未承認薬・適応外薬とは

未承認薬とは、海外では有効性が証明され、承認・販売されているにもかかわらず、日本では承認・販売がなされていない薬剤のことです。
そして、適応外薬とは、日本でも海外でも承認・販売されているが、適応症が異なり、日本では一部の適応症に使用できない薬剤のことです。
国内・外の製薬企業が新しく開発した医薬品の中には、米国や欧州各国で承認を受けて販売され、その後に日本に導入されるものがあります。このように、海外で発売された医薬品が日本で販売されるまでの期間のずれは「ドラッグ・ラグ」と呼ばれています。

ドラッグ・ラグの主因は治験着手時期(国内上市品目)

なぜこのような時間差が生まれるかといえば、日本における開発着手・申請が欧米よりもあとになることや、外国と日本では人種、環境、疾患発生率、治療方法などが異なるため、日本国内の患者さんや治療状況に合わせた臨床試験を行い、安全性と有効性を確認する必要がある、などの理由があげられます。

日本の患者さんが、海外で使用されている医薬品を利用できないということは、治療機会の損失であり、多くの患者さんは未承認薬の早い国内承認を望んでいます。

INTERVIEW:早期対応を望む「患者の立場から」

日本の現状―なぜ日本に未承認薬・適応外薬が多いのか―

他国で販売された薬が自国で販売されるまでの平均期間をみると、米国は1.2年、欧州各国では、ほぼ2年以内ですが、日本では4.7年もかかっています。

その原因には、製薬企業における開発着手自体の遅れ、行政機関における新薬承認審査等にかかる時間、臨床試験の実施体制等の基準整備に不十分な面があることのほかに、臨床治験に参加する患者さんの数が十分に集まらない、など様々な問題があります。

これらの問題を解決するためには、それぞれが単独で対応するのではなく、協力して歩調を合わせることが大切です。

世界初上市から各国上市までの平均期間(2007年)
INTERVIEW:「未承認薬・適応外薬検討会議」および臨床の現場の立場からの発言APPROACH:2009年10月7日(水) 第20回製薬協政策セミナーより

未承認薬を一日も早く

未承認薬や適応外薬の問題を解決するために、様々な取り組みがなされています。
厚生労働省は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討された108件の未承認薬・適応外薬について、2010年5月に日本での開発企業の募集・開発要請を行いました。

製薬企業などによって構成されている日本製薬工業協会は、未承認薬等開発支援センターを設立し、承認取得のための専門支援や資金補助を行っています。

また2010年4月の薬価改定において新たに設定された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」によって、製薬企業は研究開発活動に一層集中できるようになりました。
このように、官民一体となった未承認薬や適応外薬の問題解消への活動がなされています。

未承認薬等の開発支援対策
INTERVIEW:製薬業界における取り組みと今後の方向性INTERVIEW:未承認薬等開発支援センターの役割と、今後の取り組み