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第18回政策セミナー 「国民にとって好ましい医療とイノベーションのあり方を探る」

2007年4月14日(土)、「パレスホテル」ゴールデンルームにて、第18回政策セミナー「国民にとって好ましい医療とイノベーションのあり方を探る」が開催されました。当日は、国会議員、行政、メディア、アナリスト、患者会、一般、製薬協会員会社から192名の参加がありました。

2007/04/30

今回のセミナーは「国民にとって好ましい医療とイノベーションのあり方を探る」と題し、新しい医療のあり方を考えていく会としました。日本の医療は世界的に見ても質の高さは良く知られているところであります。しかし、グローバル化、ライフサイエンスやIT分野における科学・技術の飛躍的進展の中、日本でも新しい医療が求められています。

新しい医療のあり方を考えていく時、基本となるのは医療の「質の向上」、「効率化」と「安全性の確保」です。イノベーションの成果を積極的に取り入れながら、これらの要素を満足させ、国際的に魅力あるシステムを構築していくことにより、国民の福祉の向上と、日本経済の成長、合わせて世界の医療にも貢献していくことができるものと考えています。

現在、2025年までを視野に入れた、「イノベーション25」が唱えられ、長期の戦略指針の策定が進行しています。今回のセミナーでは「イノベーション25」を視野におきつつ、政治・医療従事者・行政・アカデミアなどそれぞれの立場から医療の質の向上・効率・安全性確保のための直近で取り組むべき課題と解決の方向性について討議されました。

基調講演:黒川 清

基調講演では黒川清氏より、「イノベーション25」で取りまとめた中間報告を中心に講演いただきました。黒川氏は、「イノベーション」の意義について単なる革新的もの作りで終わるのではなく、製品が出て人々の生活・行動様式を変える「社会制度改革」にあると述べるとともに、経済学者のヨーゼフ・シュンペーターの言葉を引用し、「イノベーション」を「創造的破壊」と定義し、「『創造的破壊』を続けていかなければ企業はだめになるし、社会も必ず衰退する」と述べました。その後、生活を変化させたインターネット、宅配便、携帯電話が普及していった経緯を説明しました。特にネットビジネスの具体的事例として「ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)」から「ネットスケープ」、「ウィンドウズ95」、「グーグル」へと次々とイノベーティブなアイデアの積み重ねがインターネットを身近なものにし、Eメールの普及によって電話やファックスの使用頻度が格段に減ったことをあげ、これこそがイノベーションであるとも述べました。最後には、「イノベーション25」の主たるメッセージである「若い人に投資し外にどんどん出す」ことでのネットワーク作りの支援、「環境問題については日本が最も進んでいる」ことのアピールが必要と話し、黒川氏の人を飽きさせない話しぶりに参加者も満足の様子でした。

パネルディスカッション

<コーディネーター>
近藤正晃ジェームス
東京大学先端科学技術センター 特任准教授
<パネリスト>
鴨下 一郎
衆議院議員
薬師寺泰蔵
慶應義塾大学 客員教授、総合科学技術会議常勤議員
田邉 一成
東京女子医科大学 教授
西山 正徳
厚生労働省大臣官房 技術総括審議官
西室 泰三
日本経済団体連合会 評議会議長、社会保障委員会 委員長

黒川氏の基調講演に引き続き、近藤正晃ジェームス氏の司会の下、パネルディスカッションが行われました。まず、パネリスト一人一人が今回のテーマである「国民にとって好ましい医療とイノベーションのあり方を探る」に沿った形で、それぞれの立場から提言しました。まず、鴨下一郎氏は、「日本の国際競争力強化戦略の中における医療分野の位置づけ」として、医薬品産業の国際競争力強化に触れました。日本は「長寿」を実現した国として世界に誇れる。それは、日本の保健医療制度が国際的にも評価の高いもので、「長寿ブランド」を作り世界にアピールすべきであると述べました。次に薬師寺泰蔵氏からは、科学技術振興のための問題点として外国人研究者の少なさ、研究者の流動性が保たれていない、助手・女性研究者が少ない、ドラッグ・ラグ、国民の科学技術への低関心を指摘され、解決のための制度改革の必要性を訴えました。特にドラッグ・ラグでは治験を含む臨床研究の総合的な推進が必要と述べ、承認審査人員の拡充、臨床研究実施基準の策定、国民に臨床研究参加を促進するインセンティブなどの提案を行いました。田邉一成氏からは、「医療現場からのイノベーション」と題し、臨床医師の視点で医療現場からもイノベーションを起こすことができることについて具体例を交えて提言がありました。西山正徳氏は、「激変する医療とイノベーション」と題し、治験コスト・スピードの遅れが新薬の承認遅れに繋がっていると指摘するとともに、生命科学分野に対する研究開発投資が日本と米国では大きな差があり、政府予算レベルでは6.6倍、製薬産業レベルでも4.8倍とひらきがあり、臨床研究の抜本的強化のためには、ヒト・モノ・カネの全てにわたって問題があると述べました。西室泰三氏は、「持続可能で国民の満足度の高い医療の実現に向けて」と題し、現状の医療における課題から経団連が考える改革の方向性とその柱となる社会保障番号制の導入について述べました。

その後、近藤氏の司会の下、「イノベーション」についてパネルディスカッションが行われました。最後に会場からの質問を受け付け、基調講演を行った黒川氏も会場から参加され、活発な質疑応答が行われ盛況の内に終了しました。

以上
(文:広報委員会メディア・オピニオンリーダー部会 黒澤 明浩)

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