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「第10回患者団体アドバイザリーボード」を開催

~患者団体と製薬企業との協働について~

2014年3月6日、大阪の住友クラブ会議室で「第10回患者団体アドバイザリーボード」が開催されました。今回は、「患者団体と製薬企業との協働について」をテーマに、アドバイザー10名(表1)のうち8名、オブザーバーとして患者団体連携推進委員会より14名、製薬協事務局から5名が同席しました。
遠藤副委員長より、アドバイザリーボード3年間の取り組みを振り返ったのち、「患者団体と製薬企業との協働について」をテーマに、アドバイザー8名と委員会役員等が2つのグループに分かれディスカッションが行われました。

2014/05/12

 

製薬協広報委員会では広報委員および会員会社の広報担当者を対象に、製薬産業に携わる者としての共通認識を深めるために広報セミナーを開催しています。今回は日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会委員長 加茂谷佳明氏より、「次期薬価制度改革における諸課題」と題して講演が行われました。
講演では、わが国の医療保険制度を取り巻く状況について説明の後、次期薬価制度改革の諸課題について、主な課題の整理(表1)とともに、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)における議論の方向性と日本製薬団体連合会(以下、日薬連)等の意見について解説がありました。本稿では誌面の都合上、表1の青字の課題について講演内容を紹介します。

表1 2013年度「患者団体アドバイザリーボード」メンバーリスト
表1 2013年度「患者団体アドバイザリーボード」メンバーリスト

 

アドバイザリーボード3年間の振り返り

  患者団体連携推進委員会の遠藤永子副委員長より、2011年の患者団体アドバイザリーボード発足以来、アドバイザリーボードと製薬協患者団体連携推進委員会が、どのように患者会と製薬企業との共通課題を特定し対話を進めてきたか、3年間の歩みについて説明がありました。

●2011年は、製薬協と患者団体が共通で抱える課題として、①医療用医薬品の適正使用情報提供、②医薬品の開発・適応拡大を抽出しました。

初年度は、医療用医薬品の適正使用情報提供について、行政、企業、製薬協それぞれの立場からの取り組みやかかわる法規制の現状を共有し、課題について話し合うとともに、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(以下PMDA)とPMDAホームページの改善点や認知向上の必要性について意見交換を行いました。

●2012年度は、医薬品の開発・適応拡大をテーマに、「臨床研究・治験活性化5カ年計画2012」について、国民・患者への普及啓発に関する意見をまとめ厚生労働省 医政局 研究開発振興課に提案するとともに、アクションプランに関して厚生労働省・国立保健医療科学院と対話、提案をしました。

●2013年度は引き続き、国立保健医療科学院と臨床研究(試験)情報検索ポータルサイトの将来像について意見交換を続けるとともに、各団体の活動と課題の共有を通じて今後の患者団体活動を考えました。

これらの3年間の取り組みを通じ多くの学びがあり、患者団体と製薬協の信頼関係が構築されつつあることを実感しています。

 

患者団体と製薬企業との協働について(1)

  各患者団体における「企業との協働事業の考え方と実践例」を紹介したうえで、「患者団体と製薬企業との協働」についてグループディスカッションを実施し、その後各グループの発表が行われました。以下、各グループの主な意見を紹介します。

