製薬協加盟各社による、治療薬・ワクチンの研究開発の取り組みについて

あ行

アステラス製薬株式会社

  • 日本では、厚生労働省・国立感染症研究所における「新型コロナウイルス感染症の治療に用いる医薬品の基礎的なスクリーニング計画」の協力呼びかけに応じ、化合物を提供しています。
  • 日本人におけるCOVID-19の重症化因子を探索する目的で、日本感染症学会と共同研究を行っています。研究成果は今後のCOVID-19の診断・治療・予防に活用されることを期待しています。
  • 欧州製薬団体連合会(EFPIA)・画期的新薬イニシアチブ(IMI)による「新型ウイルス治療薬の開発を目指した活動」への協力呼びかけにも対応しています。
  • 当社のグループ会社(Astellas Pharma Europe Ltd.)は、欧州で最大規模の、COVID-19に関する課題解決に向けた官民パートナーシップである「CAREコンソーシアム」に参画しています。CAREコンソーシアムは、IMIからの資金提供のもと、COVID-19治療薬の開発をより一層加速させることを目指しています。
  • 米国では、非営利団体であるTransCelerate BioPharma Inc.の会員活動の一環として、当社はCOVID-19タスクフォースに参加し、他の製薬企業20社とともに、COVID-19の感染拡大下において、患者さんの安全とデータ完全性の維持を図りつつ、いかに臨床試験を継続していくかという点について、ベストプラクティスを共有しています。
  • この他にも各国政府からの要請に基づく研究段階にある化合物への提供要請に対応しています。

アストラゼネカ株式会社

新型コロナウイルス感染症の予防薬開発に向けた臨床試験につなげるべく、モノクローナル抗体の同定を急いでいます。研究、臨床、薬事、製造の各分野から、ウイルス学、免疫学、呼吸器、タンパク質工学の専門家が50名以上参画し、新型コロナウイルス感染症の世界的な影響を最小限に抑えるための治療法の開発に最優先で取り組んでいます。

  • 新型コロナウイルスに感染し重症患者化した患者さんでの過剰免疫反応(高サイトカイン血症)に対する「Calquence(アカラブルチニブ)」の効果を評価することを目的とした、国際共同無作為化臨床試験の試験を開始することを発表しています。
  • 米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートと共に、臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性がある新型コロナウイルス患者さんを対象に、「フォシーガ(ダパグリフロジン)」の治療の可能性を評価するため、無作為化国際共同第Ⅲ相試験を開始することを発表しました。心血管、代謝、腎臓のリスク要因を有する患者さんにおいて、新型コロナウイルスによる病気の進行、合併症、および死亡のリスクを軽減させるかどうか評価します。
  • アストラゼネカと英オックスフォード大学は、Jenner InstituteとOxford Vaccine Groupが開発する新型コロナウイルスワクチン候補「ChAdOx1 nCoV-19」の世界的な開発・販売についての提携を発表しました。共同で開発を行い、臨床試験でワクチンが有効であることが示されれば、アストラゼネカが製造や供給を担うことになります。

エーザイ株式会社

  1. 当社は、WHOをはじめ国際機関が主導するACT-Acceleratorの枠組みの中で、新たな治療法の開発を加速するために、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がウェルカムおよびマスターカードと共に立ち上げた、「COVID-19 Therapeutics Accelerator」に参加し、米国スクリップス研究所にて進められるスクリーニングの化合物ライブラリーの構築に、当社が持つユニークな約2,650の天然物化合物ライブラリーを提供しています。同じくACT-Acceleratorの枠組みでのワクチン開発のため、米国VBI社のワクチン候補に添加するアジュバントとしてE6020原薬を提供しました。
    2020年9月には、COVID-19に対する診断法、治療薬、ワクチンへのグローバル・アクセス拡大に向け、ライフサイエンス企業、ビル&メリンダゲイツ財団と共同声明を発表しました。
    https://www.eisai.co.jp/information/2020/pdf/20200930.pdf
  2. 2020年2月に厚労省を通じて日薬連や製薬協に依頼のあった「新型コロナウイルス感染症の治療に用いる医薬品のスクリーニングに用いる原薬の提供依頼について」への対応として、国立感染症研究所へ原薬を提供しました。
  3. アカデミア、外部機関との協働により、当社の保有するアセット・技術を活用した新規治療薬への取り組みを行っています。

