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未承認薬等開発支援センター(PDSC)設立から一年


未承認薬等開発支援センター(PDSC)設立から一年
未承認薬等開発支援センター 専務理事 吉野卓史 氏
日本製薬工業協会 常務理事 仲谷博明 氏
解説講演(要旨)

 6月22日、日本橋サンスカイルームにて製薬協メディアフォーラムが開催されました。製薬協の仲谷博明常務理事による「未承認薬問題等の解決に向けて」についての講演後、未承認薬等開発支援センターの吉野卓史専務理事より「未承認薬等開発支援センター設立から1年」と題して講演がありました。


●講演1 未承認薬問題等の解決に向けて
日本製薬工業協会 常務理事 仲谷博明


製薬協
仲谷 博明常務理事

・日本における研究開発の現況と未承認薬の現状
新薬の研究開発には多くの時間と資金を必要とし、その成功確率は約2万分の1という低い状況にあります。しかし、日本オリジンの革新的新薬は大幅に増加し、世界での売上が5億ドル以上の製品202品目中20品目が日本オリジンの製品であり、日本は世界第3位の新薬創出国として世界の医療に貢献しています。また、現在は開発品目の約40%がアンメット・ニーズの高い疾患を対象にしています。
 一方、日本には未上市品目が多く、世界売上の上位100品目のうち20品目以上が発売されていません。世界初上市から日本上市までのタイムラグは約4年となっており、米国、英国など他国と比べてタイムラグが大きい状況になっています。開発期間が長い、審査期間が長いといった要因もありますが、タイムラグの最大の要因は、国内での治験着手時期が遅いことにあります。
・「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の導入
 国内での開発促進を促す環境整備として、本年4月に「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」が導入されました。一定の要件を満たす新薬の薬価引き下げを一時的に緩和することによって企業の開発コストの回収早期化を図り、適応外薬等の問題の解消を促進するとともに革新的な新薬の創出を加速させるという趣旨です。
 未承認薬・適応外薬の開発については、未承認薬使用問題検討会議において治験開始が必要とされた44成分のうち2009年3月時点で治験未着手の14成分(以下、14成分)について、未承認薬等開発支援センターにおいて開発企業の選定、支援を行ってきました。さらに、2009年6月から8月までの公募で学会や患者団体から開発要望のあった374件のうち、医療上の必要性が高いと評価された109件については、本年5月に国から製薬企業へ開発要請または公募が行われました。
 「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は2年間の試行期間で導入された制度ですが、未承認薬・適応外薬については、開発の成果を示すことによって評価されると思います。新薬創出効果については2年間で確認することはむずかしいですが、課題を克服して新薬価制度が恒久的制度として導入され、患者さんが求めている薬を届けることにつなげていきたいと考えています。

●講演2 未承認薬等開発支援センター設立から1年
未承認薬等開発支援センター 専務理事 吉野卓史


未承認薬等開発支援センター
吉野 卓史専務理事

・未承認薬等開発支援センター(PDSC)の設立と事業内容
 PDSCは2009年5月29日に設立され、6月15日に業務を開始し、1年が経過しました。製薬協の会員会社68社からの会費(年間3億1,000万円)で運営されています。役員は学識経験者などから構成され、常勤のセンター員6名で運営しています。
 PDSCは、開発企業に対する未承認薬等の研究・開発・生産における専門的支援、開発企業の行う承認取得に関する各種業務の支援を行っており、ベンチャー企業や大学病院医師などからの相談に応じています。また、未承認薬の開発等に必要な資金の補助を行っています。さらに、2009年8月には、厚生労働省による「未承認薬・新型インフルエンザ等対策基金」の管理団体業務が加わりました。基金には未承認薬等開発支援事業のほか、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業、承認審査迅速化事業があります。
 PDSCは、初年度は事業目的を実現するため、国の基金の管理団体としての体制整備に取り組みました。開発支援業務としては、未承認薬14成分の開発企業からの問い合わせや開発計画に対する助言、国による開発要望の公募に関する問い合わせ等に随時対応しています。
・未承認薬等開発支援助成
 厚生労働省の基金事業では2009年度から2011年度まで3年間で約100億円の助成原資があり、治験薬購入費、治験費用などの経費が助成対象になります。
 PDSCとしての助成は年間2億5,000万円の予算枠で運営しており、原則として1成分上限5,000万円を基準にしています。PDSCの助成は、厚生労働省の基金事業の対象外となる経費(申請前相談料や申請費等)を助成対象経費としています。このように、未承認薬等の開発企業には、PDSCが窓口となって、厚生労働省の基金からの助成金と、PDSCの資金からの助成金の二本立てで交付がなされます。
・助成対象品目
 これらの助成金は未承認薬14成分を対象にしていますが、現在までに14成分のうち9成分について12億円の助成金を交付しました。助成金基準額は各企業から経費見積書を入手し、積算して算出していますが、人件費などの基準が各社で統一されていませんので、詳しく調査して不公平がないようにチェックしています。
 また、公募で要望があり医療上の必要性が高いと評価された109品目のうち開発企業を公募している品目が17品目ありますが、これらについては国の助成金がありません。検討会議において医療上の必要性の検討が終わっていない未承認薬・適応外薬が129品目あります。これらの品目を助成対象に加えるかどうかは、今後、製薬協とPDSCで協議していく予定です。


以上が今回のフォーラムの要旨でした。

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