会場風景
会場風景

【グループディスカッション 田所グループ】

進行:公益社団法人 日本てんかん協会 田所 裕二 氏

○ 以前は、患者団体は民間の営利企業とは付き合わない風潮が強かったが、その一線を崩さない限り協働はないのではないか。
○ 民間企業など外部と協働する場合、患者に還元できるかを考える。
○ 民間企業と新聞社との共催の疾患に関する講演会は、患者の間で大きい反響がある。
○ 患者団体は、全国の患者が集まって情報交換ができる機会が重要である。しかし交通費が捻出できず参加できない人もあり、交通費の支援へのニーズがある。
○ 患者団体としての活動方針を持ち、団体として自発的に取り組みたいことに民間企業からの支援を受けるが、支援を受けた結果は公表する。実現した活動をモデル事業として公共サービスとして普及させる方向につなげるという基本姿勢を持っている。
○ 医療政策立案者、医療行政担当者、医療提供者、医薬品・医療機器提供者などのステークホルダーが連携し、「患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会」の活動を通して、医療基本法ができたことは大きなマイルストーンだった。
○ 製薬企業からのアンケートへの回答など、営利活動につながらず、将来的に患者の利益につながる可能性のあるものに協力しているが、患者団体の本来業務も忙しいため、バランスも課題である。
○ イベント実施などに際して製薬企業から財政的な支援を受けてきたが、製薬企業と患者団体がWIN-WINの関係に持っていく必要がある。
○ 疾患について社会的な関心を高めるという点で、当事者である患者団体と製薬企業が協働する意味がある。患者団体の活動だけで、疾患に対する社会の理解を広めようとしてもなかなか進まず、製薬企業も社会の理解がないと適切な治療の普及につながらないのではないか。
○ 研究開発は、患者団体と製薬企業に共通の目的があるので、何かできないか。薬を使う側の患者の視点・ニーズが協働を通じて、医療側・国民に伝えていけないか。
○ 市販後調査は大変だと思うが、企業責任としての製薬企業のそのような取り組みを患者が知ることも大切である。
○ 製薬企業にかかわらず、民間企業と患者団体の間で対話を積み重ねていくことで、協働の意義や方向がより明確になっていくのではないか。

 


患者団体と製薬企業との協働について(2)

【グループディスカッション 水谷グループ】

進行:一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 水谷 幸司 氏

○ 「共同」ではなく「協働」であることに意味がある。製薬企業、患者団体が50対50でWIN-WINの関係を作る必要がある。
○ 患者団体活動を支えてもらうために製薬企業に資金的援助、イベント共催などをお願いしているが、製薬企業にとっても利益のあるコラボレーションでなくてはならない。
○ 患者団体と製薬協、製薬企業と良いつながりをどのように作るか。それが今後の課題なのではないだろうか。
○ 製薬企業への、イベント開催費用援助、会場提供、物品提供だけではなく、イベント等に参加している企業が広報できるよう意識して対応してきた。
○ 医薬品の開発について、製薬協のような個々の企業の枠を超えた集まりと何かできることがあるのではないだろうか。一企業では市場の関係でなかなか開発コストをかけることは難しいので公的資金が必要になる。また、患者団体と製薬企業が一緒になり医薬品の開発についてアピールをしてもよいのではないか。
○ 早く治る治療法をみつけてほしい、みつけたいという点で患者団体も製薬企業も同じ方向を向いているのは間違いない。このような点から何かできないか。
○ 患者団体活動について海外と日本では規模が違い過ぎる。アメリカで行っていることを日本に導入することはできないが、患者団体は人的問題で困っている、経済的に思うような活動ができないという点が多い。協働のあり方はそこではないかと思った。
○ 製薬企業の支援のあり方はだいぶ変わってきた。患者団体が力をつけ、イベントの企画、運営を自身が行うようになってきたので、支援の仕方が変わり、患者さんの悩み、大変さを社会に啓発していくためにイベントの資金援助、勉強会への支援を行っている。また、患者団体の勉強会に参加し、情報を収集し製薬企業として何ができるかを考えている。
○ 患者同士がフェイスtoフェイスで話すことは非常に重要であるが、患者自身で交通費を賄えない場合がある。交通費の支援を行うことによって患者がいろいろな議論の場に出ることにより、より多くの課題解決につながる。交通費支援が患者団体にとってはとても大事なことではないだろうか。
○ 審査時間の短縮、早期保険適用については患者団体、製薬企業が協働できる1つではないだろうか。
○ 学会によっては患者が議論に参加する機会がある。日本医学会でこのような取り組みを行っている。製薬企業の研究会、研修会などで患者団体が話をする機会を設けていくことが大事ではないだろうか。

 

(文:患者団体連携推進委員会 連携企画部会 三浦 麻衣子)

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