MSD株式会社

当社は、抗ウイルス薬やワクチンの開発における多くの経験に基づいて、新型コロナウイルス感染症を研究するチームを擁しており、治療薬やワクチンの開発を加速するための共同の取り組みを、様々な研究機関と協力して行っています。
MSDの米国本社であるMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.がRidgeback Biotherapeuticsと協力して開発した抗ウイルス薬は、世界初の経口投与の新型コロナウイルス感染症の治療薬として、英国や米国に次いで2021年12月に日本でも特例承認され使用が開始されました。また、本治療薬の供給に関する契約を世界各国の政府と締結しており、日本政府とも160万治療コースの調達について合意しています。本治療薬により、患者さんの重症化や入院を防ぐとともに、医療機関の負担軽減にも貢献できると考えています。本治療薬は、新型コロナウイルスに曝露後の発症予防効果を評価する第3相試験も実施しています。
MSDは引き続き、新型コロナウイルス感染症との戦いに貢献できるよう努めてまいります。
 

か行

グラクソ・スミスクライン株式会社

COVID-19の治療薬

GSKはモノクローナル抗体についてVir Biotechnology社と共働しています。

このモノクローナル抗体は、2021年5月に米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可を取得しており、2021年12月にはEUにおける承認を得ています。日本においては、重症化リスクを有する成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児患者での軽症から中等症のCOVID-19治療薬として2021年9月27日に日本において特例承認にて製造販売承認を取得しています。2022年12月までに日本では約19万人の方に投与されました。

アジュバント添加ワクチンの開発

GSKは、いくつかの企業との提携のもと、GSKのワクチンアジュバント技術へのアクセスを提供しています。

ワクチンにアジュバントを添加することでワクチンに対する免疫反応を向上させることができます。そのため、アジュバントの活用により1回の接種における抗原量が抑えられ、ワクチンの生産数量を増やすことができます。ワクチンを大量に生産しなければならないパンデミックの状況下においては特に重要とされます。

提携先企業として、サノフィ社、メディカゴ社、SK Bioscience社があります。

mRNAワクチンの開発

アジュバント添加ワクチンの開発に加え、GSKはCureVac社と共同で、複数のCOVID-19変異株に有効な可能性のあるmRNAワクチンの開発を進めています。2021年に有望な前臨床試験結果を発表し、海外においては2022年に臨床試験を開始しています。

GSKの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み(英語)はこちらのサイトから参照できます。

KMバイオロジクス株式会社

不活化ワクチン開発に向けた取り組み

KMバイオロジクスは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)」に2020年5月に採択され、研究開発分担者である国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所との協業による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不活化ワクチンの開発を開始し、実用化を目指します。2020年8月時点で動物での評価を開始しており、年内の国内臨床試験開始を目標に準備を進めています。さらに今後SARS-CoV-2とは別のコロナウイルスによるパンデミックが発生しても短期間で製造・供給対応できる体制の構築についても科学的に検証します。引き続き研究開発分担者の先生方をはじめ、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)とも密に連携し鋭意取り組んでまいります。また、当社は厚生労働省が実施する「ワクチン生産体制等緊急整備事業[第1次公募]」の事業者にも採択されました。当社が開発を進めている不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、本採択により厚生労働省から交付される助成金を活用し、開発と並行して生産体制の整備も進めてまいります。

弱毒生ワクチン開発に向けた取り組み

AMEDが実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(アカデミア主導型)」において、東京大学医科学研究所 河岡教授が研究開発代表者として2020年5月に採択され、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する弱毒生ワクチンの開発」を開始しています。当社は研究開発分担者として参画し、当社が保有する技術・設備を活用し、非臨床試験用の弱毒生ワクチンの製造を担当します。

