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治験におけるファーマコゲノミクスの実施(その2)

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2015-03  治験におけるファーマコゲノミクスの実施(その2)

第1分類:治験審査委員会    関連分類:なし初回公開年月:2015年7月

 近年、治験とくに国際共同治験においては、遺伝薬理学的研究(PGx)の内容が含まれていることが多くなってきています。製薬協の2008年「医薬品の臨床試験におけるファーマコゲノミクス実施に際し考慮すべき事項(暫定版)」の2ページの表1において、目的遺伝子や当該薬物評価への限定の有無などにより分類AからCについての説明が記載されています。目的とする遺伝子が特定されている分類Aや当該薬物への評価に限定されている分類Bでは治験との関連や意義について理解可能なことが多いのですが、将来どのような遺伝子を解析するかわからないという内容の分類Cに該当する場合の対応に苦慮することがあります。平成25年に改正されたわが国(3省)の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」ではA群、B群、C群試料の分類に関する規定がなくなるなど改訂が行われています。そこで以下の内容が治験に含まれていた場合にわが国の倫理指針からみて齟齬がないかについてご回答願います。

  1. 上記の2008年製薬協からの暫定版や治験119 2013-03の製薬協見解に記載されているように、従来は当該治験における被検者番号とゲノムと対照表を破棄(連結不可能匿名化)した上で解析結果から個人を特定できないようにした上でゲノム解析が実施され、その旨を説明文書に記載することが望ましいとされていました。今後実施予定の治験において対象遺伝子が特定されておらず、治験の対象疾患以外の解析も行う可能性があり、かつ治験薬に限定しない研究へ用いられる可能性がある遺伝子研究(すなわち従来の分類Cに該当)で、対応表は破棄せず残したままの連結可能匿名化(ダブルコード化はされています)で実施する研究がありますが、現在において国内の倫理指針上問題はないのでしょうか。

  2. 2008年の製薬協の上記の暫定版P8に分類Cについて、「研究計画が確定した段階で別途、ゲノム倫理指針に則った研究を行う期間における倫理審査委員会で審査する旨を予め記載し(以下略)」とありますが、国際共同治験では海外での指針の違いや直訳された治験依頼者側の説明文書が多いため、そのような記載も見られないものがあります。そのような場合でも国内の指針にしたがって、治験開始前の試料を採取する側の医療機関の説明文書に上記の内容を治験依頼者との相談で含めていただくことが望ましいのでしょうか。

  3. 遺伝子検体の保存期間について:従来の分類A~Cで保存期間の記載が必要でしょうか。治験依頼者に確認しても保存期間は未定との回答を得ることがあります。

 

  1.  「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」は、平成25(2013)年の改定により、ヒトゲノム・遺伝子解析研究において長期的な追跡研究等の推進に資するよう、外部機関が保存している既存試料・情報について連結可能匿名化の状態により提供する場合の要件・手続等を定めることとなりました。連結不可能匿名化を原則とした試料・情報の規定が無くなったことから、製薬協の「医薬品の臨床試験におけるファーマコゲノミクス実施に際し考慮すべき事項(暫定版)」(以下、「暫定版」とします)の分類Cに該当する試料においても、提供者又は代諾者等から、試料・情報の提供及び当該研究における利用に係る同意を取得すれば、連結可能匿名化での取り扱いは問題ないと考えますが、正式な見解は本指針を所管する省庁担当部局へご確認ください。
    なお、暫定版は2008年の作成であり、上記改定が反映されていないため、連結不可能匿名化が原則となっております。

  2. 暫定版(p.8)では、分類Cの試料を採取するときの治験実施計画書に「研究計画が確定した段階で別途、ゲノム倫理指針に則った研究を行う機関における倫理審査委員会で審査する旨」の記載を推奨しておりますが、説明文書への記載は規定しておりません。また、国内の倫理指針である、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成26年11月25日改正版)」の第3第3、7(11)の細則でも、研究計画書を審議する旨を説明文書に記載するようには規定されておりません。したがいまして、説明文書にご質問にあるような事項の記載は必須ではないものと考えます。

  3. 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成26年11月25日改正版)」では、試料の保存期間の(計画書あるいは説明文書への)記載は規定されていません。一方、暫定版(p.12)では、保存期間未定を含め、試料の保存期間を説明文書に記載することを推奨しております。したがいまして、治験実施計画書あるいは説明文書への試料の保存期間の記載(現時点で未定である旨を含む)が貴院で必要と判断された場合は治験依頼者にご相談ください。

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