係る監査証跡が記録されること、電磁的記録の見読性・保存性・完全性が確保されること、バックアップ及びリカバリーの手順が文書化されていることなど)及び必要時に当該システムログにアクセスできることを確認している場合には、治験クラウドシステムの操作ログを「事実経過を検証するための記録」として利用することができると考えており、治験クラウドシステム上で交付/受領した画面のスクリーンショットや、システムログの抽出データ等を「事実経過を検証するための記録」としてTMFに保管することは想定していません。なお、実際の運用にあたってはシステムの機能や利用期間、試験終了後の電磁的記録(監査証跡を含む)の治験依頼者への移管方法・範囲、各社の標準業務手順書等と照らし、必要に応じて治験依頼者とご相談ください。 

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