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「第4回患者会アドバイザリーボード」を開催
患者・国民への医薬品情報提供の取り組みについて~厚労省、PMDAとの対話からの提案~

1月25日、製薬協にて「第4回患者会アドバイザリーボード」が開催されました。
本会は「患者参加型医療」を推進していくうえでの課題について、患者さんの声を代表する患者団体の方々と積極的に話し合い、協働して取り組むことを目的に設置されました。前回までの話し合いの結果、今年度は「医薬品情報提供」を課題として議論を進めることとし、今回は厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、患者・国民への医薬品情報提供の取り組みや課題について説明があり活発な意見交換が行われました。今後は、今回出された意見をもとに、製薬協としてどのような取り組みができるか具体的に検討、調整していく予定です。

2012/03/09

アドバイザーには、患者団体として多くの患者さんと向き合い、医療制度問題や疾病相談などに日々取り組んでいる10名(表)の方が就任しており、第4回となる今回は9名の方が出席しました。
冒頭、製薬協患者会連携チームの小嶋リーダーより会議次第について、まず「厚生労働省とPMDAにおける患者・国民への医薬品情報提供の取り組み」を紹介し、それを受けて「患者さんへの医薬品情報提供のあるべき姿についての意見交換」を行いたいとの説 明がありました。

表 〈患者会アドバイザリーボードメンバー〉 氏名: 敬称略、五十音順
一樋義明 一般社団法人 全国パーキンソン病友の会 事務局長
伊藤たてお 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 代表
大平勝美 社会福祉法人 はばたき福祉事業団 理事長
小林信秋 認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク 専務理事
髙見国生 公益社団法人 認知症の人と家族の会 代表理事
田所裕二 社団法人 日本てんかん協会 事務局長
西村愼太郎 日本肝臓病患者団体協議会 常任幹事
長谷川三枝子 社団法人 日本リウマチ友の会 会長
眞島喜幸 NPO法人 パンキャンジャパン 事務局長
宮本髙宏 社団法人 全国腎臓病協議会 会長

厚生労働省における患者・国民への医薬品情報提供の取り組みについて

厚生労働省医薬食品局安全対策課の広瀬課長補佐より、冒頭、医薬品のリスク・ベネフィットを十分に理解したうえで適正使用を推進するために、患者向け情報提供の充実を検討しているが、これまで患者ニーズを直接聞く機会がなかったので、今後このような意見を聞くプロセスが必要だと感じている旨挨拶があり、続いて「患者・国民への情報提供」のタイトルで、厚生労働省における医薬品情報提供の取り組みが紹介されました。厚生労働省では、医薬品に関する適切な情報を提供し患者さんや国民が医薬品に関する正しい理解を深めることを目的に、「おくすりe情報」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/okusuri/)を厚生労働省ホームページ内に開設しており、(1)医薬品開発関連情報(審査等)、(2)医薬品の適正使用関連情報(安全対策、販売、監視等)、(3)副作用・健康被害関連情報、といった幅広い情報が記載されていることや、医薬品情報は主としてPMDAウェブサイトに掲載しているとの説明がありました。ただし、厚生労働省が扱う業務範囲は広いため、ホームページの中で医薬品情報は埋もれてしまいがちで、存在すること自体が十分知られていないことが課題であり、情報を必要とする方々にどう伝えていくかを検討しているとのことでした。

PMDAにおける患者・国民への医薬品情報提供の取り組みについて

PMDAの池田安全第一部長からは、「医薬品・医療機器情報提供ホームページ - 情報提供HPと患者様向けコンテンツについて」のタイトルで、PMDAにおける医薬品情報提供の取り組みが紹介されました。
PMDAのホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/index.html)では医薬品・医療機器に関する最新情報が提供されており、利用状況は、2000年度が5000万PV(page view)であったのに対し、2010年度は8億7000万PVを超え、利用者の関心は年々高まっているとの説明がありました。また、医療従事者だけでなく、一般の方々に向けたわかりやすい情報提供ページの作成にも力を入れており、例として、添付文書をもとに一般の方にもわかりやすいように工夫して作成した「患者向医薬品ガイド」や、医薬品に関する一般的な質問と回答を集めた「おくすりQ"A」、一般の方向けの「重篤副作用疾患別対応マニュアル」などについての紹介がありました。さらにPMDAでは消費者からの医薬品に関する電話相談を受け付けており、1日平均30件ほど寄せられる相談を、専任の薬剤師の相談員ができる限りその場で回答していることや、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報をメール配信するサービス「PMDAメディナビ」を行っていることが紹介されました。新たな取り組みとしては、患者さんから副作用情報を受け付けるシステムを計画しているとの説明がありました。

医薬品情報提供のあるべき姿に関する意見交換

厚生労働省とPMDAにおける「患者・国民への医薬品情報提供の取り組み」についての紹介を受け、現在の医薬品情報提供における課題や要望などについて意見交換が行われました。アドバイザーからは、消費者の利便性を考え、インターネットにアクセスできる人に対しては、疾患情報や医薬品情報のすべてを網羅するポータルサイトを省庁の枠・官民の枠を越えて作り、インターネットにアクセスできない人には電話から情報が得られる仕組みづくりが欲しいという意見や、情報検索を疾患別や、難病、小児といった切り口で行えるとよいという意見、メール配信において疾患部位別に必要な情報を登録・入手できるシステムにして欲しいという意見が出されました。厚生労働省とPMDAから、システム改善について技術的に早急の対応は難しいが、医薬品情報についてはできる限りPMDAのホームページに情報を集約したいと考えていることや、より広く使ってもらうためにもPMDAの認知度を上げる必要性があることを認識しているとの発言がありました。
またアドバイザーからは、ネットに溢れる医薬品情報に振り回される危惧についても意見があり、医師・薬剤師による患者さんへの情報提供が重要であることを強く呼びかけるべきではないかという意見も出されました。これに対しては、その点に配慮したホームページ構成とし、医師・薬剤師等に相談することを記載しているとの説明がありました。また、規制では、医薬品の情報は医師・薬剤師等から伝達されることになっているが、社会からの要望があり、適正使用のための情報源は複数あったほうがよいのではと考えているとの発言がありました。
これらのほかに、希少疾病用医薬品の開発要望について直接相談できる窓口を医薬食品局内に設置して欲しい、患者さんと医師との距離感を縮めるような情報発信にも取り組んでもらいたい、といった意見が出されました。
意見交換の締めくくりとして、製薬協川邊専務理事より、医薬品情報提供に関する議論は今回でひとまずの区切りとなるが、あるべき姿の実現に向け、製薬協として何ができるかを引き続き検討していきたいとの話がありました。また、2012年度も引き続きアドバイザリーボードを同じメンバーで継続したいこと、テーマについては医薬品情報提供に関してさらに深掘りするか、それとも新たなテーマを設定するか別途相談させて欲しいとの提案がありました。
最後に伍藤理事長より、製薬協は患者参加型医療を目指して活動しており、今後も引き続き意見交換の場を持ちたいことに加え、意見を行政当局に伝える橋渡し役としても役に立ちたいと考えているので協力をお願いしたいと挨拶があり、閉会しました。


会場風景

(文:患者会連携チーム 奥津 倫久)

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