イノベーション

最先端の科学技術に基づく革新的創薬と世界の医療課題を解決するパートナーシップの加速

世界の健康状況は、平均余命の延長に示されるように今日までに大きく改善してきており、このなかで新薬は大きな役割を果たしてきています。※1

製薬協および会員企業は、最先端の科学と技術を駆使した医薬品およびワクチンの提供を通じ、疾患の治療や予防のみならず、若年死亡率の低下、患者さんの生活の質の上、高額な入院費の回避、患者さんの社会復帰等、世界の人々の健康と福祉の向上に貢献してきました。

近年ますますニーズが高まる個別化医療や再生医療などライフサイエンスの分野におけるブレークスルーをしっかりと捉え、新しい創薬分野を切り開きながら、革新的な医薬品・再生医療製品の実用化を推進していきます。

ワクチン分野においては、感染症予防ワクチンとともに、次世代ワクチンの創製や、免疫系を利用した治療用ワクチンの開発に注目が集まっています。産学連携研究の促進や対象疾患の広がりなど、ワクチン、アジュバントをとりまく環境は、より多くの疾患の予防や治療への応用が期待されます。

画期的な新薬の創生は非常に難しく、その成功確率も非常に低くなっています。その背景として、これまでの手法では有効な治療薬創製に至らなかった疾患が対象となっていること、研究開発活動は創造的かつ複雑化する科学的知識の活用が不可欠になっていること、市場に届けるに至るまでには多大なコストと年月を必要としていることが挙げられます。このように、創薬を取り巻く環境は非常に厳しいものの、日本の製薬企業における新薬創製数は世界2位を誇っています。しかし、開発途上国の貧困層で蔓延している疾患の新薬開発は進んでいるとは言えません。この課題に取り組むためには、時間とコストの問題のみならず、新薬創出を加速させる環境整備や新薬開発のためのパートナーシップへの参画などの活動が必要であると認識しています。

  • 1
    1987年から2000年にかけて世界の平均余命が1.96年延長し、そのうち新薬の貢献度は約40%と試算されています。International Journal of Healthcare Finance and Economics 5: 47-73, 2005

医療用医薬品世界売上上位100品目の国別起源比較(2018年)

医療用医薬品世界売上上位100品目の国別起源比較(2018年)図
  • 特許帰属企業の国籍による分類
    2018年売上上位100品目を、オリジン企業国籍別に集計した。
    出所:Copyright©2019 IQVIA. World Review Analyst, IQVIA Pipeline & New Product Intelligence, Pharmaprojects, Evaluate Pharma, Integrityをもとに作成(無断転載禁止)
    出典:医薬産業政策研究所 政策研ニュースNo.58(2019年11月)

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