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「よりよい患者団体の活動に向けて」をテーマに
第26回、第27回製薬協 患者団体セミナーを開催

2014年10月8日「第26回製薬協 患者団体セミナー」を東京(経団連会館)で、10月22日「第27回製薬協 患者団体セミナー」を大阪(大阪第一ホテル)で開催しました。今回は「よりよい患者団体の活動に向けて」をテーマとし、助成財団センター 理事長、日本NPOセンター 顧問の山岡義典氏による講演がありました。セミナー当日は東京会場で55患者団体・患者支援団体から81名、大阪会場で42患者団体・患者支援団体から50名の参加があり、講演後、活発な質疑応 答が行われ、その後の交流会では参加者同士による意見交換や情報共有が行われました。

2014/10/08(東京)
2014/10/22(大阪)


 東京会場の風景                     大阪会場の風景

「第1回 患者団体意識・活動調査」結果報告書の内容紹介

 講演に先立ち、製薬協 患者団体連携推進委員会 丸本康博氏より、2014年1月に実施した「第1回 患者団体意識・活動調査」の調査結果が報告されました。主な調査結果としては、患者団体の組織形態について、「任意団体」が50.3%と約半数で「NPO法人」が29.8%であること、会員数は500名未満の団体が57.1%であること、2000~2009年に設立された団体が最も多く38.7%であることなどが報告されました。また、組織運営上の課題として「活動資金の不足」が最も多く、続いて「代表者・役員の後継者」、「運営スタッフの確保」、「会員の維持・拡大」が課題であるとの回答が寄せられ、団体の維持運営に関する心配事が多いという調査結果でした。

講演
助成財団センター 理事長、日本NPOセンター 顧問  山岡 義典 氏
患者団体に求められる組織基盤の強化

 患者団体は多様化しており、患者自身やその家族だけでなく、治癒した人、未病者、最近では市民サポーター、医療関係者、弁護士などさまざまな人々が参加しています。患者団体の活動は、当事者組織として同じ課題を抱えて生きる者同士が当事者性を活かしたピア・サポート(経験を共有しながら支え合う活動)、アドボカシー(人権を擁護するため政府や企業や社会全般に政策提言を行っていく活動)の2つが活動の両足となります。

【患者団体の組織化の過程】

個人の情熱(passion)ではじまり、当面はそれだけで運営できますが、組織が大きくなると組織の社会的使命(mission)が重要となります。個人(ボランティア)が仲間を集め、集団(グループ)になります。グループは自由に活動できますが、継続性・影響力が弱いので規約を作り組織(任意団体)となります。以前は小規模な民間の団体が法人格をもつことが難しく任意団体のまま継続することが多かったのですが、16年前に新しい制度ができて法人格を取ることが容易になり、任意団体から法人になってゆく団体ができてきました。規約があり社会的使命も理解している任意団体であれば所轄庁の認証を得て、登記してNPO法人(特定非営利活動法人)となります。さらに所轄庁の認定を受け認定NPO法人になれば寄付金控除を受けられます。認定NPO法人になるには大勢の人から寄付を集めていることが条件になります。これとは別に登記のみでできる一般社団法人、設立時に基本財産が300万円以上あれば登記だけでできる一般財団法人があります。さらに公益認定審査による行政庁の認定を受ければ公益法人となり寄付に対して税制優遇が受けられます。公益認定には、行おうとしている事業の公益性が必要となります。公益法人の認定を受けると寄付を集めやすくなります。

【財源の構成】

どこからどのようなお金を集め、どのような目的に使うのか、そこが重要です。患者団体の収入源の多くは会員の会費が中心で、会費以外としては、既存の助成の仕組みを活用する方法があります。しかし、これら外発的な資金は一般に大口ですが変動的であるため、定常的な運営費とすることは難しいです。また、任意団体の場合は契約が代表者個人となり、さまざまなリスクが生じるので、助成を受ける場合には法人格を所得するほうがよいでしょう。

【団体の構成人員】

ボランティアと有給スタッフで構成されています。役員(理事・監事)は基本的にボランティアがほとんどです。NPO法人では有償役員は1/3以下である条件があります。有給スタッフの割合が多くなると法人化が必要になります。

【団体の継続性】

一般に団体が継続すると会員・役員などの関係者は高齢化し、退会や死去により減少していきます。団体が常に若々しく継続していくためには、時代の要請や感性に応じた社会的使命(mission)の捉え直しが求められます。
  リーダーの継承はすべてのNPO団体の課題でもありますが、特に患者団体では、医療・医学の進歩や社会資源の変化などにより、世代間で問題や意識が異なるため、リーダーの交代にはさらに困難が伴います。後継リーダーを育てる妙薬は今のところはありません。今後、継承リーダーの後継成功例を研究することで明らかにすることができるかもしれません。

「患者団体の組織としてはさまざまな課題がありますが、最も必要なのは、自分たちの現状を認識し、今どこにいて、今後どこに行こうとしているかを明らかにすることが重要です」を最後の締めの言葉にしました。

質疑応答

山岡氏への質問は(1)資金の悩み、(2)助成の受け方、(3)助成のアイデア、(4)リーダーの育成、(5)組織運営について、の大きく5つに分類され、それぞれについて回答しました。
  最も質問の多かった助成の受け方については、「民間団体であれば自分たちの活動の社会的意義を客観的に説明できることが必要となります。法人格は問わないことが多いが、他ではできない何かをやろうとしていることが大切です。行政は法人格をもっていることを条件にしていることが多いです。また、自治体からピア活動の委託を受けると一定の人件費をもらえるようになることもあります」と回答しました。加えて、「助成を受けるには自分たちの情報発信をすることが必要です。WEBやパンフレットで何をしているか、どんな会計になっているのかをきちんと発信できることが大切です」と述べました。
  組織運営については、法人化するときの人手不足や事務、会計ができるスタッフの問題について質問があり、「有償で法人化のお手伝いをする会計事務所がありますが、事務や会計は当事者だけでなく応援団を作ることが大切です。地方でもお店をやっている人などは事務や会計に明るくきちんとできます。そのような協力を得るために幅広く声をかけることが重要です」と回答しました。
  製薬協へは、製薬会社の支援プログラムの情報をどこに問い合わせればいいかとの質問があり、「現在網羅的に一覧になっているものは無い状況です。各製薬会社のホームページをみていただきたい。今後、製薬協のホームページからわかるよう改善を検討したい」と喜島智香子委員長が回答しました。

最後に

製薬協より、東京会場では田中徳雄常務理事が、大阪会場では矢岡博渉外部長が、「企業活動と患者団体に関係する透明性ガイドライン」に基づく資金提供、労務提供の詳細開示が2014年度より始まったことを報告し、製薬業界として、よりいっそう透明性の高い協働に努めるとあいさつし、盛会のうちに患者団体セミナーは閉会となりました。

(文:患者団体連携推進委員会 吉田 貴幸)

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