ワクチンの受託製造に向けた取り組み

当社は、アストラゼネカ株式会社が日本へ導入する予定の新型コロナウイルスワクチンについて、国内安定供給に向けた協議を進めています。当社はアストラゼネカからワクチン原液の提供を受けて製剤化(バイアル充填・包装)を行い、Meiji Seikaファルマ株式会社が保管・配送を行い、アストラゼネカ株式会社と協力して国内流通に必要な準備を行う予定です。

最新の情報は以下リンクよりご覧ください。
https://www.kmbiologics.com/sustainability/covid-19/


興和株式会社


興和は、学校法人北里研究所と共同研究契約を締結し、感染症治療薬の研究開発に取り組んでおります。北里大学の感染症研究の実績と、興和の医薬品の研究開発に係るノウハウを活用し、治療薬の創薬・創製を目指しております。

取り組みの一例として、ノーベル生理学医学賞を受賞された北里大学 大村智記念研究所・大村智特別栄誉教授より直接のご依頼を受け、イベルメクチン注1(開発コード:K-237)の新型コロナウイルス感染症治療に対する第III相臨床試験を実施しております。イベルメクチンは寄生虫感染症治療薬として、長年に渡り世界の臨床現場で使用されており、安全性が確認されております。また、イベルメクチンはin vitroにおいて抗SARS-CoV-2活性を示し、さらにハムスターを用いた感染実験においても効果が確認されております。イベルメクチンの作用メカニズムとしてはSARS-CoV-2の細胞内への侵入抑制や複製阻害などが報告されており、ドラッグリポジショニングとして新型コロナウイルス感染症治療薬(錠剤)としての応用が期待されております。なお、本臨床試験では、寄生虫感染症治療薬としてすでに承認されている用法・用量と異なっておりますが、臨床試験の中で有効性・安全性を確認いたします。

イベルメクチンを含め、その他可能性のある治療薬についても新型コロナウイルスに対する臨床効果を確認し、いち早く国民の皆様に提供することで、新型コロナウイルス感染症治療に少しでも貢献し、国民の皆様の健康を守っていくことが使命と考えております。
  • 注1 
    イベルメクチン:2015年にノーベル生理学医学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授らが発見したマクロライド系抗生物質です。1993年にフランスで糞線虫治療薬として初めて承認され、本邦に於いても2002年に販売が開始されています。また、オンコセルカ症(河川盲目症)やリンパ系フィラリア症など寄生虫感染症薬として南アフリカを中心に2019年は約4億人が投与を受けています。

さ行

サノフィ株式会社

サノフィのグローバルワクチン事業部であるサノフィパスツールは、過去のSARSワクチンの開発事例を活かして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンの迅速な開発に向けて取組を進めています。サノフィパスツールとGSKが開発中のワクチン候補は、サノフィが季節性インフルエンザワクチンに用いている遺伝子組換えタンパク質をベースとする技術と、GSKのアジュバント技術を活用しています。サノフィパスツールとGSKは、5月27日に両社が開発中のアジュバント添加新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチン候補の、第III相国際臨床試験を開始したことを発表しました。また、サノフィは7月、同ワクチン候補の安全性、有効性、そして免疫原性を評価する第III相国際臨床試験を、日本においても開始したことを発表しました。開発計画が良好に進めば、グローバルにおいては2021年第4四半期の実用化を目指しています。

アジュバント添加COVID-19予防ワクチン候補の開発は、米国保健社会福祉省の事前準備対応次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response: ASPR)内の米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)より資金提供を受け、同局との連携で進めています。
 


塩野義製薬株式会社

当社は、パンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、感染症を重点疾患領域に掲げる製薬企業として、公的機関やアカデミア、パートナー企業と連携し、COVID-19に対する治療薬やワクチンの開発などに鋭意取り組んでおります。

