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平成18年年頭ご挨拶

日本製薬工業協会 会長 青木 初夫


明けましておめでとうございます。平成18年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年のわが国製薬産業は、売上げの面では、薬価改定の狭間の年だったこともあり、国内売上げがわずかながら回復し、海外売上げが引き続き好調だったこと、利益面では事業再構築等の企業努力が寄与したことなどによって、全体としては増収増益の基調を維持しました。しかし、業績の二極化傾向が鮮明になってきていることに加え、これまで好調だった米国市場をはじめとする海外市場にも、医療費抑制や医薬品価格規制強化などにより、楽観を許さない状況となっています。

国内の状況を振り返りますと、昨年末に決着した平成18年度薬価改定の内容は、市場実勢価格に基づいて改定するというルールをまたもや逸脱し、長期収載品の特例引下げと引下げ率の拡大並びに遡及適用が行なわれることになりました。これは、財政対策のためとはいえ、将来に大きな禍根を残したことであり、非常に遺憾であります。

一方、新規収載品の薬価算定については、加算率の引き上げと加算要件の一部緩和、それに新薬収載時に企業が薬価算定組織に直接意見表明する機会が与えられるなど、一定の改善が図られました。これは、われわれが強く求めてきた「イノベーションの価値に見合った薬価」の実現への一歩になるものと期待されます。しかし、これが単なる絵に描いた餅にならないよう、今後、本当に実効性を発揮することになるのか見守ってまいりたいと思います。

研究開発の促進については、大学研究機関の独立行政法人化が進められる一方、産学官の協力体制が整いつつあるなかで、治験体制の整備については、全国治験活性化3ヵ年計画が進められてきたにもかかわらず、わが国の治験は依然としてスピード、質、価格等の面で世界に遅れをとっています。シンガポール、中国、韓国などアジア諸国は治験や臨床研究の環境整備を急速にすすめており、わが国の治験の空洞化をはじめ、創薬の場としての競争力の低下が懸念されています。

このような状況を改善するためには、厚生労働省をはじめ関係者がわが国の治験体制の整備に一層の努力を続けるとともに、欧米優先の開発から日米欧三極同時開発を目指して、わが国がアジア地域の臨床研究体制の核となるよう指導力を発揮していくことが必要と考えております。

また、一昨年4月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構が発足し、医薬品承認審査体制の充実と迅速化が図られる筈でした。しかし、審査基準の透明化や審査スタッフの増強など依然として多くの課題が残されています。今年こそは、このような課題を解決し、研究開発投資とイノベーティブな新薬創出サイクルが機能するような体制が整備され、研究開発型製薬産業として世界の医療に貢献できる展望が開けることを切に願っています。

患者中心の医療を求める動きは、患者の権利意識の向上やITによる医療情報伝達の多様化とスピード化などにより大きな流れとなっており、医薬品情報の提供など製薬産業の役割が問われています。これらに応えるため、昨年発足した「日本慢性疾患セルフマネジメント協会」の活動に協力し、慢性疾患セルフマネジメントプログラムの普及と定着に協力していくほか、患者会や医療消費者との対話をはじめとする更なる広報活動を通じて、製薬産業に対する国民の理解を深めていくことが必要と考えています。

世界に目を転じると、医薬品アクセス問題、知的財産権、感染症対策、WHO並びに途上国政府との官民パートナーシップなど重要課題が山積しています。わが国製薬産業も国際化の進展とともに、研究開発型製薬産業として、医薬品アクセス問題や偽薬問題など新たな国際的課題への対応が求められており、IFPMAと協力して一層の国際連携と協力を進めることが必要です。

このような多くの課題がある中で、研究開発型製薬企業の団体として製薬協の役割は益々重要になっています。

最後になりましたが、本年も会員会社の方々をはじめとしまして、医療関係者の皆様の当協会に対するより一層のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

以上

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