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庄田会長定例の記者会見を開催

医療への貢献のために

本年度、製薬協会長に就任した庄田会長は、2008年11月17日に東京で定例記者会見を開き、「世界の医療に貢献する産業」を目指す製薬業界の今後の課題と対策について説明を行い、官民対話における積極的な提言など、今年度上期の活動について報告しました。併せて、今回の会見では、広報委員会の與五澤委員長が、本年度の製薬協メッセージ「グッドコミュニケーション08-09」の概要について説明を行いました。さらにまた、政策研からは製薬協加盟企業上場14社の平成21年3月期中間決算の概要について報告をしました。

2008/11/25


庄田会長による会見

 はじめに庄田会長は、医薬品産業の役割は「産業」の視点からは省資源・知識集約型の産業として科学創造立国、知的財産立国、環境立国の実現に貢献することであり、「医療」の観点からは革新的な新薬の創出とすべての医薬品の安定供給が不可欠であることを強調し、そのうえで本年度の最重要課題に対する取り組みについて説明しました。
 そのひとつである「官民対話を活用した政策提言とその実現」では、バイオマーカーの探索などの基礎研究領域と臨床研究機関の体制整備など、臨床開発領域に関するいくつかの項目について本年度2回の会議が行われ、産業側からはClinical Trial Centerの設置を提言し、グローバル臨床研究拠点の整備が政策に反映されることを説明しました。
 また、「アジア地域での新薬開発の活性化に向けた、共通の治験・承認審査に係わる制度面の整備」については、製薬協加盟57社における1999年からの国際共同治験の実施状況を示し、2007年は計32件、うちアジア治験が9件に上るなど、特に最近2年間は大幅に増加していることを説明しました。「医薬品アクセス問題、知的財産保護など世界的な課題への対応」ではアセアン諸国に対する国際協力や偽造医薬品対策に取り組んでいること、またiPS細胞関連のわが国の画期的な研究成果に対する特許保護を支援し、わが国のイノベーションにつなげるためにiPS知財支援プロジェクトを開始したことを報告しました。
 さらに「医薬品産業のプレゼンス向上」を目的とする広報活動として、メディア、医療消費者、患者会などに対する活動を説明し、最後に、研究開発へのさらなる投資、治験満足度の低い疾患への積極的な取り組み等を通じて、より良い医薬品をより早く届けたいと述べました。


與五澤委員長による説明

 続けて、與五澤委員長より、今年実施するグッドコミュニケーションのキャンペーンについて紹介をしました。本年度のテーマ「新薬の価値-治験-」は、医療消費者に「治験」とは何かを知っていただくとともに「治験」の考え方や必要性への理解を通じて、新薬の価値についてより深い認識を持っていただくために、昨年と同様のテーマとしたこと、また「革新的創薬のための官民対話」のフォローおよび「治験活性化5ヵ年計画」とも連動させ、より国民の治験への認知度向上と理解促進を目指すことを説明しました。併せて、11月17日から開始した具体的なキャンペーンの展開方法について示しました。


会見の模様

 平成21年3月期中間決算については、製薬協加盟で平成20年3月期売上高1,000億円以上の上場14社の連結決算について集計し、その概要を説明しました。売上高では国内売上が微増にとどまる一方、海外売上が好調に推移し、前年同期比4.7%増の3兆4,100億円となりましたが、国内売上では合併等による影響があり、また海外売上ではベンチャー企業買収・子会社化の影響が大きく寄与しました。一方、利益面では原価率は0.3ポイント改善したものの、販管費が研究開発費の大幅な増加により8.9ポイント上昇した結果、営業利益は前年同期比32.4%減の5,417億円となり、経常利益、当期純利益も大幅な減益となりました。研究開発費増加の要因にはインプロセス研究開発費という特殊要因があり、またその他販管費増加の要因にはベンチャー企業買収に伴うのれん代償却などがあります。通期業績予想は売上高が前年同期比4.9%増の6兆8,304億円、経常利益が前年同期比19.1%減の1兆1,897億円、当期純利益が前年同期比19.6%減の7,195億円となっています。

Q & A

Q.
業績の依存度が高く、かつ市場規模の大きい北米における医療環境の変化、影響をどのように予測しているのか。
A.
大統領の交代により、方針として4,600万人といわれる無保険者の整備というひとつの方向性があるだろう。その中で、メディケアも含め医薬品価格の面では国の関与が高まり、それは製薬産業にとっては向かい風になると思われる。一方で低価格の医薬品の再輸入についてどこまで追求するのか、また対日政策がどうなるか、現状では不透明であるが、製薬各社が米国事業を強化する方向性は変わらないのではないか。
Q.
米国での保険整備により、無保険者4,600万人が保険加入者となり皆保険的になれば、長期的視点から製薬企業にとってプラスになるのではないか。
A.
制度の変化としてメディケアパートDの導入は新薬メーカーにとって確かにプラスになったが、米国内での保険の整備が進めば進むほど、国の価格関与の部分が高まっていくのではないか。産業としてプラス面と長期の視点で見たときのマイナス面とどちらが上回るかは不透明であるが、現状を個人的には決して楽観視していない。
Q.
薬価制度について業界案を出したが、現状はどのような状況か、また課題と対応についてどのように考えているか。
A.
現状は、中医協の薬価専門部会で業界案について説明を行い、各方面からの質問に対して回答したところであり、具体的な議論が始まっている段階にはない。厚生労働省が中心となって論点が整理され、これから本格的な議論が始まるところである。
Q.
外資系の製薬企業において、研究開発拠点の日本国内からの撤退が行われているが、課題、改善点について考えをお聞きしたい。
A.
個々の事象については、各社の戦略・立場があるのでコメントは差し控えたい。一般論として、世界的に研究開発費が高騰する中で、創薬において効率的かつ効果的な研究開発活動を行うことが課題である。その中で日本国内での創薬環境において研究開発活動がネガティブと捉えられているのであれば、それは残念なことである。
Q.
製薬協加盟企業上場14社の中間期決算の概要は、増収・減益である。特に研究開発費が増加しているが、このような現状について総括をいただきたい。
A.
売上高が増加する一方で研究開発費等の増加により減益となる姿は製薬各社の共通の状況と捉えている。治験の高度化や大規模な臨床試験を組むケースも増え、外部のシーズを取り込む場合もある。積極的な研究開発活動の結果ではなかろうか。これは製薬企業にとって必要な投資であるが、研究開発費としてどの程度が適正な水準かは言えない。新薬の開発に国境はなく、より良い新薬をより早く上市することが我々製薬企業の使命である。
Q.
スーパー特区への期待についてお聞きしたい。
A.
スーパー特区でどのようなプロジェクトが採択され、進められているかわからないのでコメントできないが、スーパー特区の特徴として産官学の連携が実現できることは有益であり、医薬品に限定していえば、従来にない治験相談、開発相談などの事前相談ができ、重要なプロジェクトの場合、官も協力してくれるという意味では期待は大きい。創薬に結びつくプロジェクトが数多く取り上げられればより良いと思う。

記者の質問に答える庄田会長

(文:広報委員会メディア・オピニオンリーダー部会 宮木 修次)

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