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治験ネットワークの必要性 先を行く隣国の現状
韓国へのプレスツアーを実施

製薬協広報委員会は、最新の医療関連施設を記者の方々と訪問し、業界における科学技術の進歩を見聞するプレスツアーを実施しています。今回は2月23日~24日の日程で韓国の治験事情の視察を目的としたツアーを実施し、初の海外渡航にもかかわらず、テレビ局・一般紙・業界紙の記者12名が参加しました。
ツアーでは、アサン病院(Asan Medical Center、ソウル)、韓国製薬工業協会(KPMA)、韓国国立治験推進機構(KoNECT)、国立ソウル大学病院臨床試験センターを訪問しましたので、概要を紹介します。

2010/05/11

アサン病院訪問

最初に訪問したアサン病院では臨床開発センターCRCのキム・エリザベス氏によるオーバービュープレゼンテーションが行われました。アサン病院の概要は以下の通りです。

2009年1日当たり平均外来患者数:8,357名
学部:364学部  病床数:2,630床
フェーズⅠ試験用病床数:60床
臨床開発センター専任スタッフ数:70名
健康なボランティアプール数:2,000名
IRBの定期審査の月平均回数:8回
IRB提出から承認までの期間:3週間

アサン病院臨床開発センターの専任スタッフは、臨床薬理学者11名(教授5名、特別研究員1名、研究員5名)、ラボ技術者5名、研究コーディネーター30名、研究薬剤師2名、データ管理マネジャー3名、他19名の70名で組織されています。
また、実施されている臨床試験数は、2005年168件、2009年260件と年々増加しています。国際共同治験も2005年53件、2009年117件と同様に増加しています。臨床試験の企業主導と研究者主導の比較では、企業主導のほうが約70%を占めています。また、現在の臨床研究センターの専有面積は2,110m2ですが、2011年までに4,000m2まで拡張する予定とのことです。
以上のオーバービュープレゼンテーションを受けた後、施設の見学を行い、記者との間で活発な質疑応答が行われました。

KPMA訪問

KPMAでは、副会長の文敬太氏から「世界の中の韓国製薬産業-危機と克服-」と題して講演がありました。
韓国の製薬業界が直面している課題としては、R&D投資が不十分であり、新薬開発のための国内前臨床・臨床試験インフラ構築が不十分であり、医薬品の流通構造が弱く、過当競争による価格の乱れや物流費の増加、外資系製薬企業による国内市場の侵食が加速していることが挙げられています。また、公正取引委員会・保険福祉家族部(日本の厚生労働省に相当)・司法当局は製薬業界・医療界への透明性の監視活動を強化しており、リベート発覚時には薬価が20%引き下げられるとのことです。このような課題を踏まえ、KPMAでは長期的に透明経営・企業投資・政府政策支援を推進し、21世紀の成長産業として発展を目指すことを目標とした主要事業推進計画を発表しています。

■重点推進戦略

  • 公正取引秩序の確立
  • R&D/M&A/cGMPの活性化支援
  • 薬価政策の合理的な改善
  • 専門人材の養成
  • 製薬産業の海外進出支援
  • バイオ医薬品の活性化支援
  • OTC医薬品の活性化支援
  • 製薬産業のイメージ向上
  • 医薬品生産および品質管理の強化

■基本政策方向

  • 新公正取引秩序の定着
  • 先進国並の研究開発投資およびGMPの国際化
  • 輸出中心の産業への転換

■目標

  • 2010年は、製薬産業における一流国家の実現に向けて飛躍

まとめ

その他の訪問先として、KoNECTでは韓国の国際共同治験推進についての講演を、また、国立ソウル大学病院では臨床試験センターの施設を見学し、いずれも活発な質疑応答が行われました。記者からは、日本の国際共同治験の遅れとそれに伴うドラッグ・ラグの問題など対策を考えるうえで、韓国から見習うべきところもあるという声が聞かれました。今後も製薬協ではより良いプレスツアーを企画していきたいと考えています。


ソウル大学病院臨床試験センター


ソウル大学病院での見学風景

(文:広報委員会メディア・オピニオンリーダー部会 浜野裕哉)

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