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2010-31 治験実施計画書からの逸脱記録が必要な範囲(その3)

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2010-31 治験実施計画書からの逸脱記録が必要な範囲(その3)

第1分類:その他   関連分類:なし初回公開年月:2010年10月

 ある治験のプロトコールに以下の記載がありました。

 「治験責任医師は、治験実施計画書から逸脱した行為を全て記録する。 治験責任医師は、その理由を説明した記録を作成して治験依頼者に提出し、その写しを保管する。」

 下線部分はGCP改正*で不要となっていますが、なぜこのようなプロトコール記載なのかを治験依頼者に確認したところ、以下の回答がありました。

 「ご指摘いただいた通り、現在のGCPでは軽微な逸脱については治験依頼者に対し報告の義務はございません。 GCPが改正された際、本件に ついて治験依頼者にて検討した結果以下の理由から逸脱報告書の提供を求めることとしました。

  1. 逸脱事項については、原資料へ残すことは変わりがないこと。
  2. 逸脱事項の確認はモニタリング業務の一貫としてモニターが行うことであり、先生方に逸脱事項の確認をモニターが行った際に逸脱事項が抽出され、相方でコンセンサスを取る上でも逸脱報告書は残した方が良いと判断したこと。」

 当院では軽微な逸脱もGCP運用通り必ず記録に残し(院内で書式を作成し原資料として保管)、治験審査委員会へも報告しています。プロトコールに記載されている通りに対応すると、医療機関は2部原本を作成する必要があるため、治験依頼者に再度問い合わせたところ、以下の回答が返ってきました。

 「有効性・安全性の評価に影響のない内容であるため、治験責任医師との合意の上、施設版プロトコールとして逸脱報告書は不要とします。治験依頼者のSOPで報告書を求めることにしているため、全体のプロトコール改訂は難しく、他施設では逸脱報告書はプロトコール通り提出していただきます。」

 当院としては見かけ上、対応してもらえた形にはなりますが、施設版プロトコールをわざわざ作るというのは問題があると思いますし、そもそも治験依頼者側が平成20年に改正されたGCPに対応したSOPを作成せず、旧バージョンに則って実施していることはGCP違反であると同時に、オーバークオリティにつながっていると思われますが、治験119の見解をご教授ください。

*:「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用について(平成20年10月1日薬食審査第1001001号)

 ご質問にありますように、GCP第46条第1項では「治験責任医師は、被験者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかった場合には、すべてこれを記録し、その旨及びその理由を記載した文書を直ちに治験依頼者が治験を依頼する場合にあっては治験依頼者及び実施医療機関の長に、自ら治験を実施する者が治験を実施する場合にあっては実施医療機関の長に提出しなければならない。」と規定されており、すべての逸脱についてその旨及びその理由を記載した文書を治験依頼者に提出することは求められておりません。

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