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患者さんが望むもの ―第1回電話聞き取り調査より―

日本製薬工業協会 くすり相談対応検討会情報提供のあり方小委員会委員長
久保 信吾

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相談動機は「くすりに関しては製薬会社の方が詳しい情報を持っていると思ったから」が最も多い

医療消費者が処方されたくすりに対して、どのような疑問や不安、期待を抱いているのかを調べる目的で、第1回電話聞き取り調査を2005年1月4日~31日に実施しました。会員企業78社に依頼し、70社から456件の回答を戴きました。同時期におけるくすり相談窓口への医療消費者からの総相談件数は3811件(アンケート回収率12%)でした。
調査結果の概要を紹介します。
まず、相談者の背景は、本人(80.9%)及び家族(14.9%)からの問い合わせが大半で、性別では、女性が56.1%とやや多い結果でした。
相談内容ですが、剤形は、内服薬と外用薬で87%を占めていました。薬効分類別にみると、「その他の代謝性医薬品」11.4%を筆頭に、「中枢神経系用薬」10.0%、「消化器官用薬」8.4%、「循環器官用薬」7.3%、「感覚器官用薬」6.4%、「呼吸官用薬」6.4%、「外皮用薬」5.9%、「生物学的製剤」5.0%という結果でした。常用されている薬剤の照会が多い傾向が窺えました。
相談項目は、「効能・効果」25.2%、「副作用」24.9%、「用法・用量」22.8%の3項目が相談項目の大勢を占めました。
今回は、6つの質問をしておりますが、順にそれぞれの結果を紹介します。
まず、「ご相談頂いた事は医師・薬剤師にも相談されましたでしょうか?」という質問をしました。
「相談しなかった」(50.7%)の方が「相談した」(43.8%)よりもやや多いという結果でした。(図1)


図1 ご相談いただいたことは医師・薬剤師にもご相談されましたか?

図1

解析対象:454件


二番目に、「どうして製薬企業に電話しようと思われたのですか?」という質問をしました。
「くすりに関しては製薬会社の方が詳しい情報を持っていると思ったから」が43.1%と最も多く、次いで「医師・薬剤師が十分な説明をしてくれない」が17.9%、「医師・薬剤師に聞きにくい」は予想より低く、10.2%に留まりました。「その他」として医師・薬剤師に聞いたが確認の為、医師・薬剤師に対する不信感、医師と相談する為の予備知識を得たい等の回答がありました。(図2)


図2 どうして製薬企業に電話しようと思われたのでしょうか?

図2

解析対象:446件/回答数:547件(複数選択可能)


次に、「これまで製薬企業にご相談された事はありますか?」と質問したところ、「相談したことがない」が44.6%、「相談したことがある」が37.8%という結果が得られました。


患者さんの情報入手源は広がっている

「お問い合わせ頂いた電話番号をどこでお知りになられましたか?」という質問に対しては、「電話番号案内」が23.6%と最も多く、次いで「インターネット」が17.3%、「リーフレット」が13.0%となっていました。「医師・薬剤師から紹介」は6.8%と少ない結果でした。また、「その他」15.0%(66件)のうち16件は自社の支店や営業所からの紹介であり、支店や営業所の電話番号は電話番号案内から入手されているケースが多いものと推察されました。(図3)


図3 お問い合わせいただいた電話番号をどこでお知りになられましたか?

図3

解析対象:440件


いずれにしても、医療消費者が積極的に相談方法などを入手する行動を起こしていることが明らかになりましたが、同時に連絡方法の取得に苦慮している姿が窺えました。高齢化社会を迎えるにあたり、医療消費者の製薬企業に対する期待は今後ますます大きくなっていくとともに、インターネットが不得意な層に対する、くすり相談窓口への問い合わせ方法を、今後どのように広く公開していくかも大きな課題であると考えられました。

また、「医療用医薬品の情報は主に何処から入手されていますか?」という質問をしました。
「医師・薬剤師から」が28.9%と最も多く、次いで「書籍」16.3%、「インターネット」14.9%といった情報媒体が続き、「製薬企業に電話」が13.6%でした。「その他」2.4%の中には公的なくすり相談窓口や患者団体がありました。(図4)


図4 医療用医薬品の情報は主に何処から入手されていますか?

図4

解析対象:419件/回答数:582件(複数選択可能)


医療消費者やその家族への医療用医薬品の情報提供は法的、行政的な規制により主に医師、薬剤師等の医療関係者を通じて行なわれていますが、今回の調査では主な情報入手源としては「医師・薬剤師から」は28.9%と低い結果でした。その原因として、医師・薬剤師からの説明に対する不満足や医療関係の情報量の増加とインターネットの普及により容易に情報が入手出来るようになったことが関係しているものと推察されます。


くすり相談は電話でしたい

最後に、「製薬企業にくすり相談する手段はどのような方法が良いですか?」という質問をしました。
「電話」が67.4%と最も多く、次は「E-メール」が6.7%で、「ファクシミリ」0.7%、「手紙」0.5%でした。調査対象が電話相談者であった為、「電話」が最も多いのはある程度予想された結果でした。(図5)


図5 製薬企業にくすり相談する手段はどのような方法がいいですか?

図5

解析対象:410件/回答数:433件(複数選択可能)


今回の調査結果から、製薬企業のくすり相談窓口にアクセスする医療消費者は、より詳細な医薬品情報を要望し、情報の入手に際しては多くが電話でのやりとりを希望しているということがわかりました。今後、くすり相談窓口担当者は、詳細なくすりの情報及び広範な知識の習得と的確かつわかり易い電話相談対応技能の確保が必須と考えられます。また、医療消費者に対し、様々な手段により、くすり相談窓口の認知度を向上させることが必要だと考えられました。

本内容については、「医薬品情報学」2006年8巻3号に掲載されています。



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