医薬品開発における期間と費用 新薬開発実態調査に基づく分析

山田 武(千葉商科大学商経学部 助教授)

(No.8:2001年10月発行)

新薬開発を実施している日本国内に本部のある企業を対象とし、アンケート形式で回答を依頼した。質問内容は新有効成分かそれ以外か、効能、対象疾患、起源会社、開発会社、進捗状況、開発費用などである。集められたデータを基にした分析から次の結果を得た。新有効成分(いわゆる新薬)の開発に成功する確率は13%で、非臨床試験を開始した7.7プロジェクトのうち、1プロジェクトだけが承認を受けることができる。非臨床の開始から承認を受けるまでには11.5年の期間がかかる。そして一化合物を製品として上市するためには、途中で開発を中止したプロジェクトを含めて350億円が必要である。これまでは漠然と新薬開発のリスクや巨額の開発費が語られることはあったが詳細なデータから実態が明らかにとなったのは我が国ではこの研究が初めてである。

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