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「患者さんが求める医薬品の情報提供について」をテーマに製薬協 患者団体セミナーを開催

第22回として2012年11月1日に東京国際フォーラム、第23回として11月20日に大阪第一ホテルにて、「患者さんが求める医薬品の情報提供について」というテーマで製薬協患者団体セミナーを開催し、東京35、大阪20の患者団体より、計65人の参加がありました。同セミナーは、患者団体との積極的な対話・連携を目指した活動の一環で、情報提供部会が企画・運営しています。今回は厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、患者団体、製薬協よりそれぞれの医薬品情報提供への取り組みについて紹介があり、続くパネル・ディスカッションでは、活発な質疑応答が行われました。

2013/01/21

〈講演1〉患者・国民への情報提供
厚生労働省医薬食品局安全対策課
安全使用推進室長 渡邊 伸一氏


渡邊 伸一氏

 まず、薬害の反省を踏まえ、患者さんにどのように薬の情報を伝えていったらよいか考える必要があったことから、肝炎検証・検討委員会を開催し、2010年4月、「患者さん向け情報提供資材の充実を図るなど、患者さんとのリスクコミュニケーションを円滑に実施する体制を構築すべき」との最終提言に至った経緯等の紹介がありました。
 厚生労働省としては、ウェブサイト内に「おくすりe 情報」を設けているほか、医薬品情報は主としてPMDAのサイトに掲載しているとのことで、同サイ トについては、医薬品の調剤時に患者さんに提供される「薬剤情報提供書」に記載してもらうなど、周知を図っているとの説明がありました。
 また、ある医薬品で安全性速報が出た際、患者団体のウェブサイトで紹介してもらった例を挙げ、「厚生労働省とPMDAだけでなく、患者団体のウェブサイトで、写真等を用い、かみ砕いた形で紹介してもらえると理解促進につながるので、今後もぜひお願いしたい。患者さん、企業、国が協力して情報提供していけば、よりよい活動ができると思います」と期待を述べました。

〈講演2〉PMDAの取り組み ―患者さんへの医薬品の情報提供について―
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
安全第一部長 池田 三恵氏


池田 三恵氏

 まず、PMDAは日本独自の組織で、「審査」「安全」「救済」の3つを行うことで、国民保健の向上に貢献することを目的とし、国の医薬品情報を「医薬品医療機器情報提供ホームページ」に掲載していることを紹介しました。実際にインターネットを操作しながら、添付文書の検索、緊急安全性情報、安全性速報、添付文書の改訂指示などの情報にアクセスする方法を解説・実演しました。また「患者副作用報告」ページより、現在試行的に、患者さん、あるいはその家族から直接副作用報告ができること、「PMDAメディナビ」に事前登録しておけば、安全性に関する重要な情報が出た際、迅速にメールが受け取れるサービスがあることなどを紹介しました。
 またサイトの閲覧数が年間10億ビューと、医療従事者を中心に利用が増えている一方、患者さんの視点を取り入れる必要性も感じているとのことで、「今後、患者さん・一般国民に対しどのように情報提供していくのがよいかアドバイスをいただけると、よりよい医療の実現につながると思います」とさらなる協力を求めました。

〈講演3(東京)〉患者が求める医薬品の情報 ―リウマチ患者の実態より―
公益社団法人日本リウマチ友の会
会長 長谷川 三枝子氏


長谷川 三枝子氏

 会員への情報提供として、リウマチに関する情報収集を主な目的に5年ごとにアンケートを実施していること、機関誌『流』に最新の医療情報や知っておきたい制度、会員の体験を掲載し、全国大会・医療講演会・支部行事などの紹介も行っていると説明しました。また専門医による早期診断、早期治療が大切であることから、医師名簿を作成し、専門医の紹介に努めていると述べました。
 最後に、「かつては治らない病気でしたが、寛解・治癒を目指せるようになりました。患者さんの姿を変えられるというのは医療の進歩、薬の貢献の結果です。T2T(Treat to Target)とは、医師と患者さんがともに目標設定して、職場復帰を目指すこと。最終的には、医師と患者さんが信頼関係を築かなければ不毛なものになります。今の時代でも、あまり情報を持ち合わせていない人もいます。どのように情報を届けていくかは、やはり私どもの課題でもあります」と締めくくりました。

〈講演3(大阪)〉患者が求める医薬品の情報提供について ―腎臓病患者(人工透析患者)団体として―
社団法人全国腎臓病協議会
会長 宮本 髙宏氏


宮本 髙宏氏

 取り組み事例として、会報誌『ぜんじんきょう』を発行し、会員が親睦を深めるためのコンテンツを紹介していること、また制度情報などのメール配信や、精神的なサポートを目的に相談事業を行っているとの紹介がありました。2012年4月、透析患者さんを対象とした治療に関するウェブの調査結果から、「患者さん自身が自ら学び、情報収集・発信することが大切であると同時に、医療者との信頼関係の深化が必要だということ。逆に、患者さん側から医療者に発信することで、医療者との関係も深まるのではないかと思います」と見解を述べました。
 また、『医者と患者と病院と』(砂原茂一著、岩波新書)を引用しながら、「慢性疾患に陥った場合は、成人と成人の関係であって、お互いに協働して医療を構成する『主体者』であるようにしていかなくてはいけないと思います。それによって、これから先、5年、10年、笑顔でいられるようにと思います」と期待を述べました。

