医薬品評価委員会 2020-19 CROから再委託した業務委託先の治験依頼者による管理

関連分類:業務の委託

初回公開年月:2020年09月

質問

  1. 1.
    ICH-E6(R2) 5.2.2 ADDENDUMやGCP第12条が要求している治験依頼者側の再委託先の管理とは、どこまで求めているのでしょうか
  2. 2.
    治験依頼者側から監査を受けた際、CROはどこまで再委託先の情報を開示しなければいけないのでしょうか(特に2者間(CROと再委託先)での秘密保持契約で開示不可となっている場合)

例えば、治験依頼者からの監査で、再委託先の選定記録、監査記録の開示を求められた場合、2者の秘密保持契約に基づき、詳細は開示できない旨説明し、機密情報をマスキングした選定記録、監査記録を提示する予定ですが、GCPの主旨上、この対応で問題はないでしょうか。

また、仮に監査員より、マスキングされた状態では適切に選定、監査が行われたか確認できないとコメントされた場合、委託先に開示請求を依頼し、開示できる手配をする必要はあるのでしょうか。

製薬協見解

ご質問1

治験データの品質と完全性に関する最終責任は常に治験依頼者が負う必要があり、治験依頼者は、開発業務受託機関によって他者へ再委託された業務全てが適切に監督されていることを保証する必要があります(GCP第12条ガイダンス9)。つまり、再委託先(二次委託先)の直接的な管理・監督義務は一次委託先にあり、治験依頼者は、一次委託先が二次委託先を適切に管理・監督していることを確認することで自らの責務を果たすことになります。

治験依頼者がこの確認をどのような方法で行うかは、二次委託先に委託されている業務の重要性、範囲、存在するリスク等を考慮して決めることになりますので、一律に「どこまで」ということをお示しすることは困難です。

なお、当該ガイダンスに関する規制当局の考え方は、パブリックコメントの結果※)もご参照ください。

ご質問2

GCP第12条ガイダンス8において「受託者たる開発業務受託機関は、治験依頼者が行う監査及び規制当局による調査を受け入れること。受託者は、治験依頼者の監査担当者及び規制当局の求めに応じて、保存すべき文書又は記録(データを含む。)の全ての治験関連記録を直接閲覧に供すること。」と規定されています。このため、一次委託者と二次委託者との支払い条件等のビジネス上の秘密情報を除き、一次委託者による二次委託者の管理・監督に係る文書・記録は、全て治験依頼者による監査等で(求めがあれば)提示する必要があります。

  • 「「「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて」の一部を改正するガイダンス(案)(新旧対照表)に関する御意見の募集について」(2019年7月5日結果公示)

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