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イデアフォー

イデアフォーとは、イデアはIDEA(理念・考え・意見)、フォーはFor(ために)とFour(4者…患者・家族・医療従事者・社会)を意味します。自分たちの乳がん治療体験から医療の閉鎖性に気づき、4者のために、患者の権利の確立した、より良い医療実現を目指して、1989年に発足した市民グループです。

「私たちが困ったこと、こんな経験は過去のことにしたい!」との願いから、乳がん体験者自身が患者サポート、情報提供、アドボカシーなど、さまざまの活動をしています。

イデアフォー
中澤幾子

会の概要

現在、会員はおよそ550名、温存療法体験者ばかりではなく、乳房切除術を受けた患者、乳がん以外のがん患者、患者の家族、医療者、ジャーナリストなど、さまざまな立場の人で構成されています。

代表者は置かず、複数の世話人による合議制で運営。会の意思決定は、毎月の世話人会、緊急の場合は世話人メーリングリストによってなされています。

結成の経緯

イデアフォーは、1989年に乳がんを乳房温存療法で治療した患者たちが立ちあげた、乳がんの患者会です。

当時の日本では、乳がんの治療は乳房切除が主流でした。その頃すでに欧米で標準治療として確立されていた「乳房温存療法」の情報はほとんどなくその実施率も5%に満たないものでした。複数の治療法を提示せず、医師が一方的に治療法を決めることが当たり前、と患者側も思い込んでいた時代です。そんな中で温存療法にたどり着くには、大変なエネルギーと幸運が必要でした。もし、乳房を残しても残さなくても、生存率は変わらない、と知っていれば、ボディイメージを変えずにすみ、後遺症も少ない方法を選ぶ患者はもっともっと多かったはずです。

患者は医療の素人ではあっても、自分の身体のことは自分で決めたい、と私たちは考えました。そのために必要な医療情報が乏しいのなら、自分たちで集めよう、医療の閉鎖性に気がついたのだから、風穴をあける努力をしよう、と積極的に活動を始めたのです。

目的

「イデアフォー」の「イデア」は「考え・理念」を、「フォー」は「4者ー患者・家族・医療従事者・社会」および「のために」のforをかけて名付けました。4者がともに手をたずさえて、よりよい医療を目指していこう、というものです。

「インフォームド・コンセントの推進」を柱に、「医療情報の収集と提供」「乳房温存療法に関する情報の収集と提供」の3つを活動の目的に定めています。

患者自身が治療法を選択するために必要な情報は、すべての患者に公平に示されるべきだと考えます。医師の説明から抜け落ちがちだった「乳房温存療法」を、誰もが知っているものにするために、メディアにも積極的に協力してきました。温存率が過半数と なった現在では、その説明をしない医師はいないでしょうが、今度は病院や医師によって、同じ温存療法であっても、治療の内容が違うという事実を伝えなければならなくなっています。

また、手にした情報を理解するためには、乳がんについての知識を得ることが必要です。そのための手助けをイデアフォーは続けています。

活動の重点

  • 世話人会:毎月第2土曜日。レジュメ・司会担当が議事をすすめ、議事録担当がまとめたものを欠席者も含め、全員に送ります。18年目の現在、設立時のメンバーは残っていないのですが、メンバー交代しても活動の方向性が変わらないのは、確固とした活動方針が当初から確立されていたからです。全員がとことん議論をつくしてから決定する、という姿勢は設立当時から変わりません。新しいメンバーは新しい目標を示してくれます。「鶴の一声」がないのも、会を老朽化させない条件だと思います。

  • 『イデアフォー通信』発行:年4回、活動の報告、会員便り、医師による治療や薬のシリーズもの、資料・文献紹介等掲載の本誌12ページのほか、講演会、勉強会などがあればテープ起こしをしてまとめ、付録としています。付録が24ページになることも少なくありません。

  • 無料電話相談:担当4人が交代で、自宅で受けます。月曜~金曜の21:00から2時間です。年末年始、祝日は休みです。

  • おしゃべりサロン:毎月第4土曜日(12月は第3土曜日)の14:00~17:00、イデアフォー事務所で開催します。参加は自由、非会員からは会費をいただきます。これから治療を受ける方、治療中の方、治療後何年かたっている方、ご家族、などさまざまです。

