くすり(医薬品)は人の命に直接関わるものです。ですから、医薬品は薬事法によって「身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的に病気の診断・治療・予防に使用される物質」と定義付けされ、製造や販売には国の承認や許可が必要となっています。
くすりの分類の方法にはいくつかありますが、大きく医療用医薬品と一般用医薬品(大衆薬・家庭薬)に分けることができます。医療用医薬品は、医師が診断のうえ、患者さん一人ひとりの病気やけがの程度などを判断して処方、または指示し、薬剤師が調剤して使用されます。
医療用医薬品は、20世紀の後半に入って著しい進歩を遂げ、多くの病気から人命を救う手段として医療の現場に提供されてきました。たとえば、結核のような細菌感染症など、治療法もなく死亡率の高かった病気の治療を可能にしたり、胃潰瘍など手術が必要とされた病気がくすりによって治癒できるようになるなど、医療に貢献し、平均寿命の伸長に大きく寄与してきました。
しかしながら、いまだ治療法が確立していない病気がたくさんあります。また、エイズやO-157のようなこれまで知られていなかったウイルスや細菌による感染症が新たに出現するなど、病気とくすりの戦いは今もなお続いています。このような病気に苦しむ多くの患者さんに新薬を届けることが、私たち製薬産業の使命でもあります。
高齢社会を迎え、医薬品に対するニーズと期待はますます大きくなるものと思われます。私たちは、最先端のバイオテクノロジーを駆使し、患者さんごとの遺伝情報をもとに、最も適切なくすりが処方される「テーラーメード医療」なども視野に入れながら研究開発を続けています。そして、一人でも多くの患者さんの命を救い、生活の質を改善できるような画期的な新薬を一日も早く医療現場に届けることができるよう努力していきます。 |