医薬品評価委員会 2010-30 記録保存期間終了に関する実施医療機関への通知

関連分類:記録の保存

初回公開年月:2010年10月
改訂公開年月:2021年03月

質問

背景

治験依頼者は、製造販売承認取得時にその旨を、また治験に係る文書等(以下、文書等)の保存が不要になった場合にその旨を、治験実施医療機関(以下、実施医療機関)へ通知することが、GCP第4条第1項ガイダンス 6に定められています。

GCP第34条第1項ガイダンス1及び第41条第2項ガイダンス1を考慮すると、製造販売承認日が、治験の中止又は終了後3年が経過した日より早い場合には、治験依頼者は以下の2回の通知をする必要があるかと思われます。

  1. 製造販売承認後、可能な限り速やかに製造販売承認を得た旨、及び治験に係る文書等の保存期間を医療機関の長に文書で通知する。(以下、通知1)
  2. 治験の中止又は終了後3年が経過した時点で、治験に係る文書等の保存の必要がなくなった旨を医療機関の長に文書で通知する。(以下、通知2)

質問1

「製造販売承認取得、開発の中止等に関する報告書」では、通知1にも「貴医療機関で保存中の治験資料につきましては、以下のとおりの取扱いをお願いします。西暦○○年△△月××日まで保存してください。」と文書の保存期間等について記載しますので、通知1が通知2を兼ねる(通知2は不要)という解釈も可能ではないかと思われますがいかがでしょうか。

質問2

特に、製造販売承認日と治験の中止又は終了後3年が経過した日の期間が、例えば数ヶ月と短い場合に通知2を行う必要性は疑問です。質問1の回答が、もし「通知2は必要」である場合、この期間を限定し、例えば「製造販売承認日と治験の中止又は終了後3年が経過した日の期間が3ヵ月以内の場合は,通知1の通知書に文書等の保存期間を明記することで通知2を兼ねるものとしてもよい」 と社内運用ルールで取り決めることは、GCPに抵触するでしょうか?

質問3

同様に開発中止時も、「開発中止の通知1が、開発中止が決定された旨の通知を受けた日から3年が経過した時点での文書保存不要の通知2を兼ねる(通知2は不要)」という解釈も可能ではないかと思われますがいかがでしょうか。

製薬協見解

ご質問にありますように、治験依頼者は製造販売承認取得時等にその旨(GCP第4条第1項ガイダンス6(4))を、また、実施医療機関及び治験審査委員会において保存すべき記録についてその保存の必要がなくなった場合にその旨(GCP第4条第1項ガイダンス6)を通知する必要があります。

実施医療機関側としましては、治験依頼者からの情報に従って保存記録を取り扱うことになります。この目的から考えますと、これらの情報が治験依頼者から適切に通知されることが重要であり、その方法につきましては、個々に通知されても、合わせて通知されても問題ありません。

見解改訂理由

GCPガイダンス(令和2年8月31日薬生薬審発0831第15号)の発出に伴い、軽微な記載整備を行いました。

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