くすり偉人伝 no.08Fleming くすり偉人伝 no.08Fleming くすり偉人伝 no.08Fleming

多くの人命を 救った奇跡(きせき)のくすり「ペニシリン」を発見したイギリスの細菌学者。

フレミングはなにを発見したの?
フレミングはなにを発見したの?

さまざまな伝染病(でんせんびょう)を治した奇跡(きせき)のくすり・ペニシリンを発見

1928年、フレミングは 伝染病(でんせんびょう)治療薬(ちりょうやく) 「ペニシリン」を発見しました。フレミングのこの発見は、医学の歴史上一番重要な発見とも言われています。

ペニシリンは、当時、どんなくすりでも治せなかった肺炎(はいえん)や破傷風(はしょうふう)などの伝染病(でんせんびょう)をあっという間に治し、たくさんの人々の命を救いました。

そうしてペニシリンは、人々に「奇跡(きせき)のくすり」とよばれるようになったのです。

アレクサンダー・フレミング(Sir Alexander Fleming)1881~1955イギリス、細菌学者(さいきんがくしゃ) アレクサンダー・フレミング(Sir Alexander Fleming)1881~1955イギリス、細菌学者(さいきんがくしゃ)
アレクサンダー・
フレミング

(Sir Alexander Fleming)
1881~1955
イギリス、細菌学者
(さいきんがくしゃ)
マメ知識 マメ知識
「ペニシリン」の元は、なんとアオカビだった! ペニシリンはなんと、パンなどに生えるアオカビからつくられています。それまでは、カビが伝染病(でんせんびょう)の治療(ちりょう)に役立つとは、だれも考えませんでした。ペニシリンの発見をきっかけに、そのあと、カビからたくさんのくすりが開発されるようになりました。
フレミングはどうして細菌(さいきん)の研究をはじめたの?
フレミングはどうして細菌(さいきん)の研究をはじめたの?
細菌(さいきん)の研究を始めるきっかけとなったのは戦争だった

フレミングが 細菌(さいきん)の研究を始めたのは、戦争がきっかけでした。戦地で兵士たちの 治療(ちりょう) をしていたフレミングは、傷口(きずぐち)から入った細菌 (さいきん) によって、兵士たちが苦しみながら死んでいく様子を見て、細菌(さいきん)をたおすくすりをつくりたいと思うようになったのです。 戦争が終わるとフレミングは、細菌(さいきん) の研究に力を入れ、1928年、ついにペニシリンを発見しました。
そのあと、ペニシリンはくすりとして開発され、細菌(さいきん)を原因とする病気の治療(ちりょう)に役立っています。

マメ知識 マメ知識
ペニシリンで大切な友人の命を救っていた ペニシリンの発見によって、フレミングは大切な友人の命も救うことができました。
細菌(さいきん)が原因の病気で、あと数日の命と言われていた友人に、フレミングは最後の望みをかけてペニシリンを注射(ちゅうしゃ)したのです。
すると友人は奇跡的(きせきてき)に回復。このときのフレミングの喜びは、とても大きかったにちがいありません。
ペニシリンの開発と大量生産に成功したのは別の人って本当なの?
ペニシリンの開発と大量生産に成功したのは別の人って本当なの?
 2人の研究者による、「ペニシリンの再発見」

ペニシリンを伝染病(でんせんびょう)の治療(ちりょう) に使うには、大量につくる必要があります。しかし、フレミングは細菌学者(さいきんがくしゃ) だったため、その方法がわかりませんでした。細菌(さいきん)の研究と、くすりの開発・生産はまったく別のことなのです。
フレミングの発見から12年後の1940年。フローリーとチェインという2人の研究者が、ついに伝染病(でんせんびょう)の治療薬(ちりょうやく) としてペニシリンの開発と大量生産に成功しました。これによって、たくさんの伝染病患者(でんせんびょうかんじゃ)が救われました。
この出来事は「ペニシリンの再発見」とも言われています。


マメ知識 マメ知識
ペニシリンの発見者3人ともノーベル賞を受賞 ペニシリンの大量生産によって、たくさんの人々が助けられ、さまざまな伝染病(でんせんびょう)に対しても大きな効果を発揮(はっき)しました。
奇跡(きせき)のくすり・ペニシリンの最初の発見者であるフレミングと、再発見者であるフローリーとチェインは、その功績をたたえられ、 1945年にノーベル医学・生理学賞を受賞しています。
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監修 望月眞弓(慶應義塾大学 名誉教授)