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「第3回製薬協患者会ラウンドテーブル」を開催
医療用医薬品の市販後安全対策に対する取り組み

2009年3月24日、製薬協にて「第3回製薬協患者会ラウンドテーブル」が開催されました。今回のラウンドテーブルは、「医療用医薬品の市販後安全対策に対する取り組み」と題して、9つの患者団体代表の方々と製薬協の医薬品評価委員会、広報委員会、市川理事長、川邊専務理事の参加のもと、日本における医薬品の安全対策の現状と今後の方向性についての説明と意見交換が行われました。

2009/05/11

今回で3回目を迎える「製薬協患者会ラウンドテーブル」は、製薬産業の取り組みに対する理解の促進と、患者を取り巻く医療環境の改善を実現するための対話の場として、2007年から開催されています。
「医薬品への安全対策」は、患者が製薬産業に最も望むことのひとつですが、今回のラウンドテーブルを通じて、現在の製薬産業による取り組みは十分に理解されていないことがわかりました。今後は、患者会からの意見をどのように活動に反映していくことができるかなどを検討し、新たなテーマを設けながら対話の場をひろげていく予定です。

プレゼンテーション:医療用医薬品の市販後安全対策に対する取り組み

製薬協医薬品評価委員会の浅田PMS部会長から、製薬企業による医薬品の市販後安全対策の現状とこれからの方向性について説明がありました。プレゼンテーションの最後には今後の展望が語られ、医薬品は、患者・医療関係者・行政・企業などが対話を通じて、リスク(副作用)に関する情報を共有し、それを低減していく試みが必要であることが挙げられました。また、そのために製薬企業は、これからも適正使用情報の提供に努めていくことが不可欠であることも示されました。

当日は、活発な意見交換が行われました。以下に主な質疑・意見交換を紹介します。

質疑応答および意見交換

患者団体:市販後安全性情報には、受動的または能動的に収集されるものがあるという話があったが、能動的収集とはどのようなものを指すのか? また、同じ成分で違うブランド名の製品の場合、安全性に関する情報は販売企業間で共有されているのか?最後に、DSU(医薬品安全対策情報)は約23万件の医療機関に直接配布されているとのことだが、その数は全医療機関に対して何割ぐらいと考えたらよいのか?
製薬協:能動的に収集している情報には、義務ではないがほとんどの製剤を対象に行われている使用成績調査が含まれる。
また、違うブランド名の製品でも、DSUには同じタイミングで情報が掲載されるため、そこで情報共有がされることになる。なお、約23万件という医療機関の数は、ほぼすべての施設を網羅していると言える。
患者団体:安全性情報は、医療機関を通じて患者に伝達されるシステムになっているが、患者によっては、頻繁に医療機関を訪れるわけではないので、患者にいち早く情報が伝わるようなシステムが必要である。
そうなると、製薬企業と患者とのコミュニケーションが必要と思われるが、現状はどれくらいできているのか? また将来はどのようなシステムになっていくのかを伺いたい。
製薬協:現在のところ、薬事法により製薬会社から一般の方々に情報提供できるのは添付文書の内容のみとなっている。ただ、その薬事法は昭和36年に制定されたものであるため、今後はシステムを変える必要があるかもしれない。現状としては、薬事法の制約の中でウェブサイト等を使って患者向けに情報提供していくという課題は残されていると考える。
また、抗がん剤やリウマチの治療薬などは、当局からの指示により、安全性を確保するために、当局に報告するタイミングでウェブサイトに情報を掲載しているケースもある。
患者団体:医療機関で情報を聞くタイミングでは遅いと思う。またウェブサイトや新聞・テレビなどの媒体で情報提供されても見逃してしまう患者も多いので、患者に直接情報提供できるシステムを考えてほしい。
患者登録のシステムを構築するなどによって、実現できるのではないか。薬事法による制約があるのは理解しているが、リスクを軽減させるためにも製薬 業界から要望を挙げてほしい。
製薬協:現状では、各企業のくすり相談窓口やPMDA(医薬品医療機器総合機構)を通じて薬の情報提供も行っているが、基本的に患者への情報提供は医師を通じて行われるべきであり、それができるような改善が必要と思われる。
患者団体:私たちの組織では、死亡例などが確認された場合、主治医に聞いてもらうか、もしくは企業のくすり相談室に聞いてほしいと伝えている。患者と主治医との関係の中で、情報提供されることが基本だと思う。
患者団体:本日説明があった製薬企業が現在行っている医薬品の安全対策についての話は、初めて聞く内容ばかりだった。製薬企業が日頃から安全対策に取り組んでいることを一般の人により理解してもらうためには、もっとPRする必要があるように感じた。
また、私たち「子どもを守る会」としては、薬の安全性を理解するためにも子どもに対する薬の教育が必要だと思っている。そのあたりは製薬産業として、どのように考えているのか?
製薬協:子どもたちに対する啓発活動については、親子で参加する「くすりゼミナール」などを通じて行っている。「くすりゼミナール」の模様はTVなどで放送され、地方でも情報提供できるよう努めている。またRAD-AR(くすりの適正使用協議会)などと連携して、小・中学校での服薬コンプライアンスに関する指導を進めていきたいと思う。その他の活動については、広報委員会でこれからも検討していく予定である。
患者団体:ぜんそくの場合、専門医にかかっていない患者も多く、医療機関に行っても的確な情報が得られないことがある。よって、情報提供するのが医師でなければならないという考えには疑問があり、別の選択肢があるのではないかと思う。
製薬協:患者にはさまざまな背景や状況があるので、情報提供においていろいろなルートが必要だと思われる。
患者団体:製薬関連のウェブサイトは内容がむずかしく、欲しい情報になかなかたどり着けない現状があるため、情報提供にはやはり電話が一番よい方法だと感じている。特に日本では、患者や家族に対する心のケアが求められており、そのためには電話によるケアが必要だと思う。また、正しい薬の情報は医師・薬剤師から聞きたいと思うが、医師が忙しくなかなか聞けない場合には企業のコールセンターが役割を担うこともできる。製薬企業は患者に対してさまざまなサポートをしているが、患者が本当に求めているものを知るために、満足度調査をすることも必要ではないかと思う。
製薬協:医師に余裕があれば状況は変わるかもしれないが、現状はむずかしいと考える。コールセンターについては、PMDAに設けてもらう選択肢もあるので、今後の働きかけを検討したい。
また、患者のところまで情報が届いていない現状を考えると、情報を提供する側、される側のコミュニケーションが必要であると思う。
患者団体:現在の医療では完治しない疾患も多いので、患者は薬に頼らざるを得ない。よって、薬と付き合っていくためには、患者に正確な情報が届くシステムが不可欠だと思う。
患者団体:薬に関する相談窓口や保障制度が存在することを多くの人に伝える必要があると思う。また、患者会・国・製薬企業が力を合わせて健康に関する教育を実施し、疾患への理解を促進させてほしい。
製薬協:医療機関に情報提供をしても、医師まで情報が行き渡っていない現状が考えられる、その点は改善していきたい。その他、製薬業界として省庁への働きかけなども考えていかなければいけないが、できることから進めていきたい。
また、製薬企業ができていないことを、患者団体の方々が対応してくださっていることに感謝したい。今後は、行政とのコミュニケーションを通じてそれぞれの役割を考え、お互いに何ができるかについて話し合いをしていきたいと思う。

(文:広報委員会ペーシェントグループ部会 石川 貴枝子)

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