刊行物

リサーチペーパー

医薬品開発の期間と費用-アンケートによる実態調査-

八木 崇  (医薬産業政策研究所 元主任研究員)
大久保 昌美  (医薬産業政策研究所 元研究員)

(No.59 平成25年7月発行)

 内資系の研究開発型製薬企業が、2000~2008年の期間に非臨床試験及び臨床試験を実施した新有効成分含有医薬品開発のためのプロジェクトを対象としたアンケート調査で得られた471プロジェクトを評価対象とし、医薬品開発の成功確率や期間及び開発コストを、国内及び海外開発に分けて先行研究との比較も交えて整理した。

 今回の調査において、国内における1新薬を上市するために必要な開発コストは、資本コスト10%、2008年価格の場合で484億円、前回調査と同じ条件で552億円(資本コスト9%、1995年価格)と、前回調査の350億円に比べて大幅に上昇していることが明らかとなった。開発期間は、前回調査に比べて2年以上短縮しているものの、主として被験者数の増加の影響で開発コストが上昇したものと考えられる。なお、今回の調査では開発コストの対象に含めていない基礎研究費、市販後調査や試験などのコスト及び導入一時金を考慮すると、1新薬を上市するために必要な開発コストは、さらに大きくなっているものと推察される。また、国内開発コストに比べて海外開発コストは大きく、海外における1新薬を上市するために必要な開発コストは、資本コスト10%の場合で1,764億円と国内開発の3.6倍に達する。欧米の大手外資系企業を対象とした過去の調査において、1新薬を上市するために必要な開発コストは1,000億円程度と報告されてきたが、本調査で得られた海外開発コストは高額となっている。

 本調査結果を先行研究結果との比較でみた場合、国内及び海外開発いずれにおいても、1新薬を上市するために必要な開発コストは高騰していることがわかる。医薬品開発を取り巻く環境が厳しさを増す中、製薬企業は、患者が必要とする医薬品を継続的に供給していくためにも、医薬品開発の生産性を高める努力を続けていかなければならない。

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