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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「個人情報保護法改正の動向と医療情報の立法政策のあり方」
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立命館大学情報理工学部の上原哲太郎教授が、「2000個問題」を調査しました。まずは、47都道府県、20政令指定都市の67個に限定しても、個人情報の定義がこれだけ違うことがわかります(図34)。

図3 「個人情報」の定義の違い(47都道府県)
図3 「個人情報」の定義の違い(47都道府県)
図4 「個人情報」の定義の違い(20政令指定都市)
図4 「個人情報」の定義の違い(20政令指定都市)

定義の条文の文言の違い、加えて個人情報該当性判断基準等解釈の違いにより、たとえば、私立病院では個人情報保護法に従い、一定のゲノム情報単体を個人情報に該当するとしているのに対して、個人情報に該当しない公立病院が出てきたりするわけです。こういったことが、今まであまり問題にならなかったのは、厚労省等のガイドライン、ガイダンス、指針等告示や通達において、条例をいわば上書きして病院関係者が条例をみずに告示中心で運用してきたところが多かったからだと思います。下位ルールが上位ルールを破るわけです。とても法治国家とは言えない中で、なんとかしのいできていたということです。ただ、法務機能が充実している組織ほどに問題に直面していたということはありました。
 ここにEUの一般データ保護規制(General Data Protection Regulation:GDPR)が登場します。希少疾患やゲノム含めて、医療データや創薬データをグローバルに流通させることに取り組まねばならない時代に、明らかにEU並の保護水準に達していない日本の国内法制とその運用実態にあっては、EUの求める十分性を充たすことはできずデータ交換は常に停止されかねない法的リスクに直面していたということが言えます。先般、悲願の十分性の相互認定になんとか温情でこぎ着けましたが、それとてその対象は民間部門だけのことです。行政機関個人情報保護法、独法等個人情報保護法や個人情報保護条例で規律される公的部門はEUとのデータ交換に大きな不安を残しています。国立がん研究センター、国立大学病院や公立大学病院やその他の自治体立病院は蚊帳の外のまま放置されています。私立病院や市立大学とその付属病院は民間部門ですので問題はありません。同じ研究機関、同じ病院なのにこの違いです。
 研究機関や製薬業界が、世界中からゲノムデータを集めゲノム創薬の研究開発をする、そしてグローバルに事業展開するに際しても、このような状況ではなかなか前に進めません。研究開発拠点のEU移転も検討課題とならざるを得ないところがあります。

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