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「第22回広報セミナー」を開催
創薬イノベーションを目指して
―オールジャパンの創薬支援体制の構築について―

製薬協広報委員会主催の第22回広報セミナーが、2013年4月10日、東京・野村コンファレンスプラザ日本橋にて開催されました。今回は「創薬イノベーションを目指して―オールジャパンの創薬支援体制の構築について―」のテーマのもとに、内閣官房 健康・医療戦略室 企画官 百瀬和浩氏の講演が行われました。約100名の会員会社参加者は熱心に聴講しました。

2013/04/10

製薬協広報委員会では広報委員および会員会社の広報担当者を対象に、製薬産業にかかわる者として共通認識を深めるために広報セミナーを開催しています。今回は内閣官房 健康・医療戦略室 企画官 百瀬和浩氏より、「創薬イノベーションを目指して ―オールジャパンの創薬支援体制の構築について―」と題して講演が行われました。以下に、講演内容を紹介します。

創薬イノベーションを目指して-オールジャパンの創薬支援体制の構築について-
内閣官房 健康・医療戦略室 企画官 百瀬 和浩氏


百瀬 和浩

  • 健康・医療戦略室の設置
    政府は、成長戦略の実現に向けて一体となって取り組むにあたって、わが国が世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康寿命世界一を達成すると同時に、それにより医療、医薬品、医療機器を戦略産業として育成し、日本経済再生の柱とすることを目指すため、2013年2月22日、内閣官房に「健康・医療戦略室」を設置しました。「健康・医療戦略室」は、今後展開されるさまざまな戦略における司令塔としての機能を発 揮して、府省横断型の強力な実施部隊を目指しています。当面の業務としては、2012年6月に策定された「医療イノベーション5か年戦略」について、実行すべきは実行し、追加すべきものは追加し、また見直すべきは見直すといった考え方により、官房長官のリー ダーシップのもと関係府省が一体となって取り組むべく設置された「健康・医療戦略推進会議」を通じて実効性のある「健康・医療戦略」(仮称)を策定し、着実に実行することにあります。
  • わが国の創薬支援の課題
    ご存知の通り、わが国は超高齢化社会の到来を迎え、がんや認知症といった難治性疾患への対応が大きな課題となっています。一方、遺伝子・細胞医療等の新概念が視野に入る中、医療の基点である医薬品においては、革新的新薬の開発に陰りがみられています。
    これまでのわが国における創薬研究には、アカデミア由来のシーズを産業界での実用化研究につなげるところにボトルネックがありました。欧米諸国ではバイオベンチャーが数多くあり、基礎研究の実用化において、大きな役割を担っています。さらに、創薬にかかわる人材も産学官で流動しており、これらのもとで多くのアカデミア発の新薬が生まれました。実際に過去10年間のFDA承認薬をみても革新的な医薬品の半数以上は大学やバイオベンチャーからの発見に由来しています。
    一方で、わが国では欧米ほどバイオベンチャー育ってこなかったこともあり、国内製薬企業も海外アカデミアから生まれた創薬シーズや海外のバイオベンチャーに多額の投資を行っているのが現状です。基礎研究論文数を比較しても日本はアメリカ、ドイツ、イギリスに次ぐ世界第4位と、アカデミアによる基礎研究は国際的にもトップレベルを堅持しています。すなわち、アカデミアの基礎研究成果を実用化に橋渡しすることは、わが国からの革新的医薬品の創出促進に必須と考えます。
  • わが国発の革新的医薬品の創薬研究を促進するために
    それでは、国際的にもレベルの高い国内アカデミアの優れた基礎研究の成果を、その社会的資産価値を高め、実用化に橋渡しする機能を強化・確立するための今後の戦略について紹介します。
    1点目は、創薬支援ネットワークの構築です。厚生労働省の医薬基盤研究所が中心となって本部機能を担い、理化学研究所と産業技術総合研究所を中心に大学等との研究関係機関で構成する創薬支援ネットワークを構築し、他の創薬基盤技術を提供する創薬連携研究機関とも連携します。このネットワークでは、「死の谷」と呼ばれる応用研究(特に最適化研究~非臨床試験まで)の段階を中心に切れ目のない実用化支援を行い、企業への導出等を促進させます。
    2点目は、治験・臨床研究ネットワーク体制の確立です。現状の国内治験・臨床研究においては、企業が安心して臨床試験を実施できる施設が少ない、海外と比べて病院の規模が小さいため臨床試験実施が分散化して非効率である、難病等の治験や質の高い臨床研究を実施できる施設が少ないといった課題が挙げられています。そこで、専門性と臨床試験の効率化に必要な機能を集約した臨床研究中核病院等のコアセンターを設置し、コアセンターを核に複数の病院をネットワーク化し、バーチャルな大規模病院を形成することで、企業側との窓口の一元化の実現を目指します。また、難病等の治験や質の高い臨床研究を積極的に実施していきます。
    3点目は、創薬関連の研究開発予算の検討です。創薬研究に関し、国としての長期的な戦略を策定し、基礎研究から実用化までをしっかりフォローしながら、使い勝手のよい資金を一体的に支援する仕組みを検討します。
    以上、わが国発の革新的医薬品の創薬研究を促進するための3つの施策について紹介しました。今後は、健康・医療戦略室が中心となり、本日紹介した施策を確実に実現、推進することで、医療関連産業を活性化し、わが国経済の成長に寄与していきたいと考えます。

最後に

今回の広報セミナーでは、「創薬イノベーションを目指して ―オールジャパンの創薬支援体制の構築について―」というテーマのもと、わが国の創薬支援の課題やそれをふまえた政府の戦略、今後の方向性について、わかりやすく有意義な講演となりました。出席者一同、わが国発の革新的な医薬品の創薬研究を促進するための政府の戦略に大いに期待するとともに、支援に応えるべく産業当事者としての責任の大きさを痛感しました。

会場風景
会場風景

(広報部)

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