医薬品評価委員会 2022-57 二重盲検試験における安全性情報の治験依頼者見解について

関連分類:副作用等報告

初回公開年月:2024年04月

質問

 企業治験・安全性情報の「治験薬副作用症例票」の治験依頼者の意見として、「二重盲検試験継続中であるため、盲検を維持している。」と記載し、治験依頼者の意見を表明していない治験依頼者が1社存在します。
 他の治験依頼者は、二重盲検試験においても、実薬であったとしての依頼者見解を記載しています。

 被験者保護の観点から、治験を安全な実施のためには、治験依頼者の意見を表明するべきだと考えますが、「盲検を維持している。」だけの記載のみでは、治験依頼者として無責任だと感じます。
 この依頼者には再三この旨お伝えしているのですが、納得できる回答が得られません。
 貴委員会の見解をお伺いしたく存じます。
 

製薬協見解

 ご質問の「治験薬副作用症例票」が、二重盲検試験における「治験使用薬 副作用・感染症 症例票」であるとの前提で回答させていただきます。

 「治験使用薬 副作用・感染症 症例票」は治験依頼者から厚生労働省へ提出される個別副作用症例に関する報告書となります。ご質問に記載いただいた通り、二重盲検試験においても、実薬であったとしての依頼者見解を記載する企業が多いとは考えますが、個別副作用報告の症例票の記載方法は治験依頼者ごとに異なり、製薬協として一律に見解を出すことはできません。

 治験依頼者は治験使用薬の安全性を継続的に評価する責任を有しております。二重盲検試験では盲検下で個別の副作用の因果関係評価を行うことは困難ですが、このような場合においても、治験依頼者は社内の手順に従い、個別副作用症例および集積情報の評価を行い、安全に治験が実施されるよう継続的に監視しております(データモニタリング委員会等を設置し、評価、監視している依頼者もございます)。
 被験者の安全性や治験の安全な実施に影響する可能性のある情報が示唆された場合は、治験責任医師への緊急レターや措置報告等で治験実施施設へ伝達することとなっておりますので、治験薬安全性プロファイル及び治験安全対策に影響する情報に関する治験依頼者見解についてはこれらの伝達手段(または情報)をもってご確認することが可能と考えます。
 

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