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第16回広報セミナー開催される
製薬協の現状と課題

製薬協広報委員会は2009年6月12日、東京のロイヤルパークホテルにおいて『製薬協の現状と課題』をテーマとして第16回広報セミナーを開催しました。製薬企業として取り組むべき共通課題をテーマに取り上げたことから100名を超える多数の参加がありました。

2009/07/03

製薬協広報委員会では、広報委員会委員および会員会社の広報担当者を対象に、年2回の広報委員会総会後に研修会を開催しています。研修会は今回の「広報セミナー」と10月に開催される「広報研究会」から構成されています。前者は、製薬産業に携わる者として共通認識を深めるために必要なテーマを取り上げており、後者では、企業の広報やIR、リスクマネジメントといった、広報担当者が日々の業務で直接かかわるテーマを取り上げています。
今回は、製薬業界でも注目を集めている官民対話、流通改善、薬価制度改革、未承認薬等開発支援センターを中心とした製薬協の現状と課題について製薬協の庄田会長と薬価問題検討タスクフォースの禰宜リーダーより講演がありました。

[講演1]:製薬協会員に共通する課題への取組み

講師:庄田 隆 製薬協会長

冒頭、庄田会長から現在行われている製薬協の対外活動の中でも重要とされている「革新的創薬のための官民対話」の必要性とその経緯の説明がありました。官民対話は2007年1月に初めて開催されて以来、現在で7回を数えます。その成果の一つとしては、ライフサイエンス・医薬品関連の基盤研究を含む研究開発予算について、これまでは厚生労働省、経済産業省、文部科学省あるいは内閣府といった各省の管理となっていたものが、官民対話によって予算の全体像が見えるようになったことが報告されました。業界の提案によって官民対話が開催されるようになったことは大きな前進であり、今後は製薬協と行政による事務局の共同運営やテーマの共同選定などにより、官民が両輪となって対話をいっそう促進していきたいとの提案がありました。
続いて革新的創薬促進のための重要施策における最終目的は「より良い医薬品をより早く安全に患者に届ける」ことであり、革新的創薬を日本で促進するための会員全社に共通する課題は、「治験」「審査」「薬価制度」などの6項目であることが指摘され、その中の重要な取り組みとして「治験環境の整備」「安全対策の強化」「新たな薬価制度の導入」「未承認薬等の解消」についての説明がありました。
新薬の臨床開発期間と日本の承認審査期間に関しては、PMDAにおいても審査期間の短縮を中期計画の目標としていること、審査官を236名増員することなどについて説明がありました。また、庄田会長は近年、審査に要求されるデータが増加していることを考慮すると、開発および承認審査期間は改善方向にあるのではとの印象を語りました。
日本における国際共同治験の少なさについては、現在、日本は世界34位となっており、ドラッグ・ラグを解消するためのネットワーク整備、治験参加施設増加の必要性が指摘されました。また、企業としての治験中核拠点の活用のあり方が問われるところであるとの見解が示されました。
安全対策強化における課題では、PMDAにおいても安全性情報の収集・評価体制の強化と充実、ならびに安全性情報の伝達・提供体制の強化と充実が謳われており、企業としても安全対策業務のフォローアップを行っていくうえで、仕組み作りの確立を働きかけていくと述べました。
最後に本邦では未承認薬開発の遅れが問題となっているが、売上の大きさだけで製品を開発していくのではなく、患者の視線に立って未承認薬等の開発を進めていく必要性を強調しました。

[講演2]:医薬品業界を取巻く現状と新薬価制度

講師:禰宜 寛治 製薬協薬価問題検討タスクフォースリーダー

禰宜リーダーは、最初に日本医療のアウトラインとして日本の国民医療費と薬剤費比率を示し、過去10年間、国民医療費が増加している反面、薬剤費比率は伸びていないことを指摘しました。世界と比較した日本の医薬品市場の現状については、伸び率は2006年までの10年間で世界では年率約8%であるのに対して日本では2%に留まっていること、市場シェアの推移は1996年度の約18%から2006年度には約10%になっていることも指摘しました。また、米国の2009年度の伸び率は1~2%程度と予測され、今後はBRICs、メキシコや韓国での成長が見込まれると報告しました。また、2009年5月追加経済対策として「未承認薬の開発支援」「承認審査体制の迅速化」「治験基盤の整備」「インフルエンザワクチンの開発と生産体制の抜本強化」などの予算化について説明がありました。
次に、医薬品の流通改善について、これまでの流通を取り巻く経緯として、薬価制度のバルクライン方式から加重平均値一定価格幅方式への変更と新仕切価制度導入により価格施策の大きな変更があったことを示しました。さらに2007年の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会の緊急提言を受け、未妥結・仮納入の改善、総価取引の是正、これまで不透明との指摘が多かった割戻し・アローワンスの整理と縮小、基準の明確化を行い適正な仕切価水準の設定を行うなど、取り組みを進めてきたとの報告がありました。
薬価制度改革については、その経緯の説明の中で2008年7月から新薬価制度について中医協で議論が本格的に開始され、さらに今年6月には日薬連竹中会長、製薬協庄田会長らによる意見陳述が行われ、引き続き、新薬価制度実現に尽力していく旨の説明がありました。
医薬品における保険医療上の課題では、アンメットメディカルニーズへの対応、ドラッグ・ラグの解消について、「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」においては、課題分析をしたうえで研究-開発-承認審査-市場(薬価制度)の各フェーズにおいて対策を講じることが明記されていることを示しました。続けて、研究から承認審査に関してはすでに具体策が明示され実施に移行していることと、現在、検討・議論が進められている薬価維持特例に関しても、そのメリット・デメリットを整理されたうえでの説明がありました。
最後に、製薬産業の使命と今日的課題として「未承認薬等開発支援センター」の設立について説明がありました。同センターは、患者・医療現場のニーズが高い未承認薬・未承認適応問題の解消に取り組む目的で設立されました。厚生労働省に設置される有職者会議などで開発が必要とされた未承認薬などの開発企業に対し、専門的・薬事的・技術的支援、各種折衝業務等への支援、資金援助を行うとしてします。今後、早期解決を図るべく未承認薬の開発支援を行うことを示し、講演は終了しました。

(文:広報委員会コミュニケーションツール部会 竹内 まゆみ)

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