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2008-13 対照薬の添付文書改訂に伴う被験者への説明文書の改訂の必要性

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2008-13 対照薬の添付文書改訂に伴う被験者への説明文書の改訂の必要性

第1分類:同意の取得  関連分類:なし初回公開年月:2009年1月

【背景】
 同じ疾患を対象としている2社、2剤の治験において、対照薬は共通の市販薬が使用されていた。治験期間途中で、市販薬の添付文書が改訂となりました。

 A社は、社内判断で添付文書の改訂があったことを治験責任医師への情報伝達を行っておりましたが、治験審査委員会の審議事項とはしませんでした。B社は、添付文書の改訂の内容を治験審査委員会での審査対象と考えて、審査の依頼を受けました。その結果、添付文書の改訂内容が被験者への説明文書に十分反映されていないということで、改訂が必要ではないか?という議論になっています。

【質問】
  1. 対照薬(市販薬)の添付文書の改訂は、治験薬概要書と同様、審議資料となる必要があるのか?J-GCPからはそれを必要と考えるような記載が見当たらないようです。
  2. 添付文書の改訂が直接的に説明同意書の改訂に及ぶかどうかは、改訂の内容や程度によりますので、ここではその是非の議論の必要はないと思いますが、Dal-Réらの論文(R Dal-Ré,et.al. Ethics. 2008;83:788-793)のように、改訂が必要となる議論もあります。
    しかし、こうした類似の治験実施計画書で、同一の対照薬を使った試験を審議している治験審査委員会として、一つの共通の事象に対して、治験依頼者の対応の相違がそのままその後の試験対応の違いになることを恐れます(事実上のダブルスタンダード)。こうした対応が、問題と指摘されたケースは過去にありますでしょうか?
  3. 治験依頼者と対照薬の販売会社が違う場合、既に市販されている対照薬を使った試験の場合(白箱提供)の情報提供責任ですが、治験依頼者はどのような情報責任があるのでしょうか?当然、ビジランス活動は販売会社が行うことだと思うのですが、治験依頼者が提供可能な対照薬に関する情報は、厚労省の公表資料のみということでしょうか?

 ご質問の1につきましては、
 対照薬(市販薬)の添付文書の改訂情報は、治験とは関係なく医療機関側に提供されているかと思われます。治験としては、実施医療機関の長への文書の事前提出文書として、GCP第10条第1項ガイダンス1(8)に「その他の必要な資料」、また、治験審査委員会の審査資料として、GCP第32条第1項第5号には「その他当該治験審査委員会が必要と認める資料」が規定されています。治験を行うことの適否についての審査資料として対照薬の添付文書が提出されている場合には、当該文書の改訂時にも最新の添付文書を実施医療機関の長へ提出する必要がありますが、当該改訂を治験審査委員会で審査してもらうかどうかは実施医療機関の長の判断に拠るものと思われます。しかし、添付文書の改訂内容が治験に重要な影響を与えると判断される場合には、改訂された添付文書を治験審査委員会に提出し、審査を依頼する必要があると考えられます。

 ご質問2につきましては、
 ご質問のようなケースに対して問題となった事例があるか否かについてはわかりかねます。
 GCP省令では、実施医療機関において複数の治験が実施されている場合の治験間での情報共有や対応の統一化等についてまでは触れられていません。しかし、「全ての被験者の人権、安全及び福祉の保護」という治験審査委員会の責務から考えますと、GCP省令に規定されていなくとも必要な調査や対応を指示することは問題ありません。今後の治験審査委員会の機能として発展していくべき内容とも考えられます。

 ご質問3につきましては、
 対照薬(市販薬)を使用する治験の場合、基本的には、治験依頼者と対照薬提供会社との間で、対照薬と同一成分の医薬品に係る安全性情報の伝達手順について協議、確認されているかと思われますので、治験依頼者はその手順にしたがって実施医療機関側に情報を提供しているものと考えられます。

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