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庄田会長定例記者会見開催される
官民対話の活用推進新たな薬価制度の実現に向けて

2009年5月25日に開かれた製薬協会長定例記者会見で、庄田会長は09年度の製薬協の活動に関して「新たな薬価制度の実現」と「官民対話の活用」という二つのテーマを今年度の最優先課題として取り上げ、推進していく方針を明らかにしました。官民対話の場を活用し、革新的医薬品創出に向けた政策立案・提言、政策のフォロー、および成果の評価を確実に行うことと、イノベーションが適正に評価され、かつ推進される新しい薬価制度の実現を目指していくことが述べられました。

2009/07/03


所信を述べる庄田会長

庄田会長は、官民対話の活用という課題の中で、製薬協では以前より日本で革新的な創薬を促進するために6項目の施策((1)中核、拠点の充実と活用、(2)グローバル臨床研究拠点の設置、(3)治験・臨床研究を行う研究者および支援スタッフの充実、(4)大規模医療DBの整備、(5)迅速な審査・承認、(6)イノベーションの適切な評価)を提案してきており、これらの施策を着実に実施していきたいとしています。日本を開発の拠点とし、よりよい医薬品を安全に、早く患者さんに届ける体制づくりを目指して具体的な施策を着実に実施していくことを改めて強調しました。
研究開発面では、新医薬品の臨床開発期間と承認審査期間のデータを示し、治験の短縮化を図るネットワーク作りの重要性を説明しました。また、安全対策に関してもPDMAの第2期中期計画に盛り込まれた安全対策に参画しながら、大規模データベースの構築、合理的で効果的な市販後調査等の確立を推進していくこととしています。
知的財産権については、新薬と後発医薬品とのかかわりをふまえたうえで新しい薬価制度のあり方を提案していくとの考え方が示され、従来と同様、薬価維持特例の制度設計が重要な柱になることが改めて表明されました。
直近の話題では、「未承認薬等開発支援センター」構想に触れ、未承認医薬品に取り組む企業にノウハウや情報、さらに資金面、技術面などあらゆる面での支援が実現する運びとなったこと、また、昨年スタートした、先端技術と知的財産の適切な保護と活用に向けたiPS知財支援プロジェクトへの期待などについても触れました。
一方、昨年、製薬協が40周年を迎えたことを機に、こうした各種課題について迅速に取り組んでいくため、協会の組織運営体制の改善を図っていくとの方針も示されました。具体的には、2000年に取り組んだ団体の業務改善と機能強化を今日的視点で再考し、事業方針・事業計画の立案から各委員会活動のあり方に至るまでプロアクティヴに見直していくことが表明されました。
庄田会長のプレゼンテーションを受け、活発な質疑応答が行われました。以下に主な内容を示します。

Q & A

Q.
今年3月より製薬協の総会が非公開となった。情報公開の時代に逆行しているのでは。
A.
従来は「総会」が事務局から加盟各社の出席者に一方的に「お伝えする場」になっていた。総会のあり方について加盟各社に諮ったところ、政策等の議論の場にしてほしいという声があったため、非公開とすることとした。どのようなテーマで、どのような意見が出されたかについては、総会後にメディアの皆さんにしっかりお伝えしていく。「見える産業」にしていく気持ちは以前と変わらない。
Q.
特許期間中の薬価維持特例について現状では議論が停滞しているのではないか。
A.
制度の内容については中医協でいろいろな意見が出され、回を重ねるにつれ、理解は深まっていると思う。議論が停滞しているとは思わない。
Q.
中医協の意見陳述ではどのような点を訴える予定か。
A.
ヒヤリングの場で、どんな資料でどんなことを話すのかはまだ決めていないが、産業の視点から言うと知的財産権が重要であることを主張したい。また、後発医薬品を促進することとイノベーションを評価することは車の両輪であることも強調したい。薬価維持特例の対象範囲をどうするのかという点も質問があると思う。
Q.
プロモーションコードに関するIFPMAでの議論について、その進捗状況と、日本の対応について教えてほしい。
A.
プロモーションコードについては、国際的に共通するものを作っていくのがこれからの課題。たとえば、国際共同治験については医療制度や治験の実施方法が国々で異なっているため、なかなか進まないが、プロモーションコードが抱える問題も同じである。国々の歴史、置かれた社会環境の違いはあるが、徐々に整合性をとっていきたい。それには各国が共通して整合性をとる事項を認識し、しっかりしたものをそれぞれで作成することが必要だ。それを持ち寄って国際的な共同歩調が取れるものを作り上げていく。
Q.
利益相反の透明化について、一部米国企業の動向をどう捉えているか。製薬協としての考えは。指針作りなど予定しているか。
A.
米国を中心にいくつかの企業で進められていることと認識している。日本では情報公開法に基づいて公的機関に対する金銭の支払い等については情報公開はされている。企業と民間の研究機関の間の情報公開については、製薬産業のみならず他産業での実施状況を見ながら、また、国際的な動向を踏まえながらいかにあるべきかということを検討していきたい。製薬協でもプロモーションコード委員会の中に検討のためのタスクフォースを立ち上げることとしている。
Q.
流改懇の議論において、薬価差が広がっていることに対して批判があるが、メーカーが取り組むべきことは何か。
A.
流通改善は「未妥結・仮納入」および「総価取引」、「薬価差の縮小」の3本柱でスタートした。本来はこの3本柱がバランスよく進むことが望ましい。今回は「未妥結・仮納入」の是正が先行して進んだが、薬価差の縮小はなかなか是正できていないようである。また、「総価取引」も相当改善されたと認識している。流通改善に関してはこの3つの柱を並行して進めていくべきで、1年が過ぎてアンバランスなところがあれば2年目にそれを是正していくことが必要である。薬価差に関して、メーカーと卸の間で後出しジャンケンのような実態がもしあるのだとすれば、それは絶対に止めなければならない。医療機関が経営原資を薬価差に求めなければならないような医療提供体制であってはならないと考える。
Q.
未承認薬等開発支援センターの役割について、承認後、各社市販後調査など経費的にもかなりの重荷になることが予測される。各メーカーは手を上げにくいのでは。
A.
まさにそうしたところを支援するのが開発支援センターの役割である。患者数の少ない未承認薬については、前歴調査や市販後調査、市販後直後調査など、コスト面を考えるとかなりの制約となる。そうしたところも行政とともに支援をしていく役割を果たしたい。資金面以外の業務支援も製薬協の各委員会を中心に行っていく予定である。

登壇者

(文:広報委員会メディア・オピニオンリーダー部会 伊藤 悟嗣)

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