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薬価制度改革―新薬創出・適応外薬解消等促進加算の試行的導入―


薬価制度改革―新薬創出・適応外薬解消等促進加算の試行的導入―
日本製薬団体連合会 保険薬価研究委員会  長野明 委員長及び禰宜寛治 副委員長
解説講演(要旨)

 2010年3月25日(木)、日本橋サンスカイルームにて「薬価制度改革-新薬創出・適応外薬解消等促進加算の試行的導入-」をテーマに製薬協メディアフォーラムが開催されました。2010年度に試行的に導入することが決定された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」について、導入の経緯や本格導入に向けて取り組むべき課題等について、日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会の長野明委員長および禰宜寛治副委員長より説明がなされ、その後、質疑に答えるという形で進められました。以下に当日の講演内容と質疑の一部を紹介いたします。


●薬価制度改革案について


長野明委員長

 現行の薬価制度では、原則2年に1度、市場実勢価の加重平均値に2%の調整幅をオンすることにより薬価が改定されているが、流通取引の中で形成された実勢価に基づく薬価改定の場合、競争相手のない新薬についても、薬価収載後の初回の改定から薬価が下がるものが多く見られる。
 日薬連をはじめとする業界団体では、それが日本におけるドラッグ・ラグの一つの要因であり、新薬を創出するためにもイノベーションの適切な評価が必要であると訴えてきた。製薬協においても「薬価問題検討タスクフォース」が設置され、日本における革新的な新薬開発を促進するための議論が行われてきた。そのような経緯を経て新薬創出・適応外薬解消等促進加算が導入されたが、その注目すべき点は、研究開発型製薬産業の今後の進むべき方向性が示されたというところにある。創薬へのいっそうの取り組み強化の方向性が明確になることにより、わが国の製薬産業の国際競争力強化につながるとともに新たな治療薬を待ち望む患者さんにとって朗報となるものと考えている。

●“新薬創出・適応外薬解消等促進加算”の理解促進に向けての取り組み


禰宜寛治副委員長

 業界全体の取り組みとして、関係者一人ひとりがこの制度を確実に理解したうえで、流通改善にも努めなければならないと考え、製薬協・日薬連加盟会社のトップに制度の理解と流通改善についての説明を行っている。製薬協については、流通適正化委員会の委員に会員会社内におけるリーダーの役割を期待しており、日薬連の流通問題連絡会でも、導入に関する理解をお願いすると同時に、公取協の流通適正化研究委員会でも説明している。実際には、MR等が各担当先に説明していくことになるが、会員会社で同じレベルでの理解が必要であるとして、MR研修のための資材を作成した。これは、卸さんへも提供しており、MSの研修にも利用してもらう予定である。また、卸連との連携も進めており、庄田製薬協会長(当時)と別所卸連会長との対談も実現した。対談内容については「卸薬業」に掲載されている。
 併せて医療機関に対して理解を求めていく活動も大切であると考えており、「日本医師会雑誌」「日本病院薬剤師会雑誌」「日本薬剤師会雑誌」「日本醫亊新報」の四誌にも意見広告を掲載する。さらにMRによる情報活動のためのリーフレットを作成し、活用することにより理解を求める活動を展開していく。
 一方、行政からは、3月5日に医政局長名で「平成22年度薬価改定に伴う医療用医薬品の流通について」という文書が発信され、その中で、新薬創出・適応外薬解消等促進加算についての理解を求める内容のコメントもしていただいている。業界一丸となりながら、それぞれの関係者に対し、確実に説明していくことで理解を図っていく。

●質疑応答

今回の制度改革で積み残した課題について
 市場拡大再算定については、制度について全面撤回を求めている。仮に存続するにしても、その適用において議論が不十分だと感じている。
 保険医療上不可欠な医薬品についても、維持特例の対象とすべく制度提案してきたが、審議未了となっている。
 後発品収載後の先発品の薬価のあり方、後発品の薬価のあり方、特例引下げの是非をきちんと議論して結論を得るべきだと思っている。
 また、薬価収載時における薬価算定については、さらなる改革を求めていき、ドラッグ・ラグを解消させるよう、新薬に対しての加算等の検討を提案していきたい。

今回の新薬創出加算の対象品目について妥当と考えているのか
 妥当か否かは判断のむずかしいところであるが、ほぼ想定したものに近い内容となっている。

外資系製薬企業の品目が多いと感じるが、一般の人に対し、革新的な新薬を作っているのは外資だけだという印象を持たれはしないか
 この5年間くらいの薬価収載品目をみると外資系製薬企業の収載品目数が多かったということであり、その結果がここにも出てきていると思っている。

加算の対象とする基準として市場全体の加重平均乖離率を使うことの妥当性について
 「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は加算の対象基準として市場全体の加重平均乖離率が採用されている。その考え方については妥当性があると考えているが、本格導入に向けては改めて議論の一つになるのではないかと考えている。
 各社が競って開発資源を投入している領域よりも、小さな領域の医薬品がこの制度の対象になりやすいのではないかと思っている。この制度により、全体的な価格の高騰に結びつくとも、競争が阻害されるとも思っていない。

新薬創出加算700億円が各製薬協加盟会社に与えるインパクトについて
 薬価改定で下がるだけのルールに変化が起きた、つまり今回の制度の対象になったら薬価が下がらないという突破口ができたと思っている。また外資系製薬企業の場合、日本での早期開発をトップに説得する武器になるのではないかと感じている。

新薬創出加算ができたことにより、現場における情報提供活動は変化していくと思うか
 客観的な医薬品情報の提供および安全性情報の収集・提供が、製品の価値・評価につながると思っている。まさにMRの活動が変わるチャンスであるし、変わらなければこの制度が活きてこないと思う。


以上が今回のフォーラムの要旨でした。

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