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製薬協協賛くすりフォーラム
「よい新薬を使えるように~どうする?日本の治験~」を開催

2010年11月11日、東京都千代田区の千代田放送会館にて、くすりフォーラム「よい新薬を使えるように~どうする?日本の治験~」(主催:NHKエデュケーショナル 後援:厚生労働省、(社)日本医師会、(社)日本医師会治験促進センター 協賛:日本製薬工業協会)が開催されました。
ジャーナリストの池上彰氏をコーディネーターに迎え、異なる視点をもつ3名のパネリストが治験を中心とした新薬開発の現状と課題、解決に向けた取り組みなどを紹介しながら、フォーラム参加者に日本の治験についての理解を深めていただきました。
本フォーラムは1月8日14時よりNHK教育テレビで放送される予定です。

2010/12/27

くすりフォーラムについて

海外ですでに使われている新薬が、日本ではなかなか使えるようになりません。くすりフォーラム「よい新薬を使えるように~どうする?日本の治験~」は、そのような状況がなぜ起きているのか、どうすれば解決できるのかを、ジャーナリストの池上彰氏のコーディネートによりフォーラム参加者が一緒に考えていくというコンセプトで開催されました。
パネリストは、大阪医療センター院長で政府による「治験活性化計画」策定の検討会の座長も務めた楠岡英雄先生、国立がん研究センター中央病院副院長で乳腺科・腫瘍内科科長の藤原康弘先生、全国骨髄バンク推進連絡協議会会長で骨髄移植経験者でもある大谷貴子氏。会場コメンテーターとして、東京慈恵会医科大学臨床研究コーディネーターの松木祥子氏と、製薬会社を代表して武田薬品工業日本開発センター所長の中岡一郎氏が参加しました。
フォーラムは、日本の治験の現状などをVTRで確認し、各パネリストが解説を加えたり、意見を述べるという形で進められました。

日本におけるドラッグ・ラグ

まず基本情報として、新薬創出のプロセスと治験の各段階についての説明があり、新薬誕生の確率は約1/25,000で、開発には9~17年の期間と、数百億円からなかには1千億円以上の費用がかかることが示されました。
続いて、海外で使用されるようになった新薬が日本でなかなか使えるようにならない、すなわち「ドラッグ・ラグ」の問題へと展開しました。データで見ると日本の「ドラッグ・ラグ」は他国の3倍以上の4.7年で、世界でよく使われている100の薬のうち、日本でまだ使えないものは21もあります。その一つの原因として、治験への着手が非常に遅れていることが挙げられました。

治験の空洞化と国際共同治験

日本で治験がなかなか始まらないことは、「治験の空洞化」を引き起こしています。ある肺がん治療薬の開発では、その薬が日本で発見されたにもかかわらず、日本に先駆けて韓国で国際共同治験が開始されました。そのため日本の患者さんが韓国に毎月通って治験を受けるという事態が発生していたのです。
日本と違い、韓国では国を挙げて治験を推進する環境が整備されてきました。3,000人規模の巨大病院に治験を集中させて効率化をはかり、スタッフの育成にも力を入れているそうです。さらに海外にもそれをアピールすることでグローバル治験を行う体制をつくっているのです。
日本における「ドラッグ・ラグ」を解消するためにも、日本が国際共同治験にスムーズに参画できる体制を整え、新薬が日・米・欧で同時申請されることが望まれています。

国際共同治験への課題と取り組み

医療現場の課題として英語力は壁になっていますが、日本人は英語を含めて、欧米では当たり前の国際共同治験に慣れていくことが必要です。また、日本は人件費を含めて高コストですが、効率化をはかるための工夫として、病院同士をネットワークでつないでバーチャルな巨大病院をつくることも検討されているそうです。
国の課題としては、国際共同治験を受け入れる体制を整えることが挙げられます。英語の申請書類を日本語に翻訳しなければならない現状の改善や、研修制度などによる後押しが求められています。世界で創薬力のある国は日本を含めて10カ国くらいしかありません。日本でも、国家戦略として製薬産業を育成し、治験を推進していくことが重要です。厚労省では、日本での「ファースト・イン・ヒューマン試験」(ヒトに初めて投与する試験)を推進し、「治験の空洞化」を解消したいと考えています。
治験を受ける患者側の課題として、海外の方々に治験のリスクを肩代わりさせ、他国に依存している状況を変えていかなければなりません。日本人として、自国で薬を育てていこうとする姿勢を持ち、治験に納得して向き合い、「ファースト・イン・ヒューマン試験」にも積極的に取り組むことが求められています。
また、メディアの課題としては、国民に対し治験の重要性を効果的に啓発することが期待されます。

まとめ

最後に池上氏が、「ドラッグ・ラグ」、「国際共同治験」、「医療現場の英語力」といったキーワードを挙げながら、治験を取り巻く課題について話をまとめ、フォーラムは終了しました。


フォーラムの様子

(広報委員会医療消費者部会 那須美穂)

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