ワクチン開発に向けた取り組み

国立感染症研究所、九州大学(その後、京都大学)と共同で当社グループ会社のUMNファーマが有するBEVS1を活用した遺伝子組換えタンパクワクチンを開発しています。遺伝子組換えタンパクワクチンは、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に、アジュバント(ワクチンの効果を高める物質)を添加して投与されます。遺伝子情報そのものを投与し、体内にて抗原タンパクを合成させるmRNAワクチン等の新規技術と比べて、抗原発現や精製に一定の開発期間を要する一方で、BEVSを活用したインフルエンザ予防ワクチンをはじめ、複数の製品がその効果と安全性を基に承認・実用化されている確立された技術です。
20218月より新製剤での国内第1/2相臨床試験を開始しました。新製剤を用いた本試験では、日本人成人60例を対象に、忍容性、安全性および免疫原性の評価が行われ、本ワクチンの忍容性を確認するとともに、安全性についても大きな問題はみられず、さらに、良好な中和抗体価の上昇を確認しました。現在、国内第2/3相臨床試験を実施中です。本試験は、日本人成人を対象としたオープンラベル試験です。本ワクチンを2回接種した際の安全性および免疫原性の評価を行い、臨床的有効性を検討します。本試験の実施と並行して、国内外での複数の臨床試験の実施に向けた準備を進めています。最終段階の臨床試験は3試験の準備を進めており、国内外で実施する実薬対照中和抗体価比較試験およびブースター試験、並びに海外でのプラセボ対照発症予防試験を予定しています。これらの臨床試験の実施ならびに承認申請に向けては、引き続き、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等と協議を行ってまいります。
臨床試験の実施と並行して、当社はワクチン生産設備の構築ならびに大量生産に向けた製造方法の最適化に取り組んでおります。UNIGEN (原薬製造)、アピ社 (製剤製造) と連携し、20213月末に第1期の工事が完了し、製造設備が完成しました。引き続き、2021年末までに3,000万人分以上の生産体制を整備することを目標に、臨床試験の結果次第では、より多くのワクチンの提供を可能とする生産設備の増強を進めてまいります。
今後も関係省庁と連携しながら、国産ワクチンの早期提供を目指した取り組みを推進してまいります。
  • 注1 
    Baculovirus Expression Vector System:昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術

治療薬開発に向けた取り組み

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターと連携し、新型コロナウイルスに有効な治療薬の研究に精力的に取り組んだ結果、3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を選択的に阻害する低分子経口抗ウイルス薬(開発番号:S-217622)を自社にて創製しました。S-217622は、新型コロナウイルス感染動物を用いた非臨床試験において、ウイルス量を速やかかつ有意に低下させることが確認されています。
2021年7月より開始した国内第1相臨床試験では、現時点では忍容性を確認するとともに安全性に大きな問題は認められておらず、薬物動態についても、目標とする血中薬物濃度を上回る良好な結果が確認されています。この結果を基に、2021年9月27日より国内第2/3相臨床試験を開始しました。本臨床試験では、無症候の感染者あるいは軽症のCOVID-19患者を対象に、プラセボ投与群を対照として、本治療薬(錠剤)を1日1回、5日間経口投与した際の有効性および安全性を評価します。

新型コロナウイルス抗原検査薬および専用測定機器の販売

当社とルミラ・ダイアグノスティクス・ジャパンは、2021年5月24日から日本での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原検査薬「ルミラ・SARS-CoV-2 Ag テストストリップ」および「ルミラ 測定機器」の共同販売を開始いたしました。本検査薬および測定機器は米国、欧州などでも販売されており、鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中の新型コロナウイルスを約12分という短時間で、簡便かつPCR法に近い感度で検出することができます。

重症化診断マーカー測定キットの販売

シスメックスと共同開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における重症化リスク判定を補助するTh2ケモカイン・TARCキット「HISCL®TARC 試薬」を販売しています。
国立国際医療研究センターが実施した臨床研究によると、重症化するCOVID-19患者は発症早期から血清中のTARC 値が低値を示すことが確認されています。Th2ケモカイン・TARCキット「HISCL®TARC 試薬」を用いて血清中のTARC 値を測定し、重症化リスクを発症早期に予測することで、重症化予備群に注力した経過観察が可能となり、医療資源の有効活用、医療体制の逼迫緩和、医療崩壊の回避への貢献が期待されます。販売開始後に、エビデンスの構築に向けた臨床研究にも取り組んでおります。
 

