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日本二分脊椎症協会

日本二分脊椎症協会は、1974年に「全国脊椎披裂症児を守る会」として発足し30周年を迎えました。現在では全国に36の支部を持ち、多彩な活動が行われています。会はまだ多くの課題を抱えており、その活動内容について、会長の鈴木信行さんに投稿をお願いしました。
日本二分脊椎症協会会長 鈴木信行

日本二分脊椎症協会の概要・目的

日本二分脊椎症協会は、二分脊椎症に関する互いの情報交換や交流を目的とした全国組織の患者会です。会員数は、二分脊椎症患者とその家族による会員が約1900名、私たちの活動に賛同してくれる医師や企業による協力会員が約100名(社)ほどいます。全国に36の支部を持ち、本部の活動のみならず、支部独自の活動も多彩に行われています。二分脊椎症者やその家族により運営されており、会員の会費は400円/月~1000円/月(支部により設定)となっています。

二分脊椎症とは?

二分脊椎症とは、妊娠初期の段階で胎児の脊椎の形成がうまくいかず、様々な症状を生じる疾患の総称です。約3000人に一人の割合で出生してくると言われています。二分脊椎症者の主な症状としては

  1. 脊椎内の脊髄が体外へ漏れ感染症を引き起こす
  2. 脊髄機能(神経)が働かず下半身不随になる
  3. 脳脊髄液の循環不順により水頭症になる
  4. 下肢の感覚がなく褥瘡になりやすいなどがあり、それら以外にも頭から足まで様々な症状が表れます。
脳神経外科、整形外科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、心理科などトータル的な治療や経過観察が必要になるとともに、各科において適切な処置を適切なタイミングで実施していくことが命をつなぐ重要な鍵であり、会員にとって医学や薬に関する情報は不可欠となっています。

協会発足の経緯

1974年にある二分脊椎症の親のコメントや写真が大手新聞に紹介され、それがきっかけで翌年に「全国脊椎披裂症児を守る会」として発足しました。その後、医学的に疾患名が二分脊椎症に統一されたことや、会の運営に親ばかりではなく二分脊椎症本人も加わるようになったことなどより「日本二分脊椎症協会」と改名し、現在に至っています。

活動内容

活動内容は会員・協力会員に向けた活動が主でありますが、会の啓発活動や二分脊椎症の子どもを出生して間もない親へのサポートなど、幅広く取り組んでいます。

  1. 会報の発行:年数回、会員・協力会員向けに会報を発行し、医療、福祉、生活などに関する情報を発信しています。
  2. 行事の開催:年数回、会員・協力会員向けに医療講演会や交流会などを開催し、情報の共有やコミュニケーションを図る場を提供しています。
  3. Webの公開:ホームページを立ち上げ、様々な情報を発信しています。
  4. 活動拠点の運営:二分脊椎症に関する情報が集約できるように活動拠点を設け、毎週1回担当者が在室しています。 (〒173-0037東京都板橋区小茂根1-1-10心身総合医療療育センター内SB室日本二分脊椎症協会電話・FAX033974-1800、電話は火曜11時~15時のみ)
  5. 行政との意見交換:年1回、厚生労働省、文部科学省と意見交換を行い、二分脊椎症に関する施策や、国の政策に取り入れる検討などをいただいています。
  6. 本・絵本の発行:二分脊椎症患者やその家族が、二分脊椎症を理解するためのガイドブック「二分脊椎(症)の手引き」を発行し、一般販売しています。また、子どもが必要となる知識を描いた絵本「やったよできたよじぶんでおしっこ」を日本製薬工業協会より資金的ご援助をいただき、現在製作中です。

課題

(1)協会の運営上の課題
・活動予算の課題:運営資金は会員の会費に大きく依存しています。しかし、健常の方に比べ医療費や生活費の負担も大きく、一方で就労できない方にとっては会費も大きな負担となる場合もあります。今後は寄付などを含め、幅広く資金提供を受けるために広報活動を広げていきたいと考えています。
・マンパワーの課題:運営は、二分脊椎症者とその家族が行っています。しかし、普段の生活を過ごすだけでも体力的な限界となる二分脊椎症の方や、障害を持った子どもの育児だけで精一杯の家族にとって、会を運営する時間や力を注ぐのは難しいのが現状です。多くの会員が少しずつ運営に関わる体制に改革している段階です。

(2)二分脊椎症を取り巻く課題
・葉酸摂取に関する課題:二分脊椎症の予防には、妊娠前からサプリメントによる葉酸摂取が効果的であることを厚生労働省から2000年に通知していただきましたが、その情報が若い女性にほとんど周知されていません。製薬メーカーとタイアップした広報活動が必要と考えています。
・医療技術の地域・病院差の課題:二分脊椎症の治療にあたっては医師に高度な情報と技術が求められていますが、国内外においていわゆる医療格差が大きく、日本においてもいまだ数十年前の医療を実践する医師さえいます。全国各地に支部を結成し、患者側が医療に関する情報を的確に把握し、医師と対等に話ができる環境整備をする必要があると考えています。
・出生前診断に関する課題:現在、様々な出生前診断により妊娠期において胎児の二分脊椎症が判明するようになっています。それは、安易な中絶や水面下における違法行為などにつながりつつあり、命の重みに関する日本の節度が問われてきています。日本で進む教育制度改革に、生命倫理の側面を盛り込んでいく必要があると考えています。

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