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製薬協メディアフォーラム 新型コロナウイルスパンデミックで再認識された薬剤耐性(AMR)に対する新規抗菌薬の必要性

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2021年04月05日

報道関係各位

日本製薬工業協会
広報委員会
委員長 大沼 純一

製薬協メディアフォーラム
新型コロナウイルスパンデミックで再認識された
薬剤耐性(AMR)に対する新規抗菌薬の必要性


 謹啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 この度、製薬協メディアフォーラムを開催することといたしましたので、下記の通りご案内申し上げます。今回は「新型コロナウイルスパンデミックで再認識された薬剤耐性(AMR)に対する新規抗菌薬の必要性」をテーマに、国際医療福祉大学医学部教授 松本哲哉先生と東邦大学医学部教授 舘田一博先生よりご講演いただきます。
 お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご出席を賜りたくご案内申し上げます。

謹白


日時:
2021年4月21日(火)17:00~18:00
場所:
室町三井ホール&カンファレンス 「ホール」
東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 COREDO室町テラス3階
https://www.mitsui-mice.jp/nihonbashi/muromachi/access/

※なお、本講演会はWebライブ配信とカンファレンスコールを併設いたします。

内 容:
 
 講演1:
「新型コロナウイルスパンデミックで再認識された薬剤耐性(AMR)の脅威」
国際医療福祉大学医学部教授、日本化学療法学会理事長
松本 哲哉 先生
 講演2:
薬剤耐性(AMR)に対する新規抗菌薬の必要性とその対策
東邦大学医学部教授、日本感染症学会理事長
舘田 一博 先生
 討 論:
コーディネーター
柴田倫人氏 日本医療政策機構(HGPI)シニアアソシエイト
 (終了後、質疑応答)
 

製薬協メディアフォーラム
講演要旨

演題1:
「新型コロナウイルスパンデミックで再認識された薬剤耐性(AMR)の脅威」
演 者:
国際医療福祉大学医学部教授、日本化学療法学会理事長
松本 哲哉 先生
要 旨:
 新型コロナウイルスの感染拡大によって人類が受けた影響は想像以上のものであった。
 すでに1億2千万人以上の方が感染し、270万人以上の方が死亡している。このように新しい感染症が発生して世界を揺り動かして恐怖に陥れたことで、世の中の感染症に対する認識が大きく変わったと言える。新型コロナウイルスは突然発生して、急激に世界に広がったため、大きなインパクトがあった。しかし多くの感染症は継続的に発生し続けたり、地域での流行を繰り返すなど、新型コロナウイルスのように注目は集めなくても人々を苦しめているのも事実である。中でも薬剤耐性(AMR)の問題は時間をかけて深刻になってきており、今後、さらに悪化することが予想されている。どれだけの被害が耐性菌によってもたらされるかというと、ある専門家の報告では、このままの状況が続けば2050年には薬剤耐性菌による死者が年間1000万人に達すると推測されている。すなわち、耐性菌感染による死者数はがんによる死者数を越えて世界の死因のトップになると警告している。また、この数はこれまで約1年間の間に亡くなられた新型コロナウイルス感染による死亡者数の約4倍に相当する。もちろん、上記の予測を現実のものにしないためにも、私たちは耐性菌の課題に真剣に取り組まなければならない。
 耐性菌は抗菌薬の使用と密接な関連があるため、適正に使用する必要がある。特に風邪などウイルス感染が主である場合については、抗菌薬の使用を行わない対応が重要である。また、入院患者においても適切に抗菌薬を使用し、治療効果を高め、耐性菌の出現を抑えることが必要である。しかし、新型コロナウイルス感染症は耐性菌への影響も認められ、肺炎であることで抗菌薬が過剰に投与されたために、耐性菌の増加につながったことも報告されている。
 耐性菌の問題は抗菌薬の適正使用のみで解決できるわけではない。世界各地で新たな耐性菌が出現するとともに、耐性化も高度かつ広域になっているため、それに対応できる治療薬の開発は不可欠である。新型コロナウイルスが今後、ワクチンや治療薬によって収束の方向に向かっていったとしても、薬剤耐性の問題はまだ見通しが立たないだけでなく、むしろ現在よりも深刻になる可能性が高い。本講演では、新型コロナウイルスパンデミックで再認識された薬剤耐性についてお話しさせていただき、皆様の認識を深めるきっかけになればと考えている。


