医薬品の世界初上市から各国における上市までの期間 日本の医薬品へのアクセス改善に向けて

福原 浩行(医薬産業政策研究所 主任研究員)

(No.31:2006年05月発行)

2004年世界売上上位製品を対象に、世界初上市後、他の国々へ上市されるまでの期間を調査し、新薬へのアクセスの観点から分析を行った。

新薬が複数の国々で上市されるのに要する期間はこの20年で急速に短縮しており、世界各国の新薬へのアクセスは大幅に改善している。日本も上市までの期間は短縮傾向にあるものの、その変化のスピードは他国より遅く、相対的な上市順位は後退しつつあり、近年では調査対象66か国のなかでもっとも上市が遅い国々のひとつとなっている。また、世界売上上位製品の約3割は日本で上市されておらず、新薬へのアクセスという観点から日本の状況の悪化が懸念される。

「治験・臨床研究の活性化」や「海外臨床データの活用」等による治験の効率化、「価値を反映した価格」や「治験費用の低減」等による日本市場の魅力度向上といった方策が日本の新薬へのアクセス改善に有効であると考えられる。

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