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「第23回広報セミナー」を開催
次期薬価制度改革における諸課題について

製薬協広報委員会主催の第23回広報セミナーが、2013年10月11日、東京・野村コンファレンスプラザ日本橋にて開催されました。今回は「次期薬価制度改革における諸課題」について、日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会委員長 加茂谷佳明氏より講演があり、約100名の会員会社参加者が熱心に聴講しました。

2014/01/15

 

製薬協広報委員会では広報委員および会員会社の広報担当者を対象に、製薬産業に携わる者としての共通認識を深めるために広報セミナーを開催しています。今回は日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会委員長 加茂谷佳明氏より、「次期薬価制度改革における諸課題」と題して講演が行われました。
講演では、わが国の医療保険制度を取り巻く状況について説明の後、次期薬価制度改革の諸課題について、主な課題の整理(表1)とともに、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)における議論の方向性と日本製薬団体連合会(以下、日薬連)等の意見について解説がありました。本稿では誌面の都合上、表1の青字の課題について講演内容を紹介します。

表1

 

【講演】
次期薬価制度改革における諸課題
日本製薬団体連合会 保険薬価研究委員会 委員長
加茂谷 佳明氏

● 長期収載品の薬価のあり方、後発医薬品のさらなる普及に向けた措置等について
〈検討スケジュール〉
  長期収載品の薬価のあり方については、平成24年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見として、「長期収載品の薬価のあり方について検討を行い、後発医薬品のさらなる普及に向けた措置を引き続き講じること」とされ、平成24年度後半に大きな方向性についてとりまとめ、詳細なルール等は薬価制度改革として平成25年度末に最終化するスケジュールで検討が進められています。
〈検討プロセス〉
  平成24年7月18日に行われた中医協薬価専門部会においては、先発医薬品と後発医薬品の価格差要因に関連して、それぞれの役割の違いや製品上市プロセスの違い等について日薬連としての主張を行い、特許期間中の新薬のみならず、長期収載品から得られる収益も新薬等の研究開発に投資している実態について理解を求めました。その後、平成24年11月14日の中医協薬価専門部会において、「長期収載品の薬価のあり方等についての中間とりまとめのたたき台(案)」が提示され、それを受けて11月28日に業界意見聴取が行われ、12月19日の中医協総会において「中間とりまとめ」が示されました(表2)
  また、平成25年9月25日の中医協薬価専門部会では、日薬連として、「イノベーションの適切な評価と後発医薬品の使用促進は、いずれかのみが先行して行われるのではなく、バランスを取りつつ進めるべきであり、その観点から、長期収載品の薬価のあり方のみを議論するのではなく、医薬品のライフサイクル全体を見据えた検討をすべきである」との意見を表明しました。併せて「市場で評価された先発医薬品と後発医薬品の薬価の差は尊重されるべきであること、また長期収載品に係る新たなルールについては、『新薬創出・適応外薬解消等促進加算』の本格導入・恒久化、特例引き下げの廃止等の検討も併せた全体的な議論をすべきである」といった主張を行っております(表3)

加茂谷 佳明氏
加茂谷 佳明氏


表2

表3

 

● 新薬創出・適応外薬解消等促進加算の本格導入・恒久化、保険医療上必要性の高い医薬品の薬価改定方式の見直しに向けて
〈新薬創出・適応外薬解消等促進加算〉
  日薬連として、現在試行的に導入されている「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の本格導入・恒久化を強く主張しています。平成25年9月25日の中医協薬価専門部会では、日薬連 内藤会長、製薬協 手代木会長、PhRMA 梅田在日執行委員会委員長代行、EFPIA フィリップ・フォシェ会長、日本ジェネリック製薬協会 吉田会長らが出席し、薬価制度に関する業界意見陳述が行われました。
  席上、製薬産業として「『新薬創出・適応外薬解消等促進加算』は、イノベーションの成果を評価するという日本の方針を内外に示す政策であり、その結果、わが国に対するライフイノベーション関連への投資や研究開発への取り組みが拡大する。また、イノベーションの適正な評価が加速することにより、日本がアジア圏でのリーダーシップを発揮することにつながる。これからは、わが国の国民にイノベーションの成果である革新的新薬を早く提供することで、医療の質の向上に貢献するといった波及効果がある」ことについて理解を求めました。
  併せて、これまでの具体的な成果として、未承認薬・適応外薬の解消に向けて、開発要請のあった案件、計274件(第1回:186件、第2回:88件)のうち、133件ですでに承認を取得し、33件が承認申請済みであり、未承認薬・適応外薬の解消に向けて対応している点やアンメット・メディカル・ニーズへの新規開発が増加している点、ドラッグ・ラグ解消の状況等について、エビデンスを交えながら説明するなど、日薬連としての主張を行いました。
〈保険医療上必要性の高い医薬品の薬価改定方式〉
  保険医療上必要性の高い医薬品であって、採算性に乏しい中でも、継続的な安定供給確保に努め、災害など不測の事態が生じた場合であっても需要に応じた十分な供給体制(危機管理体制)を構築していることに対して、薬価上措置することが重要であることについての主張も行っております。

● 薬価制度改革の方向性
  富士山に見立てた図1を用い、それぞれの医薬品の役割について整理を行いながら、国民皆保険制度のもと、わが国の国民・患者がイノベーションの成果である新薬の恩恵を十分に受けられること、災害時等においても基礎的な医薬品が安定供給されること、そして後発医薬品の使用促進により経済的な貢献ができることを底支えする薬価制度を強く要望し、日薬連の意見の総括としております。
  これから年末にかけて、中医協では次期薬価制度改革に関する本格的な議論が繰り広げられます。立場がそれぞれ異なっているため、さまざまな意見が交わされ、製薬産業にとって厳しい状況も想定されますが、製薬産業はイノベーションと安定供給を通じて、国民・社会への貢献が期待される産業であるとの視点から議論に参画していきたいと考えています。

図1

講演風景
講演風景

 

終わりに

  今回の広報セミナーでは、「次期薬価制度改革における諸課題」というテーマのもと、中医協専門委員という立場で実際に中医協での議論に参画されている加茂谷氏に、難解な内容にもかかわらず、ユーモアを交えわかりやすく解説いただきました。出席者一同、医療保険制度を取り巻く環境や現状の薬価制度に加え、これから議論がピークを迎える次期薬価制度改革の諸課題について理解を深めることができ、大変有意義なセミナーとなりました。

 

(文:広報部)

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