演題2:
「薬剤耐性(AMR)に対する新規抗菌薬の必要性とその対策」
演 者:
東邦大学医学部教授、日本感染症学会理事長
舘田 一博 先生
要 旨:
 1900年代前半のサルファ剤、ペニシリンの発見から20世紀の抗菌薬療法の歴史がスタートし、これまでにβラクタム剤、アミノグリコシド剤、マクロライド剤、キノロン剤など多くの薬剤の発見・合成を通して、我々は抗菌薬による多大な恩恵を享受してきました。今日、150を超える抗菌薬が開発され、化学療法学は医学・獣医学領域のみならず薬学、農学、水産学など広範な分野でなくてはならない学問の1つとなっています。しかし一方で、その応用範囲が広がり、使用量が増加する中で、人類はこれまでにない危機的局面に直面しています。耐性菌の出現とその蔓延の問題です。
 耐性菌問題は病院内だけの問題ではなく、市中・環境・社会、そして地球規模で考えなければいけないグローバルな問題であることが明らかになっています。いわゆる “One Health”の概念ですが、ボーダーレス時代の中で、国境を越えて広がる耐性菌問題に関して世界が連携・協力して対応することの重要性が強調されています。 CDCやWHOの提言はその1例であり、さらに2015年の米国のNational Action Planにおいても耐性菌問題における国際協力体制の確立と強化の重要性が指摘されています。この点に関して本邦も、2013年および2015年のG8サミット(英国 北アイルランド、ドイツ シュロス エルマウ)におけるGサイエンス学術会議との共同声明において病原微生物の薬剤耐性菌問題を人類への脅威として提案し、これに対する対策が急務である旨が採択されました。また2014年には「新規抗菌薬の開発に向けた6学会提言」(“耐性菌の現状と抗菌薬開発の必要性を知っていただくために”)が発表されました。このような中で、2016年4月に関係閣僚会議から「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が発表されたことはご承知の通りです。
 日本は、これまでに感染症治療薬の開発の歴史において大きな功績を残してきました。セファゾリン、クラリスロマイシン、レボフロキサシン、メロペネム、ピペラシリン・タゾバクタムなどの世界標準薬の開発がその代表であり、近年、耐性菌に対する治療薬として注目されているコリスチンも1950年代に日本で見つかってきた抗菌薬です。しかし近年、そのような日本の企業でさえも新しい抗菌薬の開発を中止せざるを得ない状況が存在します。その背景には、新しい標的分子探索の難しさ、莫大な開発費用、臨床試験問題、薬価などいろいろな問題が絡んでいます。ビジネスとして成り立ちにくい抗菌薬開発の問題です。このような中、欧米では「10X20」(2020年までに10の新しい抗菌薬を開発する)などの国家プロジェクトがスタートしています。GAIN法のような新規の感染症治療薬に対する市場独占期間の延長だけでなく、抗菌薬の開発を促進するpull型、push型の資金援助をはじめ、いくつもの戦略が動き出しています。
 耐性菌問題と新しい感染症治療薬の開発には、アカデミア、企業、行政の連携に加えて、世界的な視点での国家間での協調・協力が極めて重要になります。我々、感染症関連学会には上記提言に沿った継続した活動が求められています。近年、米国やヨーロッパ諸国、そしてWHOやCDCなどの国際機関が協調の動きを活発化させています。これまでに培ってきた本邦における耐性菌・院内感染対策の経験、そして多くの世界標準治療薬を生み出してきた創薬の歴史・知識・経験・リソースをどのように生かしていくのか、その責任はさらに大きくなっていると考えておかなければいけません。本発表では、薬剤耐性菌に対する新規抗菌薬の開発の必要性とこれに向けた世界の取り組みをご紹介させていただきご参加の皆様と議論できればと思います。


-本件に関する問い合わせ先-

日本製薬工業協会 広報部 TEL 03-3241-0374

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