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2010-03 「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」が必要となる場合

治験119 質問・見解集
日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会治験119対応チーム
目次

質問番号:2010-03 「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」が必要となる場合

第1分類:記録の保存   関連分類:なし初回公開年月:2010年5月

 J-GCP規定されている、いわゆる「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」が必要となるケースについて、製薬協の見解をご教授下さい。

【背景】
 ご存知のように、J-GCPには、「症例報告書中のデータのうち原資料に基づくものは、原資料と矛盾しないものでなければならない。原資料との何らかの矛盾がある場合には、治験責任医師はその理由を説明する記録を作成(後略)」との規定があります。ここでは、治験責任医師の責務が述べられているものの、より具体的に、治験責任医師が記録を作成すべき矛盾とは何か、について述べられていません。このため、当社では、治験依頼者が治験責任医師に対して記録の作成を要請すべきか否かの判断基準がばらついています。対策として、同一の治験テーマの中でのばらつきを解消するため、テーマ毎に直接閲覧手順書に「矛盾の定義」を規定する等の工夫をしておりますが、一方で、モニタリング部門内でのばらつきは解消できないため、当社監査から指摘を受けるケースも散見されます。なお、GCP適合性調査では問題視されたことはございません。

【質問】
 具体的には、以下の事例についてご見解をご教授下さい。また、可能であれば、「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」の作成を要請する必要がある、一般的な基準についてもご見解をご教授下さい。大阪医薬品協会が平成12年3月に作成した「モニタリングにおける直接閲覧に関するQ&A」のC-3 では「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」の作成を要する具体例として、「看護記録に記載されている症状のうち、症例報告書に記入されていない症状」が例示されています。このようなケースでは、SDV実施後、モニターが治験責任医師に問い合わせた結果は、次の1~3が想定されます。これらについてご教授下さい。

  • 当該症状が症例報告書に追記された場合(症例報告書が本来あるべき状態に修正された場合)
  • 当該症状が症例報告書に記載されていないことが合理的に説明できることを確認したが、その確認結果がモニタリング報告書等には記載されていない場合
  • 当該症状が症例報告書に記載されていないことが合理的に説明できることを確認し、かつ、その確認結果がモニタリング報告書に記録されている場合

(3. のケースで「原資料と症例報告書の矛盾を説明した記録」が必要となると、現実的には相当量の事例が挙がってくることが想定されます。)

 質問1の場合、症例報告書が本来あるべき状態に修正されていますので、原資料との矛盾を説明した記録の作成は必要ありません。ただし、モニタリングの結果、修正頂いたことの事実はモニタリング報告書に記載する必要はあります。(GCP第22条第2項ガイダンス2)
 原資料の内容に治験責任医師の医学的判断を加えた場合など、症例報告書のデータの妥当性を第三者が原資料から容易に判断できない場合には、その理由を説明する記録を作成していただくことが必要になると思います。症例報告書に記載されていない理由が、医学・薬学上、実地診療上、一般的な理由によるもので、治験依頼者が第三者に説明可能なものについてはモニタリング報告書に記載することで構わないと考えます。また、治験実施計画書や症例報告書の変更又は修正の手引書などの文書で説明可能なものについては、モニタリング報告書への記載も不要かと考えます。質問2、質問3において、「合理的に説明することができる」ということが、上記のいずれに該当するかにより必要な対応を決められてはいかがでしょうか。
 医師が作成する診療録と看護師が作成する看護記録との間で記載内容が異なるケースもあり得るかと思われますので、治験実施計画書に当該治験の原資料として取扱うデータの範囲等を規定しておくことも有用かと考えます。

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