医薬品評価委員会 2010-18 専門治験審査委員会と自施設の治験審査委員会との役割分担(その1)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2010年08月

質問

数施設のIRB委員に対しアンケート調査を行った結果、安全性情報の審査について以下のような意見がございました。

「治験依頼者より提供される安全性情報のみ、セントラルIRBのような別の審査機関(IRB)に委託して審査してもらい、その結果を当該治験実施医療機関のIRBで報告するだけにして、審査の手間を省けばいい。きちんと専門の機関で安全性情報を審査されて、治験継続が問題ないとその機関が判定したのであれば、わざわざ自分のところのIRBで審査しなくても問題ないだろう。」

確かに複数のIRBで意見を聞く事はGCP上問題ないと思うのですが、他のIRBで問題なしとされたから、自施設のIRBで審査の必要がないというのはどうなのでしょうか?GCPに抵触しているように思いますが・・・。将来的にこのような対応が可能なのでしょうか?

製薬協見解

GCP第30条第4項に規定されていますように、実施医療機関の長は、治験を行うことの適否の判断の前提となる特定の専門的事項を調査審議させるため必要があると認めるときは、当該治験審査委員会の承諾を得て、当該専門的事項について当該治験審査委員会以外の治験審査委員会(専門治験審査委員会)の意見を聴くことができます。この場合、同第5項に規定されていますように、実施医療機関の長は、意見を聴いた専門治験審査委員会の意見を、当該実施医療機関において治験を行うことの適否について意見を聴いた治験審査委員会に報告しなければなりません。さらに、当該実施医療機関より報告を受けた後者の治験審査委員会は、専門治験審査委員会の意見を踏まえて、当該治験を行うことの適否について意見を述べなければなりません(GCP第32条第5項)。

この専門治験審査委員会への審査依頼は、当該治験審査委員会おいて、審査対象となる試験に対し、専門的な意見を述べる委員がいない場合を想定しております。ご質問の安全性情報の審査を専門の機関で審査していただくような治験審査委員会は、治験審査委員会の責務を果たしているとは言い難いと考えますので、外部の治験審査委員会へ委託することをお勧めします。

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