〈講演4〉くすり相談業務について
日本製薬工業協会
専務理事 仲谷 博明氏


仲谷 博明氏

 くすり相談業務とは「患者さん・医師・薬剤師の先生などから、医薬品に関する服用の仕方、飲み合わせ、副作用などさまざまな質問・意見(時には苦言、感謝)などを受け、その不安、心配事に対し最適なお答えを提供する」ことで、すべての製薬企業が備えるべき部門として厚生労働省から求められていると説明しました。年に約190万件の問い合わせがあり、そのうち約12万件(6.3%)が患者さん・一般市民からの問い合わせであると述べました(ただし医療機関が代理で質問しているケースを除く)。
 また1980年の「医薬品等適正広告基準」により、医師もしくは歯科医師が直接使用することを目的として供給される医薬品については、医療関係者以外の一般人を対象とする広告(情報提供)は行わないと定められているため、製薬企業は患者さんに対しすべての情報は提供できかねることを説明しました。そして「薬協は、患者さんが医師や薬剤師との良好な関係を損なわないこと、患者さんの話から学び、よりよい医療につなげることを心がけています。皆さんと一緒に今後のありようを考えていきたいと思っています」とまとめました。


パネル・ディスカッション会場風景(東京)

パネル・ディスカッション

パネリスト

厚生労働省医薬食品局安全対策課 安全使用推進室長 渡邊 伸一 氏
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 安全第一部長 池田 三恵 氏
公益社団法人日本リウマチ友の会 会長 長谷川 三枝子 氏(第22回・東京開催)
社団法人全国腎臓病協議会 会長 宮本 髙宏 氏(第23回・大阪開催)
日本製薬工業協会 専務理事 仲谷 博明 氏

司会

患者団体連携推進委員会 情報提供部会 副部会長 梶原 直子 氏

 続くパネル・ディスカッションでは、患者さんが日頃感じている疑問について、活発な質疑応答が行われました。「自分が飲んでいる薬に不安を覚えたとき、だれに相談するのが一番よいか」との質問では、いずれの立場からも、「診察を受けている主治医の先生に相談し、聞きそびれたときは、薬を処方してもらうときに薬剤師に聞くなどして、医療従事者から情報を入手する」よう説明しました。また「PMDAのウェブサイトに掲載された情報をある程度加工して紹介しても問題ないかどうか」、との質問には、「情報源を付記すれば問題ない」との見解を示しました。
 PMDAメディナビを活用すれば安全性情報などの副作用情報を迅速に入手できること、またPMDAの患者副作用報告ページも補足的に活用できることが、あらためて紹介されました。

「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」について

 患者団体連携推進委員会の小嶋委員長より、2012年3月に策定された「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」の説明を行いました。背景として、行政、医療界ともに、「患者さんの声」をより重視するようになっていること、行政当局の審議会や検討会に患者団体が参加する機会が増えていること、またヨーロッパの製薬団体で透明性ガイドラインを策定していることを挙げました。
 小嶋委員長は、「ガイドラインの目的は、透明性の確保により、患者団体の独立性を確保し、企業の透明性を高めることです。これにより、患者団体のさらなる発展につなげられたらと思います」と、取り組みへの理解と協力を求めました。

最後に

 患者団体連携推進委員会 情報提供部会は、これからも患者団体との対話を重ねて、より良い情報提供のあり方を検討していきます。患者参加型医療を目指し、今後も議論を重ねたいと思います。

[PMDAよりご案内] PMDAウェブサイトへのリンクについて

 トップページ( http://www.info.pmda.go.jp )および医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)ページ(http://www.info.pmda.go.jp/info/idx-push.html)についてはリンクフリーです。リンクを設置された場合は、リンク設置ページのURLとリンク先(トップページまたはPMDAメディナビ)を【infomaster@pmda.go.jp】までご連絡ください。なお、PMDAメディナビについてはリンクバナーもございます。(http://www.info.pmda.go.jp/info/medinavi_linkbanner.html

PMDAウェブサイトのコンテンツを利用して、印刷物などドキュメントを作成される場合、出典として医薬品医療機器情報提供ホームページとそのURLを記載ください。ただし、添付文書等の個別コンテンツの利用については著作権者の了承が必要となる場合がございます。

(文:患者団体連携推進委員会 情報提供部会 瀧田 紀子)

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