健康医療データの用語集

バイアス

バイアスは一般的には「偏り」「偏見」「先入観」を意味し、認識の歪みや思考の偏りを表す言葉ですが、臨床研究リアルワールドデータといったデータに関連する用語と共にバイアスという言葉を用いる場合、データが何らかの要因で真実を正確に反映していない傾向を意味します。
データにバイアスが生じていると、そこから得られる結論は誤っている恐れがあるため、調査や研究でデータを収集する際にはなるべくバイアスが生じないような方法を考えなければなりません。

医療における研究では、バイアスは研究結果をゆがめてしまう偏りと言えます。代表的なものとして「選択バイアス」「情報バイアス」などがあります。研究結果を正しく解釈するためには、どのようなバイアスの影響がありえるかを考慮する必要があります。
バイアスは様々な要因で生じる可能性があります。「選択バイアス」とは、例えば健康意識調査のアンケートを実施するとき、調査対象者を病院で募集する場合とインターネットで募集する場合とで、年齢や基礎疾患の有無といった対象者の特性が異なり、それに応じて回答の傾向も変わる可能性が高くなることを言います。また、設問の文章によっては、特定の選択肢が選ばれやすくなるよう誘導してしまう可能性もあります。これは「情報バイアス」の例の一つです。

選択バイアスの例
選択バイアスの例

調査や研究を行う際には、こういったバイアスが生じる恐れのある要因を理解したうえで、なるべくバイアスが生じないような方法を考えなければなりません。
無作為化臨床試験は、薬の効果に影響を及ぼす患者さんの特性のバランスを取ることでバイアスを生じづらくする方法の一つです。

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