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「第28回 広報セミナー」を開催

ーテーマ:危機管理広報ー

製薬協広報委員会主催の「第28回広報セミナー」を4月18日、東京・中央区の野村コンファレンスプラザ日本橋にて開催しました。今回は、「危機管理広報」をテーマとし、エイレックス代表取締役の江良俊郎氏および取締役副社長の平野日出木氏による、数多くの事例を交えた実践的危機管理広報に関する講演が行われました。今回は、会員会社から100名を超える広報部門関係者が参加し、熱心に聴講しました。

2016/04/18


セミナーの様子

 「実践! 緊急時の広報の役割とメディア対応のポイント ~実例に学ぶ~」と題した講演の冒頭、江良俊郎氏は、会場とのやり取りを交えながら、製薬企業の社会問題化する可能性のある危機や危機発生時の広報の役割をわかりやすく整理し、「初動」対応の良い例、悪い例を具体的に解説しました。「初動」の誤りは企業にとって致命的なインパクトを与えます。その企業がどのように対応したかによっては、「隠した」、「嘘をついた」との批判が強まり、そうした報道が企業存続問題に直結してしまうケースも増えていることについて事例を交えて紹介しました。 
 次に、元新聞記者の平野日出木氏は、実際の事例を映像を用いながら、緊急時の広報の役割や緊急記者会見のポイントについて解説しました。以下にポイントを紹介します。 


エイレックス 取締役 副社長
平野 日出木 氏


エイレックス 代表取締役
江良 俊郎 氏

緊急時の広報の役割と情報開示の考え方

緊急時は、当該事象を公表するか否かを速やかに判断しなければなりません。公表する/しないの判断基準として、以下のポイントが重要になります。 
1. 業務と関係するか
2. 企業体質・姿勢が問われるか
3. 公表が一般的なケースか
4. けが、死傷者があるか
5. 社会に注意喚起が必要か
6. 社会的影響が大きいか

  上記を踏まえ、実際に起きた事例をみてみると、非難される対応であったか、評価される対応であったかがよくわかります。 

緊急時のメディア対応

 緊急時は、メディアはいかに早く、正確な情報を報道するかに最も注力しています。緊急時のメディアの関心事は、以 下の事項に分類されます。
1. いったいなにが起こったのか? 
2. もう危険はないのか? 現在の対応はどのようなものか? 
3. 原因は? なぜ事故は起きたのか? 
4. 兆候はなかったのか? 対応に不備はないか?
5. 被害者への補償は行ったのか? 謝罪は行ったのか? 
6. 今後は大丈夫なのか? 
7. 過去に同様の事例はあったか?

  このような関心事のなかでも、事実確認を中心とした「現場」に聞きたい項目と「管理層」に聞きたい項目は違ってきます。そのため、それぞれの対応が必要ですが、特に「管理層」に聞きたい項目は、「企業の論理」を主張せず、「社会の常識」、「被害者感情」に十分配慮した対応が必要となります。広報担当者はこの点を念頭に置き、管理層に事前に説明することが重要となります。 

緊急記者会見の開催のポイント

緊急記者会見を開催するかどうかは、企業にとって大きなイベントとなり、ときには社会や企業活動に大きな影響を与えます。以下の3つの要件が緊急記者会見開催の判断基準となります。 
1. 社会的な影響が大きい場合 
2. お客様の安全・安心にかかわる場合 
3. 企業・組織の倫理が問われ、見解を出す必要がある場合

  また、緊急記者会見の実施タイミングも重要なファクターとなります。人命にかかわる事態であれば、2時間以内に開催 するなど、危機発生後できるだけ早いタイミングで実施する必要があり、記者の原稿締め切り時間も考慮した会見開催が求 められます。具体的な事例をもとに緊急会見時における失敗パターンを、以下に解説します。 

1. スタンス/認識が不適切
「企業の論理」が一般社会の常識とズレていないかなど、一般生活者の視点をもつことが重要です。また、被害者意識をもたないこと、問題軽視と受け取られる発言をしないことなどがポイントです。
2. 情報開示方法が不適切
わかっていることは最大限開示するというオープンな姿勢が必要です。ごまかしたり、何か隠したりしているな、と思わせない説明をし、憶測、推測で発言することはやめましょう。
3. 会見の準備不足
記者の最大の関心事である、「事実」、「責任論」など、どのような質問が出るかを事前に把握、予想し、回答を準備することが重要です。トップの失言は、それ自体がニュースになることを十分に認識する必要があります。
4. 登壇者の態度
「常に撮られている」という意識をもち、文言・声・態度に一貫性をもたせることが重要となります。会場入りから退出まで 緊張感をもって臨むことが肝要です。

最後に

 緊急時の会見はできれば、起きないことに越したことはありませんが、有事の際、事件記者は書こうとする記事の内容に合う情報を得ようとすること、周辺から取材し最後に対象会社を取材する特性があります。広報部門は危機に対する心構えとして、常にアンテナを張り、取材が開始されたらすぐに連絡が入る関係を会社内外と作っておくこと、マネジメント層へのメディアトレーニングなど、日頃からの訓練や準備をしておくことが特に重要です。

  今回のセミナーは「危機管理広報」というテーマのもと、多くの事例を実際の映像を交えた講演が行われました。また、セミナーの最後には複数の事前質問への回答もありました。参加者の危機管理広報に関する知識を深めることができた大変有意義な会となりました。

(文:広報委員会)

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