政策セミナー「グローバル時代にふさわしい医療のあり方を探る」開催
「グローバル時代にふさわしい医療のあり方を探る」をテーマに | ||||||||||
2006/3/13 | ||||||||||
製薬協は3月4日、都内のホテルで第16回政策セミナー「グローバル時代にふさわしい医療のあり方を探る」を開催しました。
日本の医療は世界的に質の高さがよく知られていますが、国内完結型となっています。一方、シンガポール、中国、韓国などアジア各国は近年、医療の急速な進歩とともに、治験や臨床研究の環境整備を着々と進めていますが、これらの国々は、わが国を通り越して直 セミナーでは、冒頭製薬協青木初夫会長が上記趣旨を踏まえた問題提起を行い、それを受けて、NHK解説委員 飯野奈津子氏の司会の下、各界を代表する下記5氏のパネリストによる活発な討論が行われました。
続いて矢崎氏は、医療提供者の代表として「これからの医療と期待される医薬品」について、これまでの現物支給による医療提供体制は市場での競争が生まれにくいこと、医療行為そのものを評価する報酬になっていないなどの問題点を指摘し、世界で貢献できる医師を増やすためには、NGOなどでの活躍が医師のキャリアになる評価が課題と述べました。 尾身氏はWHOで感染症対策で活躍されている経験から、タイ、マレーシアなどアジアの国々でもインターネットはすでに拡がっており、欧米とのネットワークでは日本よりも太いパイプで結ばれていることを紹介、今後の日本の課題として人間医療学を習得したプロフェショナルとしての医師の自律性が求められていることを強調しました。 阿曽沼氏は行政の立場から、日本の医療提供体制は国民皆保険制、自由開業医制、出来高払制、現物支給などにより支えられてきた。このシステムはWHOでも世界で最も優れていると評価しており、間違いではなかった。しかしグローバル化の進展とともにパラダイムシフトが求められており、どのように変更させてゆくべきか、社会保障の給付と負担の国際比較より国民的コンセンサスが必要であることを強調しました。 竹中氏は医薬品産業を代表する立場から、医薬品産業の置かれている地域別トレンドを分析し、日本の製薬産業の行方について選択肢を紹介しました。治療満足度の低い疾患はまだ数多く存在し、革新的新薬を継続的に上市することがグローバル企業として期待されており、アステラス製薬では、「先端・信頼の医薬で世界の人々に貢献する」というビジョンを掲げていることを紹介しました。 最後に討論の司会をおこなった飯野氏より、日本の国内の医療がグローバルになるためには日本に在住する外国人にも開かれた医療機関を増やし、広い視野をもって対応してゆくことが期待されていると締めくくりました。 本政策セミナーの詳細は製薬協ニュース113号に解説記事として掲載するとともに、製薬協の広報誌"Capsule"でも特集報告を発刊する予定です。 以上
(文・広報委員会コミュニケーションツール部会 岩本富幸) |