医師の治験への取り組みに対する現状調査 日本、韓国、米国の治験担当医師へのアンケート結果より

源田 浩一(医薬産業政策研究所 主任研究員)
長谷藤 信五(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.60:2013年08月発行)

2003年、日本における治験の空洞化の改善のため「全国治験活性化3ヵ年計画」が策定された。当時から、日本の医師は米国の医師に比べ業務が多忙であり、治験業務を行う余裕がないことが指摘され、また、医師へのインセンティブを向上させることが重要であることが述べられており、同計画の中で、医師のインセンティブの向上についての具体的な方策と治験に関わる業績の評価方法を検討することとされていた。

2007年策定の「新たな治験活性化5ヵ年計画」を経て、現在「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が進行中であるが、はたして現在の日本の状況は医師が治験を実施しやすい環境にあるのか、また医師は治験に関する教育や訓練を受ける機会に十分に恵まれているのかを考えてみたい。

これらの課題に応えるため、アジアの中で治験に精力的な国の1つである韓国と、治験先進国である米国の治験担当医師に対し、治験への取組みについてアンケートを実施し、日本と海外の医師の現状を比較することにより、現在の日本の医師の治験環境の中で置かれている状況を本稿で明らかにしたい。

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