た行

第一三共株式会社

当社は、当社の持つサイエンス&テクノロジーを最大限に活用し、かつ外部機関とも連携して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの研究開発及び製造に積極的に取り組んでいます。
2020年に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV)の制圧に向けての基盤研究」(研究代表者:東京大学医科学研究所 河岡義裕 教授)に参画し、当社が見出した新規核酸送達技術を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を推進しました。その後、当社は本mRNAワクチンDS-5670の開発を最優先プロジェクトの1つに位置づけ、2021年3月に臨床試験を開始し、2023年1月にCOVID-19の予防に係る追加免疫の国内製造販売承認申請を行いました。COVID-19ワクチン未接種の健康成人を対象とした国内第3相臨床試験も2022年9月に開始しております。
なお、DS-5670の研究開発は、AMEDの「ワクチン開発推進事業」及び厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業」の支援を受けて実施しております。
 

武田薬品工業株式会社

当社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大下においても、患者さん、地域社会および従業員に対する責任を果たします。

製薬業界の専門知識を活用して、治療薬候補の研究を支援し、ワクチン候補の供給の手助けを行い、またIAEA(国際原子力機関)への出資を通じて、IAEAが進めている緊急支援パッケージである、リアルタイムRT-PCR診断機器やサンプリング、試験、品質管理のためのバイオセーフティーキャビネットと機器、ならびに個人防護具の提供等に貢献します。

私たちは、タケダイズムである誠実:公正、正直、不屈の精神を道しるべとしながら、患者さんに寄り添い(Patient)、人々と信頼関係を築き(Trust)、社会的評価を向上させ(Reputation)、事業を発展させる(Business)を日々の行動指針としています。COVID-19の流行拡大に伴う影響に根気強く、そして透明性をもって取り組み、タケダの医薬品やサービスを人々に届ける努力を続けています

 ワクチンのパートナーシップ
COVID-19ワクチンの日本における供給を支援するためのNovavax社およびModerna社との提携、またJohnson & Johnson社の新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造を支援するため、IDT Biologika GmbH社との合意を公表しました。

 l  Novavax社との提携
Novavax社のCOVID-19ワクチン候補について、同社との提携により、開発、製造(当社 山口県光工場において年間25,000万回接種分)、商業化を行い、パンデミック及びインターパンデミックの需要に応えます。 日本政府(厚生労働省)と2022年度のパンデミック対応として15,000万回接種分の購入契約を締結しました。規制当局による承認取得後、2022年初頭からの供給開始を目指しています。

 l  タケダ、厚生労働省およびModerna社の3者間の合意
ModernaCOVID-19ワクチンについて、日本政府(厚生労働省)、Moderna社、当社の3者間で、国内における1億回接種分の輸入・供給に関する合意しました。5,000万回接種分は日本に輸入済みです。追加の5,000万回接種分については、早ければ2022年初頭に輸入・供給開始の見込みです。

 l  タケダとIDT Biologika GmbH社間の合意
タケダのデング熱ワクチン候補の製造用に確保していたIDT社の生産施設を Johnson & Johnson社が開発した1回投与の新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造に、3か月間活用することに合意しました。

COVID R&D Alliance
タケダは、COVID R&D Allianceの創設メンバーです。この協力体制はバイオ医薬品企業とライフサイエンス企業20社以上で構成され、4つの主な取り組みを通じてCOVID-19の治療薬の開発を加速させることを目的としています。

1.    臨床的応用および治験の加速
2.    前臨床の応用
3.    データ共有
4.    将来の流行拡大への準備

企業単独で独立して実施した試験に加えて、COVID R&D Allianceの参画メンバーはアダプティブ・プラットフォーム臨床試験を用いることで、複数の介入を同時に検証し、試験によって得られた結果に基づいて試験デザインをリアルタイムで変更することができます。また、実臨床下でのエビデンスに基づき、「リアルタイム」での新型コロナウイルス感染症の自然経過のデータを掲載し共有することができるよう、データ共有プラットフォームの開発もサポートしました。

