医薬品評価委員会 2013-03 被験者への説明文書へのファーマコゲノミクス解析項目の記載

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2013年05月
改訂公開年月:2021年03月

質問

本試験に合わせて行われる探索的バイオマーカー、遺伝子研究について、治験審査委員会で毎回問題・議論となる事項がありますので、相談させていただきます。

当該治験薬の評価とは関係ない、疾患関連遺伝子の探索等を目的としたゲノム・遺伝子解析を実施するにあたり、治験依頼者は本治験とは別に、ゲノム・遺伝子解析に関する被験者への説明文書を作成しています。治験開始時点にはゲノム・遺伝子解析の解析項目が決まっていないため、当該説明文書には具体的な解析項目は記載せず、解析項目が決まっていない事のみを記載しました。

治験審査委員会での審議において、「承認後、検体を数十年保管している間に解析される項目が規定された場合は再度、実施医療機関の治験審査委員会の承認、被験者への再同意が必要である。」と説明文書に明記すべきとの意見が、委員から出ました。このような記載は、説明文書に必要でしょうか?また、解析項目を公開する必要があるでしょうか?

製薬協見解

ご質問に記載されていますとおり、「ゲノム薬理学を利用した治験について」(平成20年9月30日 薬食審査発第0930007号 厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)のQ2の考え方に沿ってご対応いただくことで問題ないと考えます。つまり、ゲノム・遺伝子解析への参加のための同意取得の時点において、具体的な解析項目が決まっていない場合には、治験薬の評価とは関係ないゲノム・遺伝子解析を予定していることや、具体的な解析項目が決まっていないことを、ゲノム・遺伝子解析の意義及び目的とともに説明文書に記載することで差し支えありません)。また、解析項目が決定された時点で、当該ゲノム・遺伝子解析の研究機関(治験依頼者がその責任者として機能する)が研究計画書を作成し、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に基づいて設置された倫理委員会の承認を取得することになりますので、実施医療機関の治験審査委員会で再度審査を行う必要はなく、被験者より再同意を取得しなくても差し支えありません。

見解改訂理由

「医薬品またはバイオテクノロジー応用医薬品の開発におけるバイオマーカー:適格性確認のための資料における用法の記載要領、資料の構成及び様式」(平成23年2月20日薬食審査発0120第1号/薬食安発0120第1号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)、「ゲノム試料の収集及びゲノムデータの取扱いに関するガイドラインについて」(平成30年1月18日薬生薬審発0118第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)及び「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)の発出に伴い、質問文および見解を修正しました。

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