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「くすりフォーラム」を開催
よい薬をより早く~治験をめぐる新たな進展~

2013年2月2日、東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールにて、くすりフォーラム「よい薬をより早く~治験をめぐる新たな進展~」(主催:NHKエデュケーショナル 後援:厚生労働省、(社)日本医師会、(社)日本医師会治験促進センター、(社)日本薬剤師会 協賛:日本製薬工業協会)が開催されました。
なお、本フォーラムは2013年2月23日14時よりNHK Eテレ(教育テレビ)で放映されました。

2013/02/02

くすりフォーラムについて


会場の様子

 「新薬で命が救われる、病気が良くなり、患者さんがより良い生活を送ることができる」。そんな新薬がより早く生まれてくることが期待されています。新薬を使えるようにするためには、実際にヒトに使ってその安全性と効果を検証する「治験」が必要です。
 日本では、この「治験」がなかなか進まず、これまで海外で使われている医薬品が日本ではなかなか使えないという切実な声が多くありました。しかし、最近ではさまざまな動きによって状況が進展しています。
 今回のくすりフォーラムでは、日本の治験にどのような進展があったのかを、ジャーナリストの池上彰氏のコーディネートによりフォーラム参加者が一緒に考えていくコンセプトで開催されました。
 パネリストには、大阪医療センター院長の楠岡英雄先生、国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科科長の藤原康弘先生、全国骨髄バンク推進連絡協議会前会長で骨髄移植経験者でもある大谷貴子氏が参加しました。
 フォーラムは、池上彰氏の進行のもと、治験とは何か、また日本の治験をめぐる大きな進展などをVTRで確認し、各パネリストが解説を加えたり、意見を述べる形で進められました。

「治験」って何?

 最初に、新薬が生まれる過程の中で、治験の位置づけと第1相試験から第3相試験までの医薬品の開発段階、新薬が発売されるまでには9年から17年の長い期間と数百億円から1千億円の膨大な開発費用がかかることが解説されました。また、実際に治験に参加された患者さんのVTRも交えて、治験のメリット・デメリット、臨床研究コーディネーターなどの治験に携わるスタッフの解説がありました。

治験をめぐる大きな進展

 続いて、最近の治験をめぐる大きな進展について、最初に「未承認薬・適応外薬」を取り上げました。海外では承認されているが日本では承認されていない「未承認薬」と、日本でも海外でも承認・販売されているが、適応症が異なり日本では一部の適応症にしか使用できなかったり、大人には使用できるのに小児にはできないなど「適応外薬」について解説がありました。
 事例として、厚生労働省が3年前から始めた「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」のVTRを交えて、海外では使えて日本では使えない未承認薬・適応外薬を早急に使えるように、産官学が一致団結して取り組むことで少しずつ解消していることが解説されました。
 この他には「日本発の新薬」の取り組みとして「ファースト・イン・ヒューマン試験(新薬の候補となる化合物を世界で初めてヒトに投与する試験)」、「開発・承認のスピードアップ」として、実際に審査を行う「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」のVTRを交えて、最近の治験をとりまく進展について、パネリストから解説がありました。

これからの課題

 続いて、これからの課題として「治験ネットワーク」について取り上げました。日本では、韓国などの海外に比べると治験を行う医療機関の規模が小さく、一方医療機関数が多いことから、「治験ネットワーク」の必要性について、国立成育医療研究センターを中心に行われている「小児治験ネットワーク」のVTRを交え解説がありました。
 また、厚生労働省研究開発振興課の佐原康之課長、製薬協手代木会長のインタビューVTRでは国・製薬企業の立場から、最近の治験をとりまく環境と新薬開発で進展が図られてきたこと、またさらなる進展のためには、今にも増して産官学の連携の必要性がある旨のコメントがありました。

まとめ

 最後に各パネリストの方々からメッセージがあり、フォーラムは終了しました。
 世界に誇る日本発の研究を生かして新薬開発を戦略的に進めていくことが重要であり、そのための動きが始まっていることがフォーラムを通じて紹介されました。なによりも新薬開発に携わるものには「日本の患者さんの手に届ける」使命感が求められています。一方で患者さん側にも貢献できることがあります。より優れた医療を次の世代に提供するために治験に参加するという道もあります。「治験に参加することで、病気になっても社会に貢献できる」という言葉が印象的でした。新薬開発の課題はこうした人々によるオールジャパンで取り組んでいく必要があることを、多くの参加者の方々にご理解いただけたと思います。


フォーラムの様子

(文:広報委員会 コミュニケーション推進部会  尾張 哲哉)

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