CoVIg-19 Plasma Alliance
流行拡大の初期より、タケダはCoVIg-19 Plasma Allianceの創設に参画し、新型コロナウイルスによる重篤な合併症のリスクを有する成人のCOVID-19入院成人患者を対象とした、治療薬となり得る抗コロナ高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)を開発してきました。タケダと血漿分画製剤で業界をけん引する企業は、個々の利益を差し置き共同で取り組めば、より多くのことを達成することができ、治療薬開発のスピードを加速させられると考えました。

開発していた抗コロナウイルス高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)は、米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が出資し実施した国際共同臨床第3相試験において評価され、同試験は20213月に完了しました。臨床試験は評価項目を達成しませんでしたが、ウイルスに対する抗体を用いた治療法についての理解を深めることに貢献し、患者さんや公衆衛生の最善の利益のために行動してきたことを誇りに思います。

田辺三菱製薬株式会社

ワクチンに関する取り組み

当社グループが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざして開発した植物由来のウイルス様粒子(VLP注1)ワクチン「COVIFENZ®」(コビフェンツ、開発番号:MT-2766)について、2022年2月にカナダにおいて承認を取得しました。しかしながら、COVID-19を取り巻く環境の変化と商用規模生産での課題等を踏まえ、商用化は行っていません。日本においても、2021年10月より本剤の第1/2相臨床試験を開始し、承認申請をめざしていましたが、こちらも中止しております。

  • 注1 
    VLP=Virus Like Particle 

治療薬に関する取り組み

2021年2月17日に、慶應義塾大学医学部と、COVID-19の治療に応用可能な中和抗体に対する共同研究契約を締結しました。慶応義塾大学医学部が取得した候補抗体をCOVID-19の治療薬として活用できるよう、共同研究を進めていきます。
 

中外製薬株式会社

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体カクテル療法

  • 日本における開発権および販売権を2020年12月にスイスのロシュ社より取得しました。
  • 2021年7月に軽度から中等度のCOVID-19治療薬として製造販売承認を取得しました。
  • 2021年11月にCOVID-19の発症抑制薬として適応追加の承認を取得しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアクテムラ®の臨床開発

  • 国内外で、重症COVID-19肺炎による入院患者を対象に、COVACTA試験(海外)、REMDACTA試験(レムデシビル併用、海外)、J-COVACTA試験(国内)等の複数の第III相臨床試験の結果が得られています。
  • 2021年6月に米国における成人および小児のCOVID-19による入院患者に対し、ロシュ社がFDAより緊急使用許可を取得しました。
  • 2021年12月に欧州で重症COVID-19治療薬としてロシュ社が承認を取得しました。
  • 2022年1月に国内でSARS-CoV-2*による肺炎の治療薬として承認を取得しました。
  • 2022年2月に重症COVID-19患者に対する世界保健機関(WHO)の事前認証(prequalification)をロシュ社が取得しました。
  • 2022年12月に米国で入院中の成人COVID-19治療薬としてロシュ社がFDAより承認を取得しました。
    • 注1 
      COVID-19の原因ウイルス

新型コロナウイルス感染症に関する情報


帝人ファーマ株式会社

本年3月9日付にて厚生労働省より要請を受け、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の検討に資するべく、当社が国内での製造販売承認を有します吸入ステロイド喘息治療薬(一般名:シクレソニド)の供給体制を確保しております。なお、現在適正にご使用になられている患者様への安定供給を確保したうえで追加的な供給の実現に向けた協議を輸入先とおこなっております。


