2017年6月に、医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)が「Data Sharing Statements for Clinical Trials: A Requirement of the ICMJE」[5]という加盟雑誌への投稿条件に関する声明を発表しました。2018年7月1日以降に投稿される論文にはデータ共有に関する陳述(data sharing statement)を含めること、および2019年1月1日以降に被験者登録が開始される臨床試験の登録情報にはデータ共有計画(data sharing plan)を含めることを義務化したもので、製薬企業各社で対応が進んでいるようです。たとえば、ClinicalTrials.gov[6]では「Plan to Share IPD」が記載されている試験が増えてきています。また、国際製薬団体連合会(IFPMA)がIFPMA Principles for Responsible Clinical Trial Data Sharing[7]を公表し、「責任ある臨床試験データ共有の原則」にあるCTDSへのコミットメントが、もはやEFPIA/PhRMAだけではなく、製薬協をはじめ、IFPMAに加盟する全世界の製薬団体が取り組む課題となったこともCTDSを後押しする要因となっています。