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創薬研究の発展に寄与する基盤研


創薬研究の発展に寄与する基盤研
―医薬基盤研究所の設立背景と将来展望―
医薬基盤研究 山西弘一理事長
解説講演(要旨)

 2006年2月16日(木)、東京・竹橋にて製薬協メディアフォーラムが多くのジャーナリストを迎え開催されました。今回のテーマは『創薬研究の発展に寄与する基盤研』。昨年4月1日、大阪・茨木市「彩都」に建設・設立された独立行政法人・医薬基盤研究所の山村弘一理事長が、まもなく一周年を迎える基盤研の現状と将来展望について講演されました。近年の日本は生活習慣病やアレルギー疾患、新型インフルエンザ、SARSなどの新ウイルス出現などに対し、迅速な予防薬・治療薬の開発が求められています。基盤研の使命は自らの研究のみならず、産学官連携の橋渡しとして、他の研究機関を支援する全国的広がりをもった組織としての役割を担っています。その詳細が解説されました。


●医薬品開発に関する基盤技術の推進の拠点
 基盤研の本所は大阪・茨木市「彩都」にあり、茨城県・筑波地区に二つのセンター、また北海道・名寄、鹿児島県・種子島、和歌山県には薬草研究のセンターと、全国にまたがっています。当面のミッションとしては創薬支援にかかわる部門を規制部門から分離し一元化すること、BT戦略大綱に基づき、生物資源部門の集約と統合をすすめることです。

 具体的には(1)医薬品の基礎研究、(2)生物資源の研究、(3)医薬品等の研究開発振興という3つの柱に、既存の組織である国立医薬品食品衛生研究所、同大阪支所、国立感染症研究所、(独)医薬品医療機器総合機構の各組織から基盤研に必要な部分を移管・統合して設立されています。それらの技術、資源、資金の提供による創薬支援で、最終的ミッションとして、国民保健の向上に寄与し、医薬品産業の国際競争力強化に結びつけることと位置づけています。

●基盤的研究について
 現在は6つのプロジェクトと横断的技術研究として2つのプロジェクトが動いています。医薬品安全予測研究では毒性学的ゲノム研究が、疾患関連たんぱく質研究ではヒト試料を用いた疾患関連たんぱく質の解析研究、有効活用のための基盤技術開発などを行っています。

 免疫・ワクチン研究では新世代ワクチン・抗ウイルス剤開発基盤研究と新世代抗体産生基盤研究が行われています。横断的技術研究としての疾患モデル動物研究では、創薬研究への貢献に向けた疾患モデル動物を開発し、創薬研究の開発に資するものです。また疾患関連遺伝子などを特定するための遺伝子たんぱく質機能の実証的解析が不可欠ですので、遺伝子導入技術の開発と応用の研究が進められています。

●生物資源研究について
 2番目の部門では研究資源バンクとしてのプロジェクトが動いています。医薬品等に関する試験研究に用いるための生物資源の研究です。遺伝子バンク、細胞バンク、小動物バンクを医薬品開発のための研究資源として利用してもらうための、研究資源バンクといえます。

 薬用植物資源研究センターは前述の北海道、筑波、和歌山、種子島で創薬資源として重要性の高い植物について、その積極的な収集、保存情報整備、増殖、栽培、育成に必要な技術などの研究開発を行っています。

 また筑波の霊長類医科学研究センターは、わが国唯一の医科学実験用霊長類センターであり、固体から遺伝子までの医科学研究用霊長類ソースを整備し供給することができるものです。これにより新しい医薬品、医療機器、医療技術の臨床応用に向けたトランスレーショナル・リサーチを支援できるものと期待しています。

●研究開発振興について
 ここでは主に医薬品の開発に関する研究の委託と、成果の普及と、希少疾病用医薬品等の開発進行を担っています。基本方針としては重点課題の呈示、バーチャル・ラボ、人材の発掘、評価の徹底と進行の管理、また説明責任として成果の発表会やシンポジウムの開催をもって成果の普及を図りたいと思っています。

 その柱としては基礎的研究業務をしては、基礎研究として産学官の橋渡しを行い、その連携を図り成果の普及を目指すものです。研究振興業務としてはベンチャーの支援です。ベンチャー企業の資金調達には「死の谷」といわれる資金難の部分があり、その支援を中心として連携、ネットワークなど情報の収集するなどの活動をします。

 また希少疾病用医薬品、つまりオーファンドラッグの開発振興事業でも厚生労働省の助成金交付事業や指導・助言事業、試験研究の認定事業など、官民の橋渡しになり開発支援を行います。


 以上が今回のフォーラムの要旨でした。フォーラムの締めくくりとして、多くのジャーナリストからの活発な質疑応答があり、基盤研の使命、存在の意義など活発に発言が交わされるなど、意義あるひとときとなりました。

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