な行

日本イーライリリー株式会社

  • イーライリリー・アンド・カンパニーはAbCellera Biologics Inc.(カナダ)と、新型コロナウイルス感染症の治療と予防のために抗体を共同開発中です。この共同開発では、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)のパンデミック予防プラットフォーム(P3)プログラムのもとに開発されたAbCellera社の迅速パンデミック応答プラットフォームと、イーライリリーの迅速な治療用抗体の開発、製造および提供能力を活用します。両社は協働して、可能性のある新たな治療法について、7月中旬までに臨床試験に進むことを目標としています。
  • イーライリリー・アンド・カンパニーはJunshi Biosciences社(中国)と、新型コロナウイルス感染症の予防薬および治療薬として、抗体治療薬を共同開発中です。新型コロナウイルス感染症の発生初期、中国を拠点とし、新規治療の発見、開発および商業化に特化したバイオ医薬品企業であるJunshi Biosciences社は、新型コロナウイルス感染症治療法の発見を目指し、業界初の研究開発の一つを開始しました。複数の中和抗体が設計されており、6月までに臨床試験の開始が見込まれているものもあります。

日本新薬株式会社

  • 当社の核酸技術を駆使した長鎖RNA等を用いた抗ウイルス薬の開発を検討しています。
  • 当社製品ならびに開発中の品目のCOVID-19治療薬へのリプロファイリングを検討しています。

は行

一般財団法人阪大微生物病研究会

一般財団法人阪大微生物病研究会(BIKEN財団)は、大阪大学微生物病研究所および国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と連携し、新型コロナウイルス感染症のワクチンおよび検査技術の開発に着手したことを、2020年3月18日に発表しております。微生物病研究所、BIKEN財団、医薬健栄研が有するワクチン開発・実用化にむけた研究資源・ノウハウを活用し、すみやかな臨床試験開始を目指します。


ファイザー株式会社

ファイザーは、"患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす"という企業目的のもと、画期的な治療薬とワクチンの研究開発に尽力しています。世界的なパンデミックに立ち向かうため、COVID-19に対するmRNAワクチンをビオンテック社と共同開発し、日本では2021年2月に製造販売承認を取得しました。本ワクチンを必要とする世界中の国や地域に迅速かつ安定的に供給するために、国際的な機関とも連携しています。臨床試験と市販後調査にて本剤の安全性と有効性に関するデータ収集を継続し、適正使用のための情報を発信してまいります。また、COVID-19に対する治療薬の開発も進めています。(2021年5月更新)最新の情報は下記リンクよりご覧ください。
ファイザー日本法人プレスリリース
米国ファイザーCOVID-19ページ


富士フイルム富山化学株式会社


当社は、VLP Therapeutics Japan合同会社が開発する、COVID-19に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンの治験薬製造を行っています。
2021年8月に、当該ワクチンが厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)」に採択されました。当社は、同事業への助成の一部を活用して製造設備の増強を行い、国産の新型コロナウイルスワクチンの早期供給開始に向けた生産体制整備を進めています。
 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、治療薬の研究支援として、以下の取り組みを行っています。

  • 研究者やバイオテクノロジー企業、ライフサイエンス業界における幅広い企業と連携し、新型コロナウイルス感染症の治療研究を推進しています。
  • 新型コロナウイルス感染症の治療薬候補として共同でスクリーニングを行うことができるよう、当社の化合物ライブラリーにおける約1,000種類の化合物を共同研究企業と共有しています。
  • 現在、新型コロナウイルスによる炎症性免疫反応に影響を与える可能性のある薬剤を含め、当社のポートフォリオにおけるいくつかの薬剤を評価しており、今後短期間のうちに臨床試験を実施する可能性を検討しています。本研究は、部門横断的な専門チームによる迅速な研究体制の下、企業主導または医師主導臨床試験として行われる可能性があります。
  • 共同研究を促進し、企業間の重複研究を防ぐため、業界内の複数の研究グループに参加しています。

ま行

丸石製薬株式会社

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの依頼により、COVID-19の治療に用いる医薬品の基礎的なスクリーニングのため、国立感染症研究所へ原薬提供の準備を行っています。


