イベント・メディア向け情報イベント・メディア向け情報

青木会長、定例記者会見

青木会長が定例記者会見

―「日本の経済と世界の医療に貢献する産業を目指す」―

2006/12/04

製薬協の青木初夫会長は、2006年11月20日に東京で定例記者会見を開き、製薬産業は、日本のリーディング産業として優れた創薬科学技術をベースに医療消費者の健康と福祉の向上に努め、日本の経済に貢献するとともに、世界の医療に貢献することを目指していくことを強調しました。政府が行ってきている医薬品産業育成政策を評価しながらも、今後は、新薬承認審査体制と薬価制度の見直しと、そのための政府と産業の話し合いの場の設置を要望しました。また、製薬協加盟企業の連結中間決算速報集計についても説明しました。

青木会長は、経済財政諮問会議による産業成長戦略大綱に医薬品・医療機器産業の国際競争力の強化が明記されたことをはじめ、バイオテクノロジー戦略大綱や知的財産戦略、さらに科学技術基本計画、医薬品産業ビジョン、イノベーション25など、国際競争力が求められている医薬品産業の育成政策を高く評価しました

一方、製薬産業の成長の源泉とも言うべき新薬の創出のプロセスについて、わが国は、欧米に比べ、臨床治験の費用も高く、期間も長いことを説明しました。特に審査期間については、近年短縮化傾向にあったにもかかわらず、最近、また遅くなってきていることに懸念を表明しました。その対策として、臨床研究への予算配分の大幅な増額や臨床研究のための人材育成などの基盤整備、臨床研究の中核センターや拠点病院を整備する医療機関の治験体制の改善、そして審査官の大幅な増員による治験相談・審査の充実と迅速化を要望していると説明しました。

また、薬価については、新しい薬を出すために多くの投資と膨大な作業が必要であることから、新薬の評価はイノベーションを充分に反映したものであるべきと強調しました。また、日本の場合は、特許期間中でも薬価が下がってしまうとともに、実勢価格主義を逸脱する引き下げルール、改定時の予算上の措置による根拠のない引き下げなどがあることを批判しました。これらの点を改善し、競争力を強化し、成長産業として投資ができるようにしたいと述べました。さらに、研究開発優遇税制についても、控除限度額および控除率の引き上げを要請しました。

このような問題意識の上、医薬品産業の振興は医療政策のあり方と密接に関連していることから、医療提供の仕組みを含めて考える場が必要と述べました。単に厚生労働省だけでなく、文部科学省、経済産業省など、国を挙げての政府と産業の対話の場を考えていくべきと強調しました。

中間決算については、製薬協加盟の売上1000億円以上の13社の連結決算について集計したものを次のように発表しました。

平成18年3月中間期決算概況については、国内売上高は停滞しましたが、好調な海外売上げに起因し売上高は増加しました。医療用医薬品へのさらなる集中により、自社品売上げの伸張によって、粗利は増加したものの、研究開発費が大幅に増加したため、営業利益、経常利益はともに減益となりました。また、当期純利益につきましては、事業譲渡等による特別利益の増加と、事業再構築等により、特別損失は減少しましたが、移転価格税制に基づく更正処分に関する追徴税計上という特殊要因が影響し、経常利益の減少率を下回る結果となりました。通期業績見込みは、売上高については前年比2.0%の増収が見込まれております。利益につきましては、経常利益で0.6%、当期純利益で5%の減益が予想されています。

質疑応答

Q.
あるべき薬価制度について検討中と言われたが、現在、どのように考えているのか。また、今後どのように意見集約をしていくのか。
A.
意見集約のスケジュールはまだ決まっておりません。具体的アイディアも出ていません。薬価制度につきましては、個人的な考えですが、知的財産権である特許で守られている間は、できるだけ新製品から利益を得て、次に投資をしていくことが必要と考えています。特許が切れ、知的財産権による保護がなくなった場合には、薬価を下げるということではなく、後発医薬品の使用が進展し、結果として売上げが下がるということはやむを得ないと思っています。これはアメリカを始め世界的な市場で見られることであり、これに対して阻止しようとは全く思っていません。知的財産で守られているときと、知的財産権による保護を失った段階というのを、はっきり分けて考えたいと思っています。
Q.
有効で安全な医薬品の迅速な提供の検討会で、厚労省からは審査期間が長いのは製薬企業の持分が長いのであって、審査側の持ち時間は短いといっているが、それについてどのように考えるのか。
A.
ある特定の分野の薬剤について分析をしたところ、そのような結果になったという話があったと聞いております。しかし、これは、やや特殊な薬であったので、一般的な医薬品について、今後分析していかなければならないという議論になったと思っております。
審査期間が長いことについては、厚労省の責任とか、企業側の責任とかを言うのではなく、薬をできるだけ早く市場に出して、患者様に届けようということについては、双方の目的意識は一致していると思われます。
Q.
今年の夏に厚労省は、ワクチン産業ビジョン案を出しましたが、これに対して製薬協からコメントはされたのでしょうか。
A.
特に公的な意見表明はしていません。ただし、各社の間で私的な議論をしている中では、ワクチンは大切ですし、感染症の蔓延などで国境の閉鎖などになったときには、国民の健康を守るのは、日本では、日本がベースの会社であろうということになっており、これから取り組んでいくつもりです。今度の産業ビジョンの中でも議論の対象となっていくと思っています。
Q.
製薬協としても前向きに考えていくということですか。
A.
そのように考えています。
Q.
業界を超えることですが、来年度から三角合併が解禁されて、海外からのM&Aがしやすくなるが、製薬協として買収の脅威はどのように感じていますか。また、経団連が、何らかの制限の動きを見せ始めておりますが、それに対して製薬業界としてはどのように考えていますか。
A.
製薬協会長の意見ではなく、個人の意見ですが、時価総額からいうと日本の会社はそれほど大きなものではなく、マルチナショナルな大手がいったん買収しようと思えば、別に三角合併でなくても、手持ちの資金で買収できる状況です。なお、それに対する防衛手段については、製薬協が考えるのではなく、各社がそれぞれ考えるべき問題と思っております。経団連の動きにつきましては、我々も経団連の一部ですから、経団連で決められたことに対しては、経団連のメンバーとして振舞うべきと思いますが、だからといって、どこの会社も、同じようなポイズンピルを用意してというのではないと思います。会社の規模、事業展開、得意分野によりずいぶん戦略は変わってくると思います。
Q.
中間決算の概況は、今回も国内が厳しく海外比率が高まっており、また、研究開発費も非常に高くなっておりますが、海外比率が高まり、研究開発費が増えていくという傾向は今後も続いていくと考えていますか
A.
この傾向が急速に改まるという兆候はないと思われます。
研究開発の方法論が突如近代化して新薬がどんどん出てくるということもないと思われます。したがいまして、苦しい状況は続くと思われます。そのなかでインハウスとライセンスの研究とを組み合わせて、早くいい製品を出すところが勝ち残ると思われます。全部がそろってよくなるという時代ではないと思います。

以上
(文:広報委員会メディア・オピニオンリーダー部会 根本正樹)

このページのトップへ

  • キャンペーン
  • 製薬協ニューズレター メールマガジン登録はこちらから
  • くすり研究所
  • 治験について
  • グローバルヘルス
  • Stop AMR 薬剤耐性に対する製薬協の取り組み
  • APAC
  • くすりの情報Q&A
  • 製薬協のテレビCM