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「第29回 広報セミナー」を開催

グローバル企業のインターナルコミュニケーション

製薬協広報委員会主催の「第29回 広報セミナー」を2016年10月24日、東京・中央区の野村コンファレンスプラザ日本橋にて開催しました。今回は、「グローバル企業のインターナルコミュニケーション」をテーマとし、ウェーバー・シャンドウィック会長の西谷武夫氏およびトヨタ自動車株式会社広報部グローバルコミュニケーション室長の酒井良氏による、事例を交えた講演が行われました。今回は、会員会社から70名を超える広報部門関係者が参加し、熱心に聴講しました。

2016/10/24

ウェーバー・シャンドウィック会長の西谷武夫氏は、「グローバル企業のインターナルコミュニケーション」と題し、以下のように講演されましたので、報告します。


ウェーバー・シャンドウィック
会長の西谷 武夫氏

 「企業ブランディング」とは企業と社会の約束であり、その企業の製品もさることながら、社員の実践によって醸成された、企業文化そのものによって成り立ちます。そのため、社員の行動は非常に大切であり、インターナルコミュニケーションの重要性がますます高まってきました。インターナルコミュニケーションの基本は、社員がビジョン、ミッション、バリューを理解し、モチベーションや誇りをもちながら、企業ブランドに基づいた行動をとることです。その行動が企業価値を上げることにつながりますが、その行動が逆に企業の信頼を失墜することもあります。
  企業の不祥事発生時や、M&A時においても、インターナルコミュニケーションの役割は重要です。マスコミの報道など、さまざまなバイアスがかかる中、誰が、何を、どのように伝えるかを、広報専門部署がイニシアチブをとって、適切に実施することで、初めて社員の正しい理解が得られるようになります。
  では誰が、スポークスパーソンとして発信するのが適切かというと、やはりCEOであり、CEOはあらゆる機会で プレゼンスを示すことが重要であるといえます。

社員がCEOに求めるもの

  ・ 一貫性と説得力のある会社の方針・現状・将来性の説明
  ・ リアルタイムで多くの社員に発信する
  ・ 社員からヒアリングを行い、社員の声に応える
  ・ 個人的な期待に応え、人間味あるコンテンツを発信する

 上記は社員がCEOに求めているものですが、CEOが「何を伝えるのか」を広報パーソンとして、開発することが重要です。
  企業文化ストーリーの開発には、各地域の社員の欲している情報を十分に調査し、各拠点で必要に応じてローカライズして、キーメッセージを会社のビジョン・ミッション ・事業戦略 ・中長期計画 ・プレスリリース内容 などのコンテンツに反映させます。
  グローバルなコミュニケーションを実践するには、各地域のスポークスパーソンの育成が重要となり、たとえば、その地域でのアンバサダー的な人材を地域から推挙して、育成し、CEOの意思を十分に理解したうえで、発信する役割を担うことも1つのやり方です。

世界の拠点にどのようにメッセージを伝えるか?

  ・ CEO・経営層によるタウンホールミーティング(ロードショー)
  ・ ワークショップ・トレーニング・社内行事
  ・ イントラネット
  ・ 社内報
  ・ 社内SNS・ブログ・チャット
  ・ 社内スタジオからのCEOの定期・不定期の発表/メッセージ
などが挙げられますが、以下の点が重要となります。

  ● 多くのツールを効果的に使用し、繰り返しメッセージ( ブランドストーリー)を届ける
  ● SNS/デジタルツールを双方向コミュニケーション手段として効果的に使用する
  ● Face to Faceコミュニケーションの重要性を忘れない

どのような体制をつくるか?

 グローバルなインターナルコミュニケーションとして、HQの意思を浸透させるためには、どのような体制を築くかが重要となります。以下は従来の各国の特徴です。

<欧米企業の特徴>
  ● 経営幹部の広報に対する意識が極めて高い
  ● 本社広報中央集権で、全世界に統一されたメッセージを発信
  ● 反面、ローカルの言語文化への対応に柔軟性を欠くことも

<日本企業の特徴>
  ● 権限移譲が強く、全世界で発信すべきメッセージの統一性に課題も


トヨタ自動車株式会社 広報部
グローバルコミュニケーション
室長の酒井 良氏

 グローバル企業として、全世界に統一されたメッセージを発信することが重要となるので、CEOの理解を得ながら、一斉にタイムリーに伝えられる体制づくりがポイントとなります。
  このように、インターナルコミュニケーションが重要視される中、CEOの発信力は、大きな役割を担います。広報担当者として、今後の活動に活かしていただければ幸いです。

  この後、トヨタ自動車株式会社広報部グローバルコミュニケーション室長の酒井良氏は、トヨタ自動車におけるインターナルコミュニケーションの実際例について映像を用いながら解説しました。以下にポイントを紹介します。

トヨタ自動車の事例

 トヨタ自動車はCEOが広報活動に非常に関心が高く、各種のツールを用い発信しています。
 インターナルコミュニケーションにはSNSを利用することが重要と考えており、SNSの活用事例として企業のSNSとは別に社長室Facebookを有しており、CEOの行動などを、秘書室が中心となり発信しています。これは、社員のみならず、各関係者へも、CEOの活動の理解促進の一環として発信しています。また、等身大のCEO像を理解してもらうために、社内SNSを利用し、社員に向けCEO自ら「つぶやき」として、普段の行動時に感じたことなどをやわらかいタッチで語りかけています。
 社内向けのイントラネットの活用においても、CEOを中心とした情報を掲載していますが、十分に浸透しているか疑問が残る部分もあります。トヨタは33万人を抱える企業なので、すべての従業員に情報を届けることに大きな課題があり、アウター向けのコミュニケーションを活用するなど、社外へのタイムリーかつ適切な発信を通じて、従業員への理解に努めています。また、グローバルにCEOの意思を伝えるために、各地域の広報チームを対象に電話会議によるミーティングを週1回以上実施し、意思の統一を図っており、その意思を各地域の役員がメディアへの出演を通じて伝えています。また、動画コンテンツは国を超えて伝わりやすいコンテンツと考えており、動画を用いてのコミュニケーションを積極的に推進しています。これは、各国でダウンロードしてそれぞれの言語に対応できるものとして作成しています。

最後に

 今回のセミナーは「グローバル企業のインターナルコミュニケーション」というテーマのもと、具体的な事例を紹介いただきながら、大変わかりやすい講演となりました。会員企業がグローバル化を進める中、広報担当者として今後の考えていくべき課題について理解を深めることができた大変有意義な会となりました。

(文:広報部)

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