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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「個人情報保護法改正の動向と医療情報の立法政策のあり方」
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「医療ビッグデータ政策」から「医療クオリティデータ政策」へ

さて、35年後の2055年には、日本の総人口は8800万人になると推計されています。現在の生活水準を維持していきたければ、より高付加価値の次世代産業を立ち上げなくてはいけません。そのときに、製薬業界はなにをやっていけば良いのかを考えてみます。
 従来推進してきたのは「医療ビッグデータ政策」です。これは、大量の「匿名加工情報」を医療分野および関連分野を横断的に収集・分析して、主に相関関係的知見を得るのが狙いです。対象情報は、公私の医療等情報および関連情報で、それらの相関関係を探っていきます。手法は非個人情報化(Anonymisation)による本人保護と利活用推進策です。これを行うためには、先ほどの「2000個問題」の解消が必要です。ここが解決しない限り、医療ビッグデータ政策は花開きません。
 次に推進すべきなのが、「医療クオリティデータ政策」です。これは正確な「医療仮名加工情報」を医療分野内で収集・分析し、主に因果関係的知見を得ることを目的とします。因果関係的知見を得るためには、正確な情報を取得する必要があります。ただし、対象情報は公私の医療情報に限定すべきだと考えます。手法は医療仮名加工情報(Pseudonymisation)による本人の保護と利活用の推進です。日米欧の法体系は異なりますが、対象情報の概念整理は法体系の違いを乗り越えて整合することが可能ですので、日本法においても、匿名と仮名の概念を整理し、EU・米国と同じ概念でやりとりをできるようにして、日米欧のData Free Flow with Trust(DFFT)の基盤を作り、希少疾患等のデータ含めて日米欧のデータベースの連携を図っていくべきです。対象は医療情報に限定するので、特別法の制定ができます。これをたとえば「医療仮名加工情報法」として制定するよう提言していきたいと思っています(図7)。

図7 医療ビッグデータ政策から医療クオリティデータ政策へ
図7 医療ビッグデータ政策から医療クオリティデータ政策へ

「医療クオリティデータ政策」が必要な理由は、医療個人情報は「匿名加工情報」等の非個人情報化での利活用には限界があるからです。たとえば、脳のスキャンデータ、レントゲン、臓器写真等の影像情報は本人と1対1の関係にあるという意味で氏名等を削っても仮名加工情報であり個人情報に該当します。なお、厳密に言うなら、この影像情報の個人情報該当性の評価は自治体ごとに変わるところはあるでしょう。こうした影像情報を匿名加工情報とするために、たとえばかかる影像にモザイク処理をすることになりますが、医学的にまったく無意味な情報になってしまいます。そこで、こうした影像情報等を本人同意なく第三者提供したり、学会等で公表したりできるように従来採用してきたのが「連結可能匿名化」という考え方です。これにはそもそも矛盾があります。連結可能であるなら匿名化したとは言えず、それは個人情報にほかならないからです。

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