    再発おしゃべりサロン: 奇数月の第4 日曜日14:00~17:00、再発した患者、家族に限っています。事前の申込が必要です。

  • 会員限定メーリングリスト:06年3月から開始、会員であることと、本名での参加が条件です。

  • 講演会、セミナー、勉強会:年に1度の総会開催時には必ず講演会と乳がんのQ&Aを企画します。また、不定期にセミナー、ミニ講演会、勉強会等を開催します。今までのテーマには、乳がん治療、乳房再建、抗がん剤、病理診断、再発・転移、疼痛ケア、ホスピス等、がんに関するものから、医薬品の認可、臨床試験、遺伝子診断、EBM(科学的根拠に基づいた医療)などがあります。

  • 医師と患者へのアンケート調査・冊子の発行:90年、94年、98年、03年の乳がん治療状況をアンケート調査し、95年、99年、04年にそれぞれ冊子として自費出版しました。04年発行の『乳がん治療に関する病院アンケート』では、乳房温存療法が53.2%となり、乳房切除術を越えたことが初めて数字で示されたことで、日本全国の新聞、テレビなどで大きく取り上げられました。施設によって、基準も治療法もばらばらであること、とりわけ抗がん剤などの薬物療法にそれは大きく現れていることも明らかになりました。また、何人もの乳腺外科医が、「最終的に治療法を決めるのは患者自身」であり、「温存手術をするにあたっても、ただ残せばよいのではなく、整容性を重視する」とコメントしています。98年の調査では「患者が生半可な知識をもつのはいかがなものか」「美容的効果にこだわって温存に固執するのは危険」などと書かれていたことを思うと、医師の意識が大きく変わっていることに驚きます。今後もこのようなアンケート調査は、患者への情報提供としてリニューアルしていくことが必要と考え、実施する予定です。

  • 本の出版:『乳ガン・乳房温存療法の体験』(93年)を初めとして、『私が決める乳ガン治療』(97年)、『乳がん あなたの答えがみつかる本』『患者が学ぶ臨床試験』(02年)、『再発後を生きる』『再発・転移の話をしよう』(03年)を出版社から、また『乳がん治療・日本の医療 イデアフォー講演録』、冊子『がんの痛みはどこまでとれる?』を自費出版しました。今年の総会講演録も冊子として発行します。

  • ホームページでの情報提供:担当者が常にリニューアルしています。リンクの依頼に関しても、世話人会で協議し、決定しています。

今後の課題

会の設立当初、日本で乳房温存療法が50%を越えたら、イデアフォーの役割は終わる、としていました。しかし、平均は50%であっても、実際には0%から100%のばらつきがあったことを考えると、地域差、施設差、個人差はまだまだ大きく、いまだ公平な治療が行われているとはいえません。役割が終わったわけではないことを実感しています。

また、孤独になりがちな再発患者にとって、再発おしゃべりサロンでの情報交換は貴重であり、気のおけない会話は元気のもとになります。このような場を提供していくことも私たちの役割です。

一方、2回のがん患者大集会から始まり、情報センターの開設、各地方での拠点病院の設定など、がん患者のまわりの状況は大きく化してきています。さまざまなジャンルで患者会が取り上げられ、保険やかつらなどの企業も患者会にコンタクトをとってきます。気持ち悪いほど患者にシフトしている状況に、実は少し不安を感じます。

かつて「21世紀は患者の時代です」と言っていた世話人がいました。21世紀をみることなく乳がんの再発で亡くなってしまいましたが、彼女の予想どおり、今は「患者」がもてはやされる時代になりました。でも、「患者主体」という言葉のかげに、責任も自分で負わねばならないということも隠れています。「患者さま」という病院が医療事故でニュースに出てきたりします。リップサービスが欲しいわけじゃない、患者は本当に自分にとってよいと思える医療を受けたいのです。

そのためには、医療を提供する側が、全ての情報を示すこと、全ての患者の疑問に答えること、患者がわかるまで説明することが必要となります。でも、今の医療システムでそこまで望むのはむずかしいといわれています。では、どのように変えればいいのか、よりよい医療を受けるために患者はなにをしていけばいいのか、を患者会が提案していくことも今後の役割だと考えて、イデアフォーは活動していきます。

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