Meiji Seika ファルマ株式会社

不活化ワクチン注1「KD-414」の開発

Meiji Seika ファルマ(株)とKMバイオロジクス(株)は、不活化ワクチンの開発を進めています。承認に向けた最終段階となる第3相臨床試験(国際共同、成人40歳以下)を2022年4月に、また国内小児第3相臨床試験(6か月以上12歳未満)を2023年1月に、それぞれ開始しました。
  • 注1 
    不活化ワクチンとは、大量に培養されたウイルスや細菌からウイルス粒子や細菌の菌体を集めて精製した後、加熱やホルマリン等の薬剤を用いて処理をし、感染力や毒力をなくした病原体やその成分で作ったワクチンです。

次世代mRNAワクチン「ARCT-154」注2の開発

Meiji Seika ファルマ(株)は2023年4月に、Arcturus Therapeutics Inc. の開発した新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン「ARCT-154」について、全世界における権利を保有するCSL Limitedの子会社であるCSL Seqirusと日本での供給・販売提携に関する契約を締結しました。
同月、「成人における初回免疫(2回接種)によるCOVID-19の予防」を適応症として、日本における製造販売承認を申請しました。
また6月には「成人における追加免疫によるCOVID-19の予防」を適応症として、日本における製造販売承認を申請しています。
  • 注2 
    次世代mRNAワクチン「ARCT-154」は、オミクロン株等の変異株に対しても有効性が期待されるワクチンです。接種後に抗原タンパクをコードするmRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原タンパクがつくられるため少ない接種量でワクチンの効果が長く持続することが期待されます。

COVID-19の治療薬に関する研究開発について

Meiji Seikaファルマ株式会社と学校法人北里研究所は、2021年5月から次世代型イベルメクチン誘導体によるCOVID-19に対する画期的治療薬創出と抗ウイルス薬の基盤構築を目的とした共同研究開発を行っています。この研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択されています。


や行

ヤンセンファーマ株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズ(以下、ヤンセン)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急激な感染拡大を収束させるため、世界各国の政府、保健機関と協力しCOVID-19ワクチン候補の開発を進めてきました。ヤンセンのCOVID-19ワクチンは、AdVac®ワクチンプラットフォーム(欧州委員会に承認されたヤンセンのエボラワクチンレジメンの開発・製造や、治験中のジカウイルス、RSウイルス、およびHIVの各ワクチンの構築にも使用されている独自の専有技術注1)を活用しており、現在、米国やアフリカ連合、そしてヨーロッパやアジアのいくつかの国において承認が得られています。日本では、2021年5月に厚生労働省へ製造販売承認を申請いたしました。安全で有効なワクチンを日本に届けるという目標に向けて、引き続き、真摯に取り組んでまいります。

ヤンセンは、人々に信頼される重要な医薬品を供給し続けています。私たちは適切かつ効果的な物流を確保するため、グローバルなネットワークを通じた製品需要と供給レベルを注意深く監視するとともに、当社のタイムリーな納品に依拠するお客様への納品に可能な限り支障が生じることのないよう努めています。

  • 注1 
    Custers, J., Kim, D., et al. Vaccines based on replication incompetent Ad26 viral vectors: Standardized template with key considerations for a risk/benefit assessment. Vaccine. 2020.

ユーシービージャパン株式会社

  • 米国では、Seattle Structural Genomics Center for Infectious Disease(SSGCID)との協働を通じて、SARS-CoV-2タンパク質の結晶構造の同定に力を入れています。また、英国ではDiamond Light Sourceとオックスフォード大学と提携し、COVID-19の治療薬としてSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ阻害剤の開発に取り組んでおり、オックスフォード大学とワクチンの開発に取り組んでいます。
  • 同時に、COVID-19に感染した患者さんに私たちの治療薬が効果的に使用できないかを判定するため、政府機関や医療コミュニティと協働しています。

  • 各社の取り組みの詳細内容等については、各社にお問合せください。
  • 掲載内容の一部は、国外に本社をおく外資系企業の取り組み内容が含まれています。
  • 3月18日の開示内容は、こちらをご覧ください。

新型コロナウイルス感染対策への取